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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
41/199

39話

面接で織豊政権の研究したいと言いながら長宗我部の話したり中国史の専門家の前でアホなこと言ってもしまいました。

あと幕末編なんですけどガバガバの方言か標準語かフォッサマグナより西を関西弁、東を関東弁にするかどれがいいと思いますか?

大坂夏の陣から1ヶ月後、盛親が捕らわれた。

信親も会いに行きたかったが自主的に土佐に謹慎していたので死に目を見ることも叶わず、気を使った本多正純によって首桶が送られて来てやっと対面が叶った。

その顔に一切の曇りは無く、晴れ晴れとしたりっぱな死に様であった。


その後もひたすら家に引きこもっていた信親の元に家康が危篤との報告が舞い込んできた。

これは大変だと信親は直ぐに家康のいる駿府城へと足を運んだ。


「大御所様!」


窶れた家康を見て信親は思わず声を上げてしまった。


「おお、土佐殿。来てくれたのか?」


「はっ。大御所様に一大事とあればこの信親は何処へで飛んで参ります」


「ほっほっほ。頼りになる大大名は貴殿のみじゃ。前田は血縁関係があるとはいえ元は豊臣の家臣。島津は西軍じゃし伊達は何を考えておるか分からぬ。それに比べて土佐殿は義利、忠直、直孝と血縁関係もあり父の宮内少輔殿からの付き合いじゃ」


「勿体なきお言葉にございます」


「秀忠を頼むぞ」


信親は家康に頭を下げると退席した。

その数日後、家康は病で世を去ったのだった。


その後信親は同じ理由でやって来たの伊達政宗と島津家久と酒を飲んでいた。


「なんだ、この酒は……不味すぎる!」


政宗がそこら辺で買った安酒を飲み文句を言う。


「文句は言うが顔は嬉しそうだな」


「何を申される長宗我部殿。そちらこそ笑みが溢れておるぞ?」


「いやいや、俺は元から徳川恩顧だぞ?」


「はっはっはっ、よく言えた物よ。我らはかつて大御所様から見捨てられた者であるぞ?」


「2人ともそう言う話は辞めておいた方がよろしいかと」


家久が言うが2人のしょうもない争いは更に加速した。


「ふん!まあお主は100万石の約束を反故にされたからのう?越後殿を担ぎあげて戦を起こす気であるまいのう?」


「なんじゃと!ならばお主とて義利様と越前卿と手を組み戦を起こす気であろう!」


「バカを申せ!俺は大御所様より頼りになるのは長宗我部のみと言われたのだぞ!」


「何!?俺も言われたわ!」

「某もです」


ここで三人は目を点にしてお互いを見た。


「つまり大御所は俺らに都合の良い事を言って手玉に取ろうとしたという事か?」


「だからと言うて何かする訳でも無いでしょう?お二人共幕府に疑われるような事はなさいますな」


一回り歳下の家久に政宗も信親も反論することも出来ず頷くだけだった。

ここではまともな家久だが領内に戻ると鬼に変わるのは別の話。


次の日信親は上洛していた毛利輝元の屋敷を訪れていた。

毛利家と長宗我部家は対立することもあったが芸土同盟にて織田家と刃を交えた事もあり、豊臣政権でも懇意にしていた。


今となっては信親は西国でも最大級の64万石の所領を持ち官位も外様大名では1位であるのに対し、輝元は実高でも53万石と信親に及ばず出家して宗端と名乗っていた。


「ご無沙汰しております、中納言殿」


「今は中納言では御座いませぬ。わざわざ幕府からの信任厚い土佐宰相様が拙僧如きのために足を運んでくださるなど……」


「いやいや、お止めくだされ。ワシは宗瑞和尚と話に来たのでは無い。羽柴安芸中納言豊臣輝元殿に話に来たのです」


それを聞くと輝元の細い目が開いた


「幕府転覆などと貴殿は言うのではないだろうな……」


「いや、それは些か気が早すぎる。民も望まないだろうし何より勝てぬ」


「ならば何故ワシのような老いぼれに?」


「うむ、数百年ほどすれば幕府は揺らぐ。その時に先頭に立って幕府と戦うのは貴殿ら毛利であろう。その時は我ら長宗我部の事をよろしく頼む」


「乱れる時の先陣はそなたら長宗我部かと思うておったが……。ともかく子孫の代まで手を取り合っていこうと受け取って良いのじゃな?」


「ああ。そう受けとってくれ」


輝元はそれを聞くと目をまた細め


「承知致しました。ともかく今日はもう遅い。酒でも用意させるゆえごゆっくりしていかれませ」


といつものモードに戻ったのだった。

これが260年後に日本を変えることになるのはまあみんなご存知の話。

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