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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
13/199

13話

7万石で動員できる兵力は2100人だそうです。

これを念頭に置いて読んでみてください。

結局さしたる戦闘も無かった信親は久しぶりに日本に帰国した。

だがめちゃくちゃ疲れていた。

毎日のように福島正則に酒を飲まされて賤ヶ岳以外の武功の話をひたすらされたせいである。


「おお、土佐殿。よう戻られましたな」


とゲッソリしている信親を増田長盛が出迎えた。


「ああ、増田殿。わざわざのお出迎え、忝ない」


「せっかくなら酒でもてなしたいが……そのお顔だと福島正則にこっぴどく飲まされましたなぁ……。拙者の茶でも如何かな?」


「仰る通りです。されど茶なら有難い、頂きましょう」


さて、久しぶりの日本の茶は絶品であった。

信親はやっと帰ってきたと実感する。


「ところで土佐殿。朝鮮で婿殿が虎を捕まえられたそうで」


「ああ、千熊丸(盛親)ですか。血気盛んなのは良いのですがワシが知らぬ所で暴れ回っておるようで……」


この頃、反抗期真っ只中の盛親は勝手に小早川隆景・立花宗茂らに頼み込んで六番隊に陣借しそこで鬼神の如き活躍を見せていた。


「殿下も大層お喜びで婿殿を取り立てたいようですぞ」


「戦が出来ても政が出来なければ意味がありませぬ。きっと増田殿の迷惑になるかと……」


と話していると石田三成がやって来た。

同僚の長盛は普通にしているが信親は姿勢を正し一礼した。


「これは土佐殿。弟君のご活躍、あっぱれにございますな。お取立ての件は増田殿から?」


「ええ、今し方。されど誠に彼奴に大名などが務まるでしょうか?」


「ご安心なされませ。増田殿の大和に近い紀伊に7万石という案が出ております」


「この長盛、出来る限りの補佐は致しますぞ」


奉行のふたりに言われると信親が逆らうことも出来ない。


「承知致しました。くれぐれも弟の事、お頼み申し上げます」


こうして盛親は長宗我部の分家として紀伊に7万石を与えられ増田長盛の与力となった。(吉良家は別の者が継いだ)

家老として信親がさっさと手放したかった久武親直が入りおそらく大丈夫だと思われた。


さて、盛親も無事に紀伊に入り年が明け文禄三年。

色々とゴタゴタが終わり信親は朝鮮からの土産を持って秀吉に謁見した。


「太閤殿下の御尊顔を拝し奉り、恐悦至極に存じ奉りまする、あけましておめでとうござりまする」


「うむ、朝鮮においてはご苦労であった。先程右衛門も来おったわ」


「何か御無礼なことなど言っていなければよろしいのですが……」


「安心せい。彼奴は昔の市松(福島正則)のようで見ていて懐かしいわ」


「ならよろしゅうございました。拾様(秀吉嫡男、後の豊臣秀頼)様もご健勝のようで。此度は殿下に加え拾様にもプレゼントを持ってまいりました」


「ほう、拾にもぷれぜんとか!」


信親のプレゼントは誰にも負けない自信があった。

刀でも馬でも特産品でも無い。


「虎の子供を捕まえて参りました!朝鮮の者に調教させ人間にも懐くようになっております!


そう言って信親が指を鳴らすと檻に入れられたなんとも可愛い虎の赤ちゃんが連れられてきた。


「なっ、なんじゃ。虎之助から聞いていたところによると虎は獰猛な獣だと思うておったが猫と変わらぬではないか!これは誠に虎なのか?」


「如何にも、この柄がどう見ても虎でしょう。拾様は城に居られることも多く遊び相手が必要かと思いまして。鷹狩ならぬ虎狩なども出来るかも」


「はっはっはっ!やはり親子揃ってそなたらは狂っておる!ワシですら飼ってみたいものよ!」


と秀吉は大喜び。

またも褒美を信親に与えたのだった。


「して、ワシへの土産は?」


「はっ。倭刀という明の者が作った日本刀を持って参りました」


「うーむ、嬉しいが拾の虎に比べるとのう……。とはいえやはりそなたの目の付け所は他の者とは違う。家臣共にも見習わせたいものじゃのう……」


大高坂改めて高知城に戻った信親はちゃっかり自分も手に入れていた倭刀を抜いてニヤニヤしていた。


「いやー、あの頃は戦国時代にタイムスリップした自衛隊員の息子くらいイケメンじゃ無かったから持っても映えなかったが今のイケメンな俺が持つと映えるなー。まるでジャ〇プ漫画のラスボスみたいだ」


「あっ、あの何言ってんですか殿」


と訳の分からないの言葉の羅列に困惑する久武親信だった。



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― 新着の感想 ―
[一言] ・家老として信親がさっさと手放したかった久武親直が入りおそらく大丈夫だと思われた。 排除してなかったんだ……
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