父子の会話
年度切替休み
ルイスは寮の自室で父(国際魔法局長)と画面越しのやりとりをしていた。
「ルイス!何で帰って来なかった?!お前にはやる事が沢山あるだろう!!」
開口1番に父に怒鳴られて、ルイスは溜息をついた。
「1回くらい帰らなくてもいいじゃないですか…。」
「まぁ、ソレはいい!今回だけ、多目に見てやる。だが、何だ?!あの『卒業後は1年浪人してから大学に進学する』とか言うふざけた計画は!!」
「…ふざけてないですよ。梨咲さんが生活に慣れるまで、一緒にいたいと思っただけです。」
「それだ!ルイス。お前にとっては純愛で、大切な女性を守ってやりたいとの気持ちがあるのだろう。
しかし周りから見たら政略結婚だ。
表立ってはないが、全世界の裏が彼女の能力(特に難易度A指定水魔法)に注目し、欲しているのを、政略結婚によって国際魔法局が手にしたことになる。
確かに彼女は望む事ではないかもしれない。
酷な事もあるだろう!
だが、彼女の能力を活かした進路、仕事をして貰わなければ、全世界が納得しないだろう!!
梨咲さんには英家に生まれた運命として頑張って貰わなければならない。
国際魔法局も面子がかかっているのだ!
お前ならわかるだろう?!」
「 …。」
ルイスは黙った。
父の意見はよくわかる。 その通りだとも思う。
でも!だけど!
もういい加減、梨咲さんを自由にしてあげたい!
色々なモノから開放してあげたいのに…!
自分の気持ちは父の意見に納得出来ない。
「お前もお前だ!今のところは梨咲さんの能力に劣らない実力の持ち主ということで仕方なく黙っている輩も多いいが、油断してみろ。すぐに足元を掬われるぞ?
彼女を自由に、好きにさせてやりたいのなら尚の事、お前がしっかりとポジションを取っておかないと、梨咲さんを守ってやれないぞ?その為にも浪人なんてしている暇はないだろう?!」
父の言葉にルイスは舌打ちする。
「チッ …独占出来ると思ったのに…」
卒業して、右も左も分からない不安定な梨咲さんを独占して甘々新婚生活♡を楽しみたかったのに…!
ルイスは計画を砕かれてへそを曲げる。
「…お前まさか…!すでに梨咲さんに手を出したりしていないだろうな?!」
思い立った父は青ざめた。
「…さぁ?どうでしょうか…。」
「ルイス…それだけは…!頼むぞ?結婚するまでダメだからな?!」
「ダメと言われると♡ 破りたくなります♡」
ルイスがウインクすると、父は頭を抱えた。
「…ルイス。私達はお前の能力を期待している。兄の様になっては困る…。」
兄は政略結婚を受け入れられずに愛する女性と ある日突然姿を消してしまった。
ロートン家や周辺はトラウマになっている。
「…そんな事、しませんよ。その先がどんなに茨の道か…まして梨咲さんが相手なら過酷を極めますから。」
ルイスは飄々としているが、一族や周辺から、兄の分まで期待されている事を知っている。
だからこそわざわざ他国の学校に、婚約者を迎える為に転入してきたのだ。
自分の役目は充分認識している。
「うむ。お前は利口で助かる。
恋に心を囚われ過ぎるな。平和ボケしてる暇なんてないんだぞ?各国の動きは常に変化する。我々はその動向を日々注視、確認する必要がある。わかったな?
この 年度切替休みの期間だけはお前の好きにさせてやる。」
「ありがとうございます。
では…これから梨咲さんとイチャイチャしてきます♪」
父はまたも頭を抱えた。
「本当に…!頼むぞ?! 平和ボケ仕切ったお前に教育係を送るからな!」
「えーっ!!! 教育係なんて必要ありませんよ〜!」
ルイスは大ブーイングをした。
「お前の学力は心配してない!生活面だ!梨咲さんと何かあっては困るからな…。監視だ。」
「えーっ!」




