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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
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76話

長束正家に呼ばれ信親と織田信重が駆けつけたのは細川忠興の屋敷だった。

周囲は長束の軍勢で包囲されており相手側も臨戦態勢に入っていた。


「ああ、やる気だな。流石は十兵衛殿の娘と言ったところか」


長盛に説明されるまもなく信重が呟く。


「何とか説得して頂けぬでしょうか?お2人は明智光秀の縁者。織田様に至っては義妹でございましょう」


「俺は明智の縁者には嫌われてるからなぁ。七兵衛殿にお任せしたら良いのではないか?」


「承知した。但し期待はされないように」


信重が門の前に立つと扉が開かれ、忠興の妻である細川ガラシャが薙刀を持った侍女に囲まれで出てきた。


「久しぶりだな、玉。義母上に似てきたか?」


「義兄上こそご息災なようで。要件は分かっております」


「なら話は早い。悪いようにはせぬ故、投降せよ」


「お断りします。内府様のご側室は処刑されたと聞きました。あなた方の戦いに義はありませんし信用出来ません」


「面倒だな。この世に義もクソも無い。戦に勝つ為なら何でもするのは当然だ。お主の父はそのような男であったぞ」


軍略のいろはを光秀から学んでいた信重は光秀の息子と言っても過言ではない男だった。

だから光秀の娘からそのような言葉が出るのは不愉快だったのだろう。

声のトーンが低くなる。


「あなたは本当の父上を知らない……。父上は民を愛し家臣を愛し家族を愛す崇高な御方でした!あなた達が父上を語らないでください!」


そう言って玉は薙刀を構える。


「で、あるか。ならば話すことはもう無いな」


それだけ言うと信重は戻ってきてしまった。


「あらら、七兵衛殿でも説得は無理でしたか。こうなるととりあえず包囲しておいて他の人質の確保が終わるまで待ち、終わり次第強行突入して確保するべきだな」


「承知致しました。御足労おかけ致しました」


こうして一旦は放置しておいた細川屋敷だったがその日の夜に炎上、細川ガラシャは自害して果てたのだった。

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