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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
33/199

31話

島津の石高についてご指摘があったので調べてみたら実高29万石とか慶長期で73万石(豊臣政権の検知の時は58万石なので増えすぎだと思うが)だったり琉球抜きで77万石だったりややこしくなったので本作ではこれから先260年後も琉球込の77万石で通したいと思います。

???「何故東照大権現様は関ヶ原の後、薩摩共を皆殺しにしなかったのであろうな」

「大変です!盛親様が大坂に入られたようです!」


乱暴の報告を聞いて信親は茶を吹き出した。


「何故だ!何故盛親は大坂に走る!」


関ヶ原の後、京に軟禁されている盛親であったが井伊直政と徳川義利の手回しにより信親が仕送りすることも認められていたしそれなりに自由な生活を送れていたはずだ。

それが何故か豊臣家の誘いに乗ったようだ。


「不思議だね、今の状況。空から落ちるみたいだ」


「何ふざけたことを仰ってるんですか。いずれ幕府の使者が詰問のために参りましょうぞ」


「うむ、今のうちに何と答えるか考えておかねば……。それにしてもあの野郎やってくれたな!」


信親としては盛親が大坂に走る理由がイマイチ分からなかった。

前述の通り、何不自由ない生活を送らせていたし長宗我部家は井伊直孝、徳川義利という幕府の柱の2人と縁戚関係にあり前田、伊達と並び外様御三家と呼ばれる程に高い地位にあった。

再興する必要もなければこれ以上大きくなる必要も特にないのだ。


そして間もなく、幕府の使者が訪れたかと思ったら来たのは信親もよく知っている顔だった。


「むむ、薄田ではないか」


薄田兼相……豊臣家の重臣で後に岩見重太郎の名で知られる男である。


「ご無沙汰しております、長宗我部様。此度は我が主より書状を預かって参りました」


「右府殿からのう……」


豊臣秀頼からの書状を信親は受け取るとそれに一通り目を通した。


「何?太閤殿下の御恩に報いよと。そう淀君は申しておるのか?」


「はっ!何卒、何卒長宗我部様のお力をお借りしたく!」


「戯けを申すな!」


信親はその書状を破り捨て茶碗を踏み潰した。


「俺は太閤殿下……いや、秀吉めに恨みこそあれど恩義は微塵もない!彼奴の謀略で織田家との関係を切られ、我が伯父の斎藤利三を磔にし幾度も父上の夢を邪魔してしたのだぞ!そのような相手によくもあの女狐は味方しろなどと言えたな!」


「其はなんと御無礼な!長宗我部様は殿下より土佐24万石を安堵されたではありませぬか!」


「ふん!毛利に押し負けて讃岐と阿波を割譲して人質まで差し出した我々を突っぱねての土佐24万石ではないか!あの時、秀吉が折れなければもっと早くに長宗我部は大大名として存続し家族が割れることもなかったわ!」


完全に頭に血が登った信親は近くに置いてあった短筒を取り薄田の口に突っ込んだ。


「良いか?女狐に伝えよ!俺はお前が御台所様の姉であろうとそちらに盛親が居ろうと関係ない!必ずお前と秀頼を血祭りに上げその首を犬の餌にしてやろうぞ!」


そう言って信親は薄田を蹴飛ばし彼を引き剥がした。

早々に薄田が逃げ帰っていくとそれと入れ違いで幕府の使者として井伊直孝がやってきた。


「義父上、あれは?」


「おお、弁之助。あれは豊臣家の家臣じゃ」


「豊臣家!?まさか……まさかとは思われますが……」


「アホ抜かせ、短筒を口に突っ込んで追い返してやったわ。ワシが大坂に馳せ参じることなど万に一つもない!」


「亡き父上はよく義父上は天下一の豊臣嫌いと申しておられましたからまあそのような事はないと思っておりましたが……」


「うむ、上様と大御所にはそう伝えてくれ。それで戦になれば俺は幾らほど兵を連れて行けば良い?」


「そうですな……義父上は大坂に所領が近く大身の大名ですから……2万人ほどでしょうか?まあ後々、本多上野介様から追って沙汰が来るでしょう」


「分かった、それより聞きたいことがあってな」


信親はそう言うと人払いをして話し始めた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 戦国時代が終わるまでにどれだけ領地増やせるかな。 せめて薩摩を上回りたい。
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