表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
17/199

17話

泗川に城を築いている際、奉行となっていた垣見一直が鉄砲狭間を築いている信親の家臣に指示を飛ばしていた。


「それでは低すぎるぞ、もっと高うせぬか?」


「おいおい、垣見殿。それでは高すぎるぞ」


と、信親が助言した。


「いや、しかし。それでは敵に覗き込まれてしまいますぞ?」


「敵が覗くという時は城が落ちる待つのみだろう。貴殿は敵の頭の上を撃つつもりか?」


と、信親が煽ると不機嫌そうに垣見が言い返す。


「そうならない為にもですな……」


「反論するな和泉守。反論しても負けるだけであるぞ」


とここで石田三成がやってきた。


「じっ、治部様!」


「治部殿?」


突然の登場に垣見は困惑しながらも平伏し信親も一礼する。


「変に土佐殿と揉めておる暇があれば人足の手伝いでもしてまいれ」


三成が睨みつけると垣見はさっさとどこかへと行ってしまった。


「治部殿、何故わざわざこのようなところまで?」


信親が不思議そうに聞く。


「うむ、殿下に貴殿らの行動を事細かく正しく報告せねばならぬ。もしも嘘や適当なことを言えば天下に騒乱を起こしかねん」


「ふむ……何故そこまで殿下に尽くされる?」


信親からすれば秀吉は確かに優れた将であるがやはり父の夢を打ち砕いた男であり織田家を乗っ取った悪人であった。

親秀吉的な行動も全て保身の為であり後に三成が命を尽くしてまで守りたいと思うほど秀吉が良い人間には見えなかった。


「貴殿に思うところはあるであろうが卑しい身分である私を召抱えてくださっただけでも殿下に尽くす意味があると私は思っておる」


「なるほどのう……。しかし貴殿は主計(加藤清正)や大夫(福島正則)とよう揉めておると聞く。それは何故じゃ?」


「言うたであろう。正しき事を報告せねば天下に乱れが起きる。それを怒るのは主計らの勝手だが群がって吠えている連中に私は屈するつもりは毛頭ない」


確かに言われてみれば加藤清正の怒りは自業自得だし七将襲撃なんて大の大人がする事では無いだろう。

そう考えれば武断派よりも文治派の方がまともなのでは無いのか?と信親は思い始めた。


「どうやらワシは貴殿のことを勘違いしていたらしい。すまぬ」


「ははっ。急に改められてどうなさった。これからも共に豊臣家を支えていこうぞ」


と三成は笑いながら言うと別の所へと行ってしまった。


その後、城を完成させた信親には帰国命令が下り信親はだいたい一年ぶりに帰国することになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ