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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
天下人の章
142/199

74話

西ノ丸には続々と大名やその名代が集結した。

宇喜多秀家らは信親以下西国大名の到着に歓喜の声を上げた。


「土佐殿、お待ちしておった!貴殿は副将として私に御指南頂きたい」


「承った。それでこの戦の主導は治部殿かね」


「ええ、それにしても珍しい御方が居られるようで」


秀家の隣にいた三成が末席に座る如水を睨みつけた。


「安心致せ。クロカン殿は俺に仕えると言っておる。西国大名に関して文句を言うなら俺は降りるぞ」


「そういう事だ治部。申し訳ない、そちらの指揮権は貴殿に任せる。目付は増田にやらせよう」


「承知致した。当分の目標は伏見城か?」


「ああ。伏見城を攻めつつ残りの西国勢の到着を待つ。大谷刑部が北陸の抑えとして越前に向かってくれる」


「なるほど、こちらの方で小松宰相にも連絡しておこう。で、御方様と中納言様には?」


「既にお伝えした。公儀としては好きにしろとの事だ。まあ内府に上杉討伐の許可を出してしまったからな」


情けないと言いそうになったが直前で言葉を飲み込んだ。

そんなことを三成が聞いたらまたゴチャゴチャ言ってくるだろう。


「では早速諸将を集めて軍議を開くとしよう。色々とやらねがならぬ事もあるだろうな」


「うむ。この戦、日ノ本の歴史の中で最大の戦となろうぞ」


「ああ。そして勝つのは俺だ」


信親は関ヶ原のその先の事を想像しニヤリと笑うのだった。

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