60話
秀親の嫁も本編には全く関係ないので名前とかも考えてませんが嫁パートって必要ですか?
無駄にテンポ悪くなるだけだと思ってるんですが
秀次事件に連座した大名の中には亀山10万石の豊臣秀俊もいた。
彼は北政所の甥に当たり秀吉の後継者候補の1人であったが亀山を没収され蟄居していた。
それを不憫に思ったのが黒田官兵衛だった。
「ほう、それで俺の世継ぎに金吾中納言様をと?」
「はっ。もちろん長宗我部様には秀親様が居られるのは承知の上にございます。しかし殿下のご養子たる金吾様を後継者にされた方が御家の家格向上にも繋がりますぞ」
官兵衛の出した策は秀俊を信親の養子として長宗我部家を継がせることだった。
もちろん信親には秀親がいるし次男三男も既に成長している。
「悪いがその要望には答えてやれないな。もし金吾様を送るとしたら家格的には河野家だが……陪臣になるし何より右衛門と金吾様では歳が近すぎる」
「では香川様は?豊臣家の直臣ですぞ」
「うーむ、五郎次郎はまだ若いし分家の家格が向上するとワシが困る……。とはいえ毛利家や小早川家に行かれてもなぁ」
言わずもがなこの秀俊は後の小早川秀秋に相当する人物であり史実よりも毛利家が弱体化しているとはいえやはり驚異になりうる人物である。
「そういえば上杉景勝様には嫡子が居られぬと聞きましたが」
それまで黙って聞いていた本山親茂が言う。
「ああっ!しかし上杉様か……」
「上杉の取次は治部ゆえにお主としては治部に大きな顔をされたくない訳か……」
「はぁ……はっきり申し上げますと近頃は私は殿下に遠ざけられ治部を初めとする近江衆が……」
「ことの他お主も神経質だな。重要なのは金吾様の将来だろ。上杉に送り込めば上杉を豊臣家の一門が継ぐことになり統制下に置きやすくなる。仮に前田利長辺りに送り込めばどうなる?織田信長公の娘の子を差し置いて金吾様を世継ぎにすれば織田家の旧臣は黙っておらぬぞ」
「確かに中納言様の仰られる通りにございますな。では金吾様は上杉の養子になるように……」
「うむ、それが良かろう。それとすっかり忘れていたが俺の倅の妻の事だがな……」
秀親も14歳になり妻を娶ってもおかしくない歳となっていた。
「俺の希望としては宇喜多秀家か毛利輝元、島津義弘辺りの西国の大名から貰いたいが……」
「宇喜多様の所にちょうど良いお年頃の姫君がいらっしゃったと記憶しております。殿下に進言致しましょう」
「ああ、頼む。一応増田長盛にも話を通しておいてくれ」
信親がそう言うと官兵衛の顔色が曇る。
増田長盛も石田三成の一派であり官兵衛とは政治的に対立しているからである。
ともかく官兵衛も信親を怒らせる訳には行かないので増田長盛と協力して秀親と宇喜多秀家の娘の婚姻を成功させた。
秀家の娘はこの時8歳であり母は前田利家の娘かつ秀吉の養女である。
これで長宗我部家は更に豊臣家と強固な関係で結ばれたのだった。




