116話
朗報です。
どうする家康に長宗我部盛親 登場確定です。
会津若松城は上杉景勝の居城であるが、景勝は宿老として大坂にいるためにこの城を預かるのは養子の上杉秀景(史実の小早川秀秋)である。
その秀景の元に大野治長からの書状が届けられた。
「宇喜多秀家が当家に謀反の疑いありとして我らを征伐しようとしておるだと?家康に続いてあいつもか!」
「宇喜多秀家め!兄上と手を組んで長宗我部を潰すと約束しておったはずが……!!」
直江兼続の弟の大国実頼も秀家を非難する。
「だからあの男は信用出来ぬと父上にも申したのじゃ。ワシは昔からあの男の目の奥の腹黒さに気づいておったのじゃ!」
「先手を打ちましょう。大坂の御館様を通じて秀頼君から宇喜多征伐の許可を……!」
「いや、秀頼に助けを求めるのも面白くない。それよりも最も宇喜多を潰したい連中を使おうぞ」
秀秋の想定する宇喜多を最も潰したい人物たる長宗我部信親の方に届いたのは大野治長からの書状ではなく茶々名義の書状であった。
「ほっほっほっ。宇喜多秀家の横暴が極まり怖いので早く大坂に戻ってきて欲しいと書いてある」
「ならば早々にお戻りなるべきでしょう。茶々様の要請なのでしょう?」
「気が早いですぞ、福留殿。もう暫く待たれた方が良い」
いきり立つ福留政親を見て滝本寺非有が笑いながら言う。
「うむ。この間の織田信重の一件で宇喜多を憎むものは多い。まだ俺たちが動く必要は無いさ」
それから二週間後、信親と非有の元に上杉秀景から書状が届いた。
「ほれ見た事か。秀景から宇喜多征伐を働きかけるように書状が来たわ」
「おお、確かに宇喜多が上杉を攻めると言う事は即ち、豊臣家一門衆の秀景公を攻めるということにもなりまする。かつて三奉行が家康不在の隙を狙って挙兵したように我らも秀家不在の隙を狙って挙兵致しましょう」
「うむ。良きに計らえ」
が、この秀景の目論見は大国実頼を通して直江兼続……そして宇喜多秀家の元へと伝わった。




