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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
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5話

大黒丸の大きさは当時の日本でもトップクラスの物で畳床几と縦机が置かれそこに諸将が詰めた。

総大将たる元親は中央の最前席に座り信親も横に控える。

他の3人や長宗我部の家臣は最後尾に控え諸大名が並べられた畳床几に腰を下ろす。

有名どころは加藤嘉明、九鬼嘉隆、脇坂安治、来島通総、安国寺恵瓊など。

その他は毛利水軍や徳川水軍の指揮官である。


元親としては信親に花を持たせたかったのか目で信親に指示をやる。


「それでは軍議を始めさせて頂く。まず伊豆であるが北条家はどうやら下田に全軍を集めそこにて決戦をするつもりでございます。それ故に西伊豆にどなたかを派遣したいのですが……」


「そのお役目、この嘉明にお任せあれ!」


そう言って立ち上がったのは武断派の加藤嘉明。

まだ27歳の若手である。


「あいや、待たれよ。加藤殿は殿下御奉公の家臣にて空城の占領などをお任せするわけにはいきませぬ。我ら毛利にお任せを」


と毛利水軍の吉見広頼が進言する。

嘉明は不満げそうに彼を睨みつける。


「確かに加藤殿……それに脇坂殿は賤ヶ岳七本槍に数えられる猛将。なれば下田攻めに居てくださった方が元親としても頼もしい限りですが」


と元親が嘉明の不機嫌を察して賤ヶ岳七本槍の事を口に出す。

この者たちはこれを言われると気を良くすると増田長盛がいつも言っていたのだ。


「なっ、ならばこの嘉明に下田攻めの先鋒をお申し付けあれ!」


あまりの単純さに後ろの本山親茂や久武親直などは苦笑いしている。

さてそんな嘉明だが信親は嫌いではなかった。

加藤清正や福島正則に埋もれがちだが加藤清正とは違いかつて父は足利幕府に仕え明智光秀と共に三好三人衆と戦ったエリートであり後世に伝わる皿のエピソードやら徳川幕府に恐れられたりと中々の人材なのだ。


「それは頼もしや。他の方々も構いませぬな?」


信親が聞くと諸将も頷く。


「では先陣は加藤殿、西伊豆の制圧は毛利水軍の方々にお任せ致す。まずは毛利水軍が西伊豆を制圧しそれが分かり次第下田を攻めましょう」


「それでは海からの援護は我ら九鬼勢が受け持ちましょう」


と九鬼嘉隆。


「おお、それは頼もしい。であれば上陸部隊は加藤殿、脇坂殿、そして大将に弥三郎。海より九鬼殿と徳川水軍の方々にお任せしたい」


「承知!」


元親がまとめると嘉明、脇坂安治、九鬼が力強く頷く。


「ではこれにて軍議は終了致す。各々、配置につかれよ」


こうして軍議は終了した。

翌日より西伊豆に安国寺恵瓊ら毛利軍三千が侵攻。

さしたる兵どころか殆ど無人状態だった西伊豆の各城は3日のうちに制圧された。


そしていよいよ下田城の攻撃の日が訪れたのだった。

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