ご褒美
授業が終わった放課後の教室ー
「ね、梨咲さん…?」
梨咲はルイスに迫られて顔を真っ赤にする。
「や…!」
逃げようとした梨咲をルイスは手首を捕まえて引き寄せる。
「ダメ 逃さない…」
耳元で言われて梨咲はゾクッとする。
「…っ! ///」
「約束… したでしょ?」
梨咲は涙目になって訴える。
「だって… ルイス、恥ずかしいよ… 」
「大丈夫…。すぐに慣れますよ。怖くない…」
ルイスの微笑みは悪魔の様…
梨咲は恥ずかしくて死んでしまいそうなのに…
ルイスは執拗に梨咲に迫った。
「や…!許して…! 」
「ダメ!今日は絶対に逃してあげない…!」
「…っ!」
もう、どうあっても離す気がないんだな…
梨咲は諦める。
「わかった…から…。 せめて他の場所にして?
こんな場所じゃ… ヤ…だよ…っ!」
俯き観念する梨咲を見てルイスは満足する。
ああ早く… と興奮する。
「どこにする? 場所は…選ばせてあげる…」
「…じゃあ 東の森…」
「へぇ?外でいいの?」
「だ…って ///」
ルイスは梨咲を抱き寄せて逃さない。
「俺、もう我慢出来ない…/// このまま 行こう?」
「…っ ///」
そうして東の森に移動する。
いつもの展望台へ行く階段は登らずに、深い森の中へ…。
「こんな所、あったんですね…」
ルイスは辺りを見回す。
ここは深い洞穴。
他の獣が荒らさない様に結界を張ってある。
梨咲の別室と言っても過言ではない。
ここでは派手な魔法の特訓をしていた。
「私の秘密の場所だよ…。」
梨咲がルイスに向き直る。
「秘密の場所♡ 響きに興奮しますね♡」
「…っ/// !! 」
「確かにここなら人目を気にせずに出来ますね…、梨咲さん♡」
不安気にルイスを見上げる梨咲のおでこにルイスはキスを落とす。
「大丈夫。恥ずかしいのは最初だけです…」
「…1着だけだよ? ///」
「ダメ!2着です。」
「2着?!聞いてないよ…!」
「本当は3着着て欲しいんですよ?2着は譲れません!」
「〜っ /// !!」
そうして本当に始まった、ルイスへのご褒美タイム…
梨咲のコスプレ。
「…っ ///」
梨咲は顔を真っ赤にしてスカートを握りしめる。
リクエスト その1 軍服ワンピース
「…っ! 似合う! 可愛い…! ///」
黒のワンピースとレザー製の手袋。野戦帽にコンバットブーツ。
襟や袖、スカートの端は赤で縁取られている。
勲章バッジに飾緒はワンピースだけでなく野戦帽にもあしらわれている。
黒のレザーベルトでウエストを締めて、そこからふんわりと広がるスカートが可愛らしさを演出していた。
「そんなに固まってないで♡動いてよ♡」
ルイスは突然攻撃魔法を梨咲に仕掛ける。
「はぁ?!」
突然の攻撃に怒った梨咲は氷剣を作り、ルイスの攻撃を弾きながら、剣を容赦なくルイスに突き刺す。
冗談に取れない本気の攻撃にルイスは興奮する。
ひょいひょいと避けつつ、ルイスは隙きをついて地魔法を発動させ、梨咲を拘束する。
蔦や枝がぎりっと梨咲の体を締め上げると、梨咲の顔が歪んだ。
「イイ…♡」
ルイスは梨咲のその表情を恍惚と見る。
「…ルイスっ…!」
梨咲の苛立ちが最高潮に達する。
体を拘束していた枝や蔦を、梨咲は火魔法で一気に焼き払った。
そうして激しく燃え盛る炎の中を冷酷な目をした軍服姿の美女が、漆黒の髪を靡かせて近づいて来る。
ヤバい!本気で美しい…!!!
ルイスが興奮したその一瞬が隙きとなり、ルイスは梨咲の放った氷の刃をくらう。
カカッとルイスの服に刃が突き刺さり、その勢いのまま、後方の岩に留められた。
頬にも刃が当たり、スッとルイスの頬に一筋、血が流れる。
岩に留められたルイスを、梨咲は冷たい目をして見下す。
それから、ルイスの顔を蹴り飛ばす勢いで回し蹴りをして、ルイスの顔のすぐ横の岩にコンバットブーツをめり込ませた。
ルイスの顎をわし掴み、氷の剣を首に突きつけ、梨咲は質問した。
「…満足?」
梨咲の眼はどこまでも冷たい。
ルイスはその眼に睨まれるとゾクゾクした。
「はい。とっても…。このまま殺されてもいいくらい…」
ルイスは悦に入る。
眼が…、本気に喜んでいるわ…
梨咲はルイスに呆れた。
手を離してルイスの拘束をとく。
「ばぁ か!」