不貞腐れて
ネファを見送った後
むっすー とわかり易く不機嫌な顔をしたルイスを見て、梨咲はため息をついた。
「わかり易く、怒っているわね…」
ルイスは不貞腐れてそれについては応えない。
「…俺にもキスして!」
梨咲は顔を片手で抑えて うな垂れた。
子供〜
呆れながらも、これ以上拗れると面倒なので、大人しく従ってキスをする。
「あんな…不用意に先輩に近づいてキスされるなんて…!」
少しだけ機嫌を取り戻したルイスがボソッと抗議する。
「ルイスも意地悪ね。ネファ先輩とルイスとじゃあ、どう見たってルイスの方が上じゃないの。ネファ先輩に勝ち目なんてない。だから先輩の肩を持ったのよ。…どうしたの?らしくないじゃない…。」
ネファを擁護する梨咲にルイスは苛つく。
どうしたのか? って?
そんなの、梨咲さんに固執する全てのモノを片付けたいからに決まってる。
そこにフェアなんて綺麗事は要らない。
散々先輩に困ってきたくせに肩を持つだなんて…
この期に及んで気の毒がって庇うだなんて!
何、ついでにキスまで奪われて…!
苛つく。
俺だけを見てればいいのに…!
「… ムカつく!」
ルイスは梨咲の腕を掴んで胸に抱きついてくる。
「や…/// ちょっと! ルイス!!」
慌ててルイスを引き剥がそうとするも、逆に腰を引かれて離れられない。
「簡単に触らせないで…」
太腿を触られて梨咲はビクッと肩が揺れた。
「わかった?梨咲さん…。返事は?」
「…っ!」
ルイスは下から蛇の様に… 巻き付く様に、抱きついてくる。
ルイスの指が背中を這うとゾクゾクとする。
「ふふっ。いい顔♪」
下から見上げてルイスは梨咲の反応を楽しむ。
梨咲は完全にルイスの手の内で遊ばれていた。
それからルイスは梨咲を腕の中に閉じ込める。
「可愛いメイドさん…。ご主人様、って言ってみて?」
機嫌の直らないルイスは、梨咲にハードルの高い要求をする。
ルイスが怒っている事を十分に理解した梨咲は、仕方なく従う。
「… ご主人様… っ/// 」
言ってから、 物凄い恥ずかしさに襲われて、梨咲は顔を真っ赤にした。
「もっと… 言って ? 」
「…ルイス! 恥ずかしいよ ///」
梨咲は堪らなくなって反論する。
「当たり前でしょ?お仕置きなんだから…。
もっと、俺を満足させて!ご褒美にならない。」
俯く梨咲の顎を上げて自分に向かせる。
「ほら… 」と急かす。
「… ご主人様… /// 」
困った顔のメイドが主人の要望に応える。
「キスして。」
梨咲は大人しく従ってキスをする。
「もっと… 俺を満足させて…?」
ルイスは更にキスを求める。
もっと…俺だけを見て
もっと俺だけに囚われて…!
ルイスの要求が止まらない。
このまま全部、梨咲さんを俺のモノにしたい…
ルイスはふと梨咲の右の古傷にふれる。
なのに… この傷…!
凛に対しての恋愛感情は無いと言いながら、梨咲さんはいつまでもこの傷を消さない。
ねぇ、いつになったら梨咲さんは凛から開放されるの…?
ルイスは凛にも、梨咲にも腹を立てた。
「本当…ムカつく!」
折角のご褒美タイムが台無し…!
「ご褒美タイム、別日にやり直し!」
ルイスの言葉に梨咲は青ざめる。
「… 嘘でしょ ?」
「梨咲さんが悪い!」
「そんなに怒っちゃったの?」
「そうだよ!梨咲さん、反省してね!」




