表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
150/199

82話

森長可さん6度目の大河出演おめでとうございます。

今回はちゃんと年齢に見合った役者さんに演じて貰えるといいですね。

伏見城を包囲する信親は少し焦っていた。

島津・立花両軍を持ってしても1週間で城が落とせず、これでは尾張三河周辺での迎撃作戦が成功しない可能性が出てきたからだ。

しかしそんな信親の元に吉報が届いた。


「殿、大筒が届いたようにございます」


吉良親正の報告を受けて信親は立ち上がった。


「よし来た!櫓に向けて何発かお見舞してやれ。その後に全軍に総攻撃をかけるように宇喜多殿に要請しろ」


「ははっ!」


まもなく京都市中に轟音が轟いた。


「彦殿!櫓が破壊された!連中は国崩しを使っておる!!」


松平家忠が飛び込んできた事で食事中だった元忠は状況を察した。


「まずい!敵は総攻撃をかけてくるつもりじゃ!」


食事時だった事で徳川兵は束の間の休息を楽しんでいた。

そこを信親は狙ったのだ。


間もなく怒号が鳴り響き門を突き破って西軍が伏見城内に転がり込む。

先陣を切るのは毛利勝永である。


「全軍俺に続け!中納言様に抗わんとする逆賊を討ち果たせ!」


勝永の命令と共に豊臣旗本軍の鉄砲が突撃してくる徳川兵を吹き飛ばす。


「怯むな!相手は弱兵ぞ!」


鵜殿氏次が必死に采配を振るうがワラワラと現れる西軍を前に1人、また1人と徳川兵は倒れていった。


「名のある将とお見受け致す!俺は毛利豊前守勝永!お手合わせ願おうか!」


乱戦の中、勝永が氏次に薙刀を向ける。


「元今川家御一門鵜殿長照が次男にして松平主殿助が家臣、鵜殿氏次。いざ参る!」


氏次の方が先に刀を抜いて勝永に斬り掛かるが勝永はサラリと交わす。


「遅い!」


ドシュッ!


勝永の薙刀が氏次の襟元を貫き彼の胴体から首が落ちる。

こうして幼少期から徳川・今川の間を行き来した鵜殿氏次は果てたのだった。


さて、勝永が突撃した反対方面から侵入した鈴木重朝とその一隊は既に天守閣まで侵入していた。

そして彼らは家臣達にテキパキと指示を出す鳥居元忠と松平家忠を捕捉した。


「ようし、あれが大将首じゃな。放て!」


重朝に鍛えられた鉄砲隊の弾丸が元忠と家忠、そしてその周辺の家臣達に降り掛かる。


「!!!」


真っ先に銃声に気づいた家忠のこめかみに鉛玉がねりこみ、家忠は魂が抜けたように崩れ落ちる。

即死だった。


「ガァっ!!」


元忠の胴体にも数発の弾丸が命中した。

彼を助けようとした家臣達に重朝の兵が襲いかかる。


「豊臣家家臣、鈴木孫市重朝!鳥居元忠殿だな?」


「そうじゃ。ワシの首を取って手柄に致せ」


「そうさせて頂こう」


重朝が槍先を倒れた元忠に合わせる。


(殿……必ずや宿願を果たされよ……)


そう言って元忠は静かに目を閉じた。

その後まもなく、伏見城は落城したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ