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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
67/199

1話

は?意味わかんねえと思う読者の皆様。

私も同じ気持ちです。

元々は独立作品としてやろうと思ってました(1年前からちょくちょく作品は考えてた)……が、同じ人物で似たような展開を別作品でやるのも如何なものかと思ったのでこの作品を複数世界線に分離させて新しい信親転生の歴史を描くことにしました。

気が向いたら他のifもやるかもなのでよろしくです。


信親が戸次川の戦いで戦死しなければ……という話はよく長宗我部ファンはどころか歴史ファンの間でも議論される。それほどにその将来が期待されていたのだろう。


しかしよく考えて欲しい。

信親が生存したところで長宗我部の命運は既に決まっていたのではないだろうか?


それに信親が生存するというのとは元親が戦死、もしくは軍監の仙石秀久の命令に逆らうという線も考えられる。そんな長宗我部家を秀吉が信用するだろうか?

だからこそ、この転生した男は考えた。

戸次川よりもっと前、長宗我部氏が中央と接触する時代こそが重要だと。

今、新たなる長宗我部転生記が始まった。



1576年 京


「此度は右大将様の麗しきご尊顔を拝謁し恐悦至極に存じ奉りまする。右に控えるものが次期当主弥三郎にございます」


そう言って中年の男が横に平服する少年を上座の人間に向けて紹介する。


「弥三郎にございます。此の度は右大将様へのお目通りが叶いまして只只、恐悦至極に御座います」


彼こそが長宗我部信親……この時はまだ弥三郎。

土佐の長宗我部元親の嫡男であり、いずれは四国を担っていく男である。

彼を紹介するのは香宗我部親泰。

元親の弟で長宗我部氏の外交及び阿波攻略の責任者である。



さて、長宗我部家は独立大名である。

足利幕府の政治体制に組み込まれていた訳でもなく実質的な主家の一条家は先代の一条兼定は追放され息子の内政は元親の娘婿となったがほぼ飼い殺し状態である。

ここまで謙って頭を下げる相手などそうそう居ない。

そう、この男を除いては……。


「表をあげられよ。わざわざ土佐から登ってきたのだ。そこまで頭を下げられずとも良い」


右大将様と呼ばれた男が信親たちに頭を上げるように促す。

親泰の方は明らかにピリピリしている。

後ろに控える家臣一同も同様だ。


「はっ、ははぁ」


信親が真っ先に顔を上げる。

彼の前の上座に控えるキツネ目痩せ型の中年。


「織田右大将信長である。貴殿が長宗我部の世継ぎであるな」


内府様と呼ばれる男は織田信長。

現在(1576年)の時点で日ノ本で最も力を持つ男だ。


「如何にも、私が弥三郎でございます。昨年は右大将様より1字を賜りその御礼を申し上げたくここまで参上した次第にございます」.


「弥三郎殿は宮内少輔(元親)殿によって武芸、政から蹴鞠、和歌、茶など多くの教養を学んで居られます。御館様とも気が合うかと」


そう少し誇らしげに説明する白髪混じりの老人は明智光秀。

織田家の四国方面と担当者であり元親とは家臣の斎藤利三を通して縁戚に当たる。

周りの柴田勝家、佐久間信盛といった重臣達は信親の凛々しさに圧倒されているのだ、誇らしくもなるだろう。


12歳の信親だがこの時点で身長は信長より高く、信長の次男の信雄や三男の信孝辺りよりしっかりとしているのは重臣たちの目にも明らかであった。


「ほう……宮内少輔殿はそなたをえらく大事にしておるようだな。ワシが信の1字を与えたのは間違いないようだ」


昨年、親泰が信長に謁見し信の字の拝領と長宗我部氏による阿波と讃岐の切り取りを許可された。

基本的に1字を与える時は通字では無い方、信長で言えば長の字を与える。

元同盟者の浅井長政ですら長の字であった(諸説あり)。

信の方は徳川信康や近衛信尹など縁戚関係にあるか公家に限られる。


つまり信親が信の字を貰ったのは大変名誉な事なのだ。

しかし元親は未だ信親を元服させたいとは考えておらず、史実でも信親の元服は2年後である。


「長宗我部は一丸となって、右大将様のために働きまする」


「うむ、良き心がけじゃ」


満足そうにする信長。

しかしここで鋭い視線を信親は察した。


「暫しお待ちくだされ。弥三郎殿の狙いは誠にそれだけでござるか?」


一気に声の主に皆が注目した。

それまで和やかであった広間の空気はここから一変していく。

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