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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
148/199

80話

いつもの通り葵風コピペです

「嘘じゃ……嘘じゃぁ!」


宇喜多秀家・長宗我部信親謀反の書状を目にして家康が先ず発した言葉はソレだった。

家康からすれば自分にあそこまで媚びを売ってきた信親の挙兵は全くもって想定外である。

予防のために次期宿老首座の立場を約束したにも関わらず裏切られ、黒田如水までそれに付いてしまったと言う。


「土佐の若造にしてやられましたな。殿の側妻も斬られたようですぞ」


もう一通の書状を読む本多正信が白髪を弄りながら言う。


「女子などまた作れば良い。しかし長宗我部が裏切ったとなれば毛利も島津も来るぞ。こちらの兵力は十万。向こうはそれを超えてくるかもしれぬ」


「今更そのような事で狼狽されるな!豊臣恩顧の連中を使い尽く討ち取ってしまわればよい!」


「しかし豊臣恩顧の連中が着いてくるかわからんぞ」


勢いづく本多忠勝に榊原康政が口を挟む。


「向こうは人質を取っております。ここは殿から連中に釘を指すべきかと」


「なんと申すのです?加藤や福島が素直に従うとは思えませぬ」


井伊直政が本多正信の提案を疑問視する。

(ちなめに加藤清正であるが史実の伊集院家の所領は香川家の所領になっており一揆が発生していない為、会津征伐に従軍している)


「そこは殿の腕の見せ所ですなぁ。もし逃げ帰られるようならその時はその時です」


「うーむ、わかった。直ぐに諸将を集めてくれ」



家康の命により直ぐに家康の陣に諸将が集められた。

既に情報は出回っており皆がザワついている。

特に父が裏切った黒田長政は居心地が悪そうにしている。


「おのれ甲州!お主も大坂方へ寝返る気であろう!玉はお主に殺されたのだ!」


そう言って細川忠興が長政に掴みかかる。

愛する妻を失った忠興の怒りは相当のものだった。


「落ち着かれよ!味方同士でいがみ合うときではない!」


家康次男の結城秀康が必死に諌めようとするが忠興を含め多くの諸将の怒りは長政に向いていた。


「知らぬ!父上が裏切ったところでワシは内府様のご養女を妻にしており願えるなど断じて有り得ぬ!」


長政が反論した事で忠興の怒りはヒートアップしていた。

もう清正や正則でも収集が付かなくなりつつあったところで家康と秀忠が陣に入ってきた。

流石に2人が来ると忠興も矛を収めない訳にはいかず自分の席に戻る。


諸将が着席し頭を下げたのを確認すると家康が立ち上がる。


「備前中納言並びに土佐中納言の挙兵及び上方の情勢は安定せず、豊臣家温故の方々は大切な妻子を大坂に残しそれを思うとこの家康、胸がつまる思いでござる。古来より弓矢を取るものは今日の味方が明日の敵となる事は珍しからぬ事にて方々が大坂方に加勢されてもこの家康、少しも恨みもうさず、もしもワシが勝利してもこれまでの交は決して忘れは致さぬ。それゆえ、お望みとあらば即刻西へと向かい大坂方に加勢されよ。道中の安全はこの家康が保証致す!」


家康が言い終えると諸将の間に重い沈黙が訪れた。

そして福島正則がその沈黙を破った。


「徳川殿のご存念をお聞きしたい。豊臣家奉公の志が有りや無しや、お答えあれ」


「無論、豊臣家奉公の為に戦うつもりじゃ!」


「ならば、この福島正則。謀反人石田治部とそれに与する者を尽く討ち取ってみせようぞ!」


正則がそう言うと加藤清正、池田輝政らも立ち上がりそれに続く。


「黒田殿、貴殿は如水とは縁を切るのじゃな?」


それを見て気まづそうにしている黒田長政に家康が問いかける。


「無論の事にございます!この黒田甲州、ち……黒田如水の不埒な行いの始末をつけるつもりでござる!方々にはワシを信用出来ぬ方も居られるであろう。しかしどうか信じて頂きたい!この通りじゃ!」


そう言って長政が頭を下げる。

それなりにプライドの高い長政が頭を下げた事で諸将が困惑する。


「どうじゃ、細川殿。これでも黒田殿を信用出来ぬか?」


「むう……内府様が申されるなら仕方ありませぬな」


「では纏まりましたな。先陣は福島殿にお任せしたいのですがよろしいかな?」


「承知した!憎っき石田治部をこの手で討ち取ってみせましょう!」


「そのお言葉をお待ちしておった!ワシと忠吉は福島殿に続いて東海道を進む。秀忠は東山道のり進み秀康は宇都宮にて上杉の備えとする。この戦に勝ち逆賊共を討ち果たすのじゃ!」


「応!」


家康がそう言うと諸将が雄叫びをあげる。

こうして東軍が西進を開始したのだった。

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