表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ルビの互換性と、その他気になる点など

作者: あいなめ

度々の誤字のご報告、本当にありがとうございます。

 ルビっていうのは、多分日本の小説以外であまり存在しないのでは、と思うのですが。「強敵と書いてともと読む」なんていうのもルビがあるからこそ成立するわけで。そのルビをWeb小説でも実現してもらっている、というのは実にありがたいことだと思います。

 ルビの実装(テキストでの表現方法)は多分なろうが最初で、他の投稿サイトはそれを基に拡張していっているのだと思います。つまり、なろうが下位互換というわけですが、実際には他のサイトが完全上位互換というわけでもなく、それぞれのルビ表現が他のサイトでは正しく反映されないという事があります。

 昨今では複数サイトに投稿される事が普通のようですが、特に他サイト向けに書かれた作品をなろうに投稿すると、ルビがうまく表現できないことがままあります。出来れば読み手は作者の意図した形で読みたいですから、ちょっとこういった互換性に気を使っていただけるとありがたいです。


 というわけで、ルビの特に互換性で問題になる点について、メンションさせていただきたく思います。


1. なろうの簡易ルビ

 △: 強敵(とも)

 〇: |強敵≪とも≫

 なろうでは、漢字表記の後に()でひらがな表記を続けると、それがルビになってくれます。この表記自体は、ルビにならなくてもさほど違和感ない方法ですので、まあうまいやり方だとは思うのですが、他のサイトでは実装されていないようです。ですので、他サイトに持って行くことを考える場合には、通常の|と≪≫の形のルビを常用する様にした方が良いと思います。


2. 簡易ルビの名前使用での問題

 ×: 山田奈々子(やまだななこ)

 〇: |山田奈々子≪やまだななこ≫

 なろうだけを意識している場合でも、簡易ルビがうまく行っていないケースを見かけます。例えば「山田奈々子」という人に「やまだななこ」のルビを付加する場合、単にかっこでくくってルビを追加すると 山田奈々(やまだななこ) となってしまいます。これは、「々」が漢字と認識されないために発生する現象です。同様にゞなどの文字も漢字としては扱われません。このような場合は、|を利用した正規ルビを使用する必要があります。


3. カクヨムでの傍点

 ×: ≪≪カクヨム≫≫

 〇: |カクヨム≪・・・・≫

 カクヨムでは、≪≪なにがし≫≫という記述をすることで、傍点を振る事が出来ます。しかし、これはなろうではサポートされていません。ですので、このような生の記述を見る事は良くあります。カクヨム先行でなろうに作品を持ってくる場合には、この傍点記述は避けていただく方がありがたいです。

 なお、傍点をなろうで実現する場合、入力補助を利用すると、一文字ごとのルビ記述で実現されます。さすがにこれは現実的ではないでしょう。実際には、通常のルビ記述で、≪≫内に文字と同じ数の中黒(・)を置いてやるだけでおおむねうまく傍点記述ができるようです。ですので、カクヨムで記述する段階で、このように記載しておくことをお勧めします。


4. ルビ対象文字数の制限

 ×: |東京都立世田谷高等学校≪とうきょうとりつせたがやこうとうがっこう≫

 〇: |東京都立≪とうきょうとりつ≫|世田谷≪せたがや≫|高等学校≪こうとうがっこう≫

 カクヨムでは、かなり長い文字列に一気にルビを振る事が出来ますが、なろうではかなり制限されて10文字までしかルビ表現として解釈されません。この制限は、複合語などだと意外と簡単に超過してしまいます。ですので、普段からルビは区切って付加するように心がけていただけるとありがたいです。


5. ルビ対象文字に空白が含まれる場合

 ×: |Harry Potter≪ハリー・ポッター≫

 〇: |Harry≪ハリー≫ |Potter≪ポッター≫

 文字数と同様に、カクヨムではルビ対象に空白文字が入っていても問題なくルビがふられます。ところが、なろうですと、空白がはいるとルビ記述がキャンセルされてしまいます。

 これは、英文字名にルビをつけると言った場合に問題になります。英字名などにルビを振る場合には、例示のように名前と苗字それぞれに別々にルビ記述を導入する必要があります。意外と見落としがちであり、後からの修正もかなり面倒なので、作成段階で気にしておかれる事をお勧めします。


 以上、よく見かけるルビの問題点を挙げてみました。文章を作成する際に、ちょっと気に留めていただくとありがたいです。


追記:

 感想でご指摘を受けました。カクヨムでも簡易ルビは存在しているようで、この場合なろうとは異なり≪≫を使用するとのことです。実際、単≪≫で括られた読みを見かける事はありまして、単に|抜けかと思っていたのですが、これもカクヨム記法そのまま、という事なのかもしれません。

 簡易ルビの「親文字」が漢字だけ、というのはカクヨム・なろう共に共通ですが、なろうでは、簡易記法のルビに漢字が含まれてはいけませんが、カクヨムにはその制限はないようです。このため、なろうでは意図しない()内の記述がルビになる事はあまりありませんが、カクヨムでは意図しない≪≫内の記述がルビになる事は少なくなさそうです。

 いずれにしろ、どちらの簡易記述も使用しない方が無難だと言えます。


 また、カクヨムでは本文中で≪を使いたい場合には、|≪の形で使用するように、という指示がありますが、なろうでこの記述をすると縦棒もそのまま出力されてしまいます。何もつけなければ正しく≪が出力されるのですが。

 よって、ルビ以外の目的で文中で≪≫を使うこと自体を避けるのが無難であると思います。


 なお、本文中で≪≫を使用していますが、ルビに使用するのは厳密には《 》です。本文中ではルビに変換される事が無いようにあえて似た文字を使用しました。


例示を付加しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 簡易ルビや傍点で起こりやすい問題などをわかり易く説明して頂き、ありがとうございます! とても勉強になりました! 自分は複数の人がほとんど同じセリフを喋っている時に、 「「おはよう (ござい…
[一言] たびたびお邪魔致します。 リンク承諾ありがとうございました。本文やあらすじ等でHTMLタグが使えなかったので、あらすじにこちらのURLを貼らせていただきました。 やはり複数のサイトで同時公…
[一言] 小生の関連エッセイに情報ありがとうございました。 こちらの内容もとても参考になり有り難いです。 小生のエッセイからこちらにリンクさせて頂いてもよろしいでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ