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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
37/199

35話

大学の1次審査通りました。

面接も頑張ります。

「何故和睦された!これでは敵に城を明け渡すも同然ではないな!」


そう野太い声が大坂城に響く。

大粒の唾を吐きながら喚くのは後藤又兵衛。

かつて黒田長政の重臣であったものの出奔し大坂城に入っていた。


「仕方なかったのじゃ!お方様が辞めろと言われた以上、我らも辞めるしかない!」


そう反論するのは七手組の中島氏種。

それに堀田盛重、速水守久も頷く。


「そちらが来いと言うから来たのに戦で少々不利になったらそれか!ここは真田殿が大将となり大坂城を纏めあげるしかない!」


塙団右衛門が言うと浪人達もそれに続く。


「勝手なことを申すな。これ以上戦をしても意味は無い。されど、そなたらの録は保証するゆえ安心せい」


そう大野治長が言うと大方の浪人達は黙ったが後藤、塙はそれでも断り真田信繁と明石全登も不満そうだ。


この不毛な争いを眺めていた元紀伊7万石の長宗我部盛親は黙って席を立つとその場を後にした。


「長宗我部殿、お戻りにならぬのですか?」


それを追いかけるのは木村重成。

豊臣秀頼に最も信頼されている22歳の若武者である。


「うむ、ワシは豊臣が残るならそれで良いと思うておるのでな」


「聞けば幕府は阿波、讃岐、淡路三国への転封を打診しておると聞きます。四国は良いところですか?」


「ふむ、四国は蝙蝠しかおらぬゆえ、豊臣のような鷹がくれば瞬く間に皆は歓喜し出迎えるであろう」


「蝙蝠とは土佐宰相殿の事ですな?あのお方に薄田殿は銃を突きつけられたとか」


「まあかなり短気な所はある方だからのう。しかしワシや父上と違って豊臣には恨みをたいそうお持ちの方ゆえ仕方あるまい」


「なるほど……戦にはならぬでしょうか?」


「そなたら側近衆が上様をお支えすれば大丈夫じゃ」


そう言うと盛親はさっさと自分の部屋に戻って行った。

その後も浪人衆と豊臣直臣との口論は続いたが結局結論は出ずそれが毎日のように続いた。


浪人衆といても気が悪い盛親は同じく元大名で関ヶ原の頃からの戦友の毛利勝永と共に大野治長の元で酒を飲んでいた。


「随分と憎まれたな。大野殿」


盛親が治長の盃に酒を注ぎながら言う。


「これも仕方無き事。かつて石田様が憎まれたように私も憎まれる運命でござる」


「しかし誠に秀頼君は四国3カ国で納得されるのでしょうか?山内と蜂須賀も同意するかどうか……」


毛利勝永が不安そうに言う。

ちなみに勝永は関ヶ原の戦いの後は山内家に預けられている。


「そこが問題じゃ。先日木村殿と話した時もそうだがやはり四国に抵抗のあるものも少なからずおるようだ」


「そこが問題なのです。此度お二方をお呼び立てしたのは明日にでも上様とお方様に四国が安全かどうかを説明して頂きたいのです」


治長が座して懇願する。

元大名とはいえ歳上であり今や豊臣家筆頭家老とも言うべき治長が頭を下げたことで2人も慌てて頭を下げる。


「四国はワシが生まれ育った地。必ずや秀頼君を説得してみせましょう」


盛親が言うと勝永も頷く。

そして翌日、盛親にとっての大戦が始まった。

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