51話
そろそろ私も新作を考えております。
現在の予定としては複数人(恐らく高校生のクラスメート)が戦国時代に転生し主人公は名も無き身分の低い武士の子として産まれ、物語が始まる頃には丹羽長秀辺りの与力にまで出世します(この過程はいつも通りカット)。
その後、金ヶ崎の戦いに従軍しますがそこで悲劇が…。
という話です。
以前より戦国人の価値観と現代人の価値観が激突する作品を描きたかったのですが予定ではその作品では戦国に染っていく主人公とそれを止めたい親友、大物に転生し自分の信じる平和のために戦う者などその辺を濃く描きたいと思っています。
始まる年が元亀年間と私の作品としては早く、出来るだけ先行研究を反映した最新の織田信長や足利幕府を描きたいと思っています。
是非お楽しみに。
朝鮮侵攻は小西行長と加藤清正の奮戦により想像以上にスムーズに進んでいた。
信親も弟たちの三万五千の軍勢を見送ったあとで対馬に出立するために準備をしていた。
「長宗我部様」
久武親信と最終調整をしていると石田三成がやってきた。
「おお、治部殿。貴殿も大変だな」
「いえいえ、ところで長宗我部様。貴殿に対馬の守備を頼んだのはそれだけが目的ではございませぬ」
「ほう。よもや別働隊とか言わんだろうな」
「ええ。そのような事ではございませぬ。長宗我部様の守る対馬は我ら奉行の朝鮮総督の拠点となります。それ故に諸将の報告を吟味し殿下にご報告するか否かの相談にも乗って頂きたいのです」
「なるほど。つまるところ奉行の指南役も手伝えば良いのだな」
「ええ。我らだけでは加藤清正や黒田長政は簡単に言うことを聞かないので……。無論、殿下からも許可は得ております」
「承知した。私で良ければいくらでも力になろう」
「お願い致します。それから対馬侍従(宗義智)殿不在の間は対馬の政も長宗我部様に御一任されます。何か必要なことがあればいつでも我らにお申し付けくだされ」
「ご配慮痛み入る。それでは我らはそろそろ出立するので」
三成に別れを告げ秀吉に挨拶すると信親率いる五千は対馬の清水山城へと入った。
清水山城は宗氏の城では無く秀吉の奉行が今回の侵攻に合わせて築城された城であり宗氏の代官から周辺の地名などを教わると信親は堂々と清水山城の天守に構えた。
「さて、まずは乱暴狼藉の禁制を出そう。対馬の民に手を出すものがあれば誰の軍勢であろうと処罰すると全軍に触れ伝えよ」
「ははっ。見つけ次第我らが手打ちにしてよろしいのですな?」
「構わん。殿下と石田殿、増田殿、大谷殿の連署で対馬国内は宗殿不在の折は我らが殿下の代官としてこの地を統治するのじゃ。何人たりとも好きにはさせぬぞ」
「ははっ。無論当家の者にもですな」
「左様。徹底的にやれ」
まもなく信親の命を受けた久武親信により対馬全域で乱暴狼藉を禁じる事や大名同士の喧嘩などを禁止する命令が出されたのであった。




