ごはん
余計なお世話かもしれないけど…
ルイス、ご飯はどうするのかしら?
寮の食堂で大量の作り置きを作りながら梨咲はふと思う。
それから1人、自問自答が開始される。
長休み中、レスカーデン内はカフェも売店も閉まってる。
街にでも行くのかしら…?
…1人のご飯って…味気ないのよね…。
慣れてるけど…
一緒に… 食べないかな…?
思ってから 慌てる。
一緒に…って、自分の手料理を… 振る舞うって事?!
いやいや、そんな度胸無いって!!!
ルイスの事だから、きっと美味しいモノとか知ってるし!
それからフッと思う。
…知ってる料理…か。
ルイス、わざわざ私の為に残ってくれたんだよね…?
何か…普段のお礼も兼ねて出来ないかな?
ルイスの故郷の料理を…?
そう思いながら、天板に乗せた料理をオーブンに入れようと振り返ると、
人影とぶつかって天板が手から離れた。
「おっと…!」
慌てて天板を空中浮遊させて食材を救ってくれたのはルイスだった。
「あ… /// 」
梨咲は物凄い恥ずかしさに襲われた。
さっきの自問自答…バレてないよね?!
顔を赤くして固まる梨咲をルイスは不思議に思った。
それからピーン!と思いつく。
「もしかして、俺の為に作ってくれてた?」
ニヤニヤして顔を覗き込んでくる。
「や… 違… ぅ /// 」
咄嗟に反論するが、梨咲の慌て様にルイスはカマをかける。
「ふーん。 当たらずとも遠からず…」
「…っ ///」
「…俺の事は考えてくれていた訳だ ♪」
「う…っ!」
ルイスの笑顔に梨咲は敗北した。
「…や、ご飯どうするのかな?って…」
「やっぱり俺の為に作ってくれてたじゃん♪」
「…まぁ 。」
そういう事にしておこう。
梨咲は細かい説明が面倒臭くなった。
「…でも口にあわないかもよ?」
「そう? 珍しい!梨咲様ともあろうお方が弱気発言!料理苦手なんですか?」
ルイスの言葉にふふっと笑う。
「元々は何でも苦手よ。私は器用な方じゃないし。
本当に、失敗して失敗してモノにしていくのよ。しかもソレが途中から自己流になっていることも多いし。まぁ、食堂担当のおばちゃんと、カフェ店長さんからは合格貰ったからまぁまぁだとは思うけど…(笑)」
本当に…何度も失敗したんだよなぁ~
梨咲は思い出して笑う。
今は良い思い出だけど、当時はみんなが頭を抱えたんだよね〜(笑)
梨咲の言葉にルイスは驚く。
料理出来ない、の基準が違う…!
「ソレってプロにお墨付き貰ってるじゃないですか!」
「ルイスの口に合うかはわからないけど…。どうせ連休中は暇だから、今回は料理でも研究するかな?」
ルイスは溜息をつく。ほぼ呆れた。
「めっちゃ努力家〜!研究熱心〜! 俺の事もそれくらい研究して〜?♡♡♡」
勿論ルイスは冗談で最後のフレーズを言ったのだが…
「あぁ!ルイスを研究か…!それも面白そうだな!」梨咲は至って真面目に真剣に考え始める。
「ルイスの魔力の強さはどうやって手に入れたのか、とか、嫉妬のルーツはどこから来ているのかとか、兄妹親子関係から読み取れる性格と勢力図とか…過去の失敗からのトラウマの探し当てとか…あと恋愛経験から来る…」
「ごめん。俺の研究ナシでお願いします!」
ルイスは梨咲の言葉を遮って懇願する。
梨咲はおかしくなってふふっと笑う。
「ああ、でもね、好きな料理くらいは研究しようかと思ってたのよ。さっきはソレを考えていたの。」
「…っ /// 」
きゅ〜ん っとルイスは胸にきた。
嬉し過ぎて 梨咲が可愛い過ぎて 言葉が出てこない。
「ご飯も1人で食べるのも寂しいな…って。嫌じゃなかったら…一緒に食べよ?」
梨咲はルイスの袖をちょんと摘んで窺う様に上目使いにルイスを見る。
ルイスはトドメの可愛さを喰らい、梨咲に凭れかかった。
「…はい。」
やっとの事で返事を返す。
「本当?良かった♡」
嬉しそうに料理を再開する梨咲を、ルイスは食堂のテーブルでダウンしながら見守った。




