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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
維新の章
64/199

20話

しかし相手が悪かった。

相手は奥村助右衛門という前田利家の家臣であり彼が奮戦した事で佐々勢は足止めされた。

そこに怒り狂った前田利家を大将に蒲生氏郷、堀秀政らが五万を率いて出陣した。

成政も奮戦したものの多勢に無勢。

北条氏政の元に落ち延びたものの氏政が挙兵を渋ったので伊達政宗の元へ助けを求めたところで捕縛された。

無論のことだが成政は処刑され佐々家は改易。

加賀は前田利家、越中は蒲生氏郷に与えられた。

この辺りで信親らは新たる民部卿と兵部卿を選出するために話し合っていた。


「思うのだが兵部省は陸軍と海軍に分け陸の守りを陸軍、海の守りを海軍にやらせるのはどうか?両卿はもちろん合議にも参加できるということで」


「ならば陸軍卿は是非とも我が弟の義弘に」

「海軍卿は我が叔父、隆景に」


と義久の輝元が合わせて頭を下げてきたので信親も困ってしまった。

蒲生氏郷か前田利家に任せようと思っていたのにこれでは毛利と島津が力を伸ばすばかりだ。


「ならば民部卿はワシが選ぶぞ?それならワシは構わぬが」


信親が言うと政宗らも同意した。

こうして陸軍卿は島津義弘、海軍卿は小早川隆景が担うことになった。


半月後。


「やぁやぁ諸君。新たなる民部卿と刑部卿、新しい省の案を持ってきたよ」


信親が差し出した紙を見てまず驚愕したのは毛利輝元だ。次に回された島津義久もそれを見て汗を流した。


「羽柴秀吉に吉良親実……!?それに内務省だと?」


「左様。これよりは内務省が各省の上位に立ち監視及び内政の実務を担う。もちろん内務卿はワシ。毛利殿に島津殿……ワシは妥協したのだから貴殿らも妥協してくれるな?」


信親がほくそ笑むと伊達政宗と細川忠興も静かに頷いた。

既に2人は信親が調略していた。


「ッッ……!仕方あるまい」

「やむを得ぬ」


こうして義久と輝元も同意し内務卿長宗我部中納言信親が誕生したのだった。


そこからの信親は権力を欲しいがままにした。

自身が取り立てた秀吉と従兄の吉良親実は言うことを聞くので民部省と形部省は実質自分のものであるし伊達政宗と細川忠興もこれに従う形を取った。

上杉景勝はそもそも京の警備が仕事なので対して干渉できないし陸軍海軍も未だ規模は小さい。


さらに信親は南海道200万石の軍事力も持ち合わせ右大臣一条内政の義兄であるため公家とて偉そうな顔はできず皆が信親のご機嫌を取りに励む日々だった。


そして今日も。


「いやあ上様のおかげで今や私は越中40万石の大大名。一族にも顔向けできますわい」


そう言いながら信親の杯に酒を注ぐのは警保局長に任ぜられた蒲生氏郷。

官位としては内務大輔に相当する。


「まっこと、上様あっての我らでございます」


社会局長で越前40万石の堀秀政も同意した。


「民も上様のおかげで生活が良うなったと喜んでおりますぞ」


と衛生局長の前田利家。二局合わせて厚生労働省みたいな感じか。


「良い良い。それより小田原はどうかね?」


「はっ。公安の孫市殿によると鉄砲を集めようとしている様子ですが何処でも買えず南蛮にも見捨てられたようです」


「そりゃそうじゃ。治部少輔に金森殿を入れておいて正解じゃったな」


信親は織田家の優秀な人材の殆どを掌握し各省に送り込んでいた。

その甲斐あって毛利輝元の治部省と島津義久の式部省も半分は信親のコントロール下にあった。


「そろそろ外交部門は独立させた方が良さそうじゃ。外務省として外務卿には伊達政宗、建設省は立花宗茂に引き継がせて宗茂に豊後を加増するか。あとは細川忠興にも加増してやらんとな」


「おお、それは良きお考え。早速通達致しましょう」


「頼んだぞ秀政。政宗の下には高山右近も付けよう。いやあ悩むねえ」


さらに政府改造を目論む信親であった。

次回最終回です。

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