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考えない

A月T日 この日はルイスの誕生日。


梨咲はこの前自分の誕生日を祝ってくれたルイスへのお礼を兼ねて、朝、早起きしてケーキ作りをしていた。


寮の食堂で1人、パジャマの上からエプロンをかけて、ぼさぼさの三編みとメガネという、普段の梨咲とはかけ離れた、完全オフの起きたて状態で、とりあえずケーキだけでも…と作り出した所だった。


突然ふわ…っと抱きつかれて、鳥肌と共に振り返るとルイスだったと確認する。


「な…何だ!ルイスか…!脅かさないでよ!!」

梨咲はバクバクと高鳴る心臓を押さえる。


「…梨咲さんがパジャマ着てる。三編みメガネしてる。可愛い♡♡」

「…絶対こんなに早い時間、ルイスは来ないと思ったのに…!(油断した…)」

梨咲は後悔を口にする。


「何で?可愛い♡メガネかけていたんですね♡」

ルイスは梨咲に関して新たな事を知れて嬉しかった。

やっぱり、帰らなくて良かった♡


「朝晩だけな。見づらいんだ。

…こんなに早い時間にどうしたんだ?」

「何か…梨咲さんに会いたくて…。寝れなくなっちゃった。」

「またまた…!(笑)」


ルイスの言葉を冗談だと思って笑い飛ばした梨咲を、ルイスはグッと引き寄せてキスをする。

「!!」

「酷いなぁ…!本当なのに…!」

キスが離れるとルイスは梨咲を抱きしめ直しながら怒った。

それからルイスは徐ろに話し出す。

「俺に監視が付くんですって。」

「え…っ?何で?」

突然のインパクトのある言葉に梨咲はドキッとする。

中央政府がまだ何か動いているのだろうか?


「俺が梨咲さんを襲わない様にですって♡」


梨咲はルイスの言葉が一瞬理解出来なかったが、意味がわかると顔を赤くして慌てた。


ええ?! 何それ、 どういう事…

わざわざ監視を付ける程?! 

ルイスは私を襲いたい?! ///

いや、待て! また からかってるのか?


梨咲は俯いたまま顔を上げられなくなった。

その間、ぐるぐると考えを巡らす。


梨咲の困り果てた姿にルイスはくすっと笑う。


「大丈夫ですよ♡無理矢理襲ったりなんてしません♡

心が通っていない事ほど虚しいモノはありませんから。

梨咲さんが俺を欲した時に… いくらでも甘えさせてあげます♡」

耳元で囁かれて梨咲はゾクゾクとして目を瞑る。


でも… 梨咲はちょっと安心する。


いつかは… そういう時が…?/// 

とは思っていたけど…

心の準備が… 追いつかない… 

から 良かった…!


ルイスは梨咲のホッとした反応を苦笑する。

あーあ!早く俺を欲しがってくれないかな?

残念☆


「…だから監視なんていらないのに!!その内に来るんですって! こうやって梨咲さんと気軽にイチャイチャ出来ないのかな?と思うと悲し過ぎマス。

監視が来るまで、沢山触れておこうと思って♡」

そう話すとルイスは梨咲をぎゅっと抱きしめた。


梨咲も腕を回してルイスに抱きつく。


気軽に…触れられなくなっちゃうのかな…?

それはそれで…寂しい… かも…


ルイスの温もりを感じる様に、梨咲は頬を寄せて摺りつく。


「梨咲さんに触れられるからこそ頑張ってるのに…!(笑)…あの父親!平和ボケとか言いやがって、わざわざ俺のモチベーションを削ぎ落とす様な事を…!」

梨咲の頭の上でルイスは怒った。


そこに関しては私も…

ルイスに抱きしめて貰うと頑張れる事も多いんだけどな…。

と、梨咲は思った。

だけど…  

まだ起きていない事を考えても仕方がない。 



「そんな事よりルイス!今日はお誕生日だよ?

おめでとう!」

梨咲がお祝いすると、ルイスは頬を赤くして照れた。

「梨咲さんの手作りケーキ、楽しみ過ぎる♡」

「ルイスの国の、サマナの煮込み料理も作るよ?上手く出来ると良いんだけど…。」

「本当?俺の大好物!♡」

「ふふっ。そう言っていたもんね?頑張ってみるね♪」


年度切替休みは怖いくらいに平和だった。

今は何も… 考えたくない…


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