23話
ワクチン副反応 死ぬ
その客の名は渡辺勘兵衛。
武勇に優れ増田長盛の側近として信親とも面識がある男であった。
「渡辺殿か。増田殿は確か会津征伐の軍勢には従軍されて居らぬと聞いていたが?」
「はっ。我が主は石田治部様、大谷兵部様らと共に内府を討つべく立ち上がりました!」
その時信親は「来たか!!」と内心でガッツポーズをした。
いよいよ関ヶ原の戦いの道が開かれたのだ。
「それで勘兵衛殿ほどの方を寄越されたという事は我らに味方して欲しいということか?」
「はっ、既に長宗我部様の弟君の右衛門様は我が方に加わり挙兵され申した。お味方して頂いた暁には四国の徳川方の所領は全て長宗我部様にお任せ致します!奉行衆の朱印状もここに!」
「全てだと!?」
信親は目を丸くして朱印状を受け取った。
そこには確かに徳川方に従軍している蜂須賀家政、生駒親正、藤堂高虎、加藤嘉明の所領を全て信親と盛親に任せると書いてある。
合計すれば50万石程度にはなり瞬く間に長宗我部家は伊達、島津、佐竹を追い抜き大大名となる。
「いや……ワシは既に内府に味方してしまった身。増田殿には弟の事をよろしく頼むと伝えてくれ」
一瞬好条件に迷ったもののやはり信親は西軍が勝つ未来を予想出来なかった。
それに普通に考えて50万石の加増など考えにくかった。
「左様ですか……。では我が主にその旨お伝え致します」
そういうと勘兵衛は消えていった。
それから数日後、家康から大事な知らせがあると言うので諸大名が呼び出された。




