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シン 長宗我部転生記   作者: 三p
夏草の章
11/199

11話

超駆け足です(このままだと幕末に行けそうにないので)


「何!降伏しないだと!」


北条氏勝の話を聞いた大谷吉継は声を荒らげた。


「何故奴らは降伏せぬ!?頭がおかしいのか!」



「そりゃあワシの家臣だって降伏しなかったぞ。刑部殿、田舎武士とはそういう者よ」


と宥める信親。

ちなみに信親は吉継より6歳年下である。


「こうなれば弾正の株が上がり治部は戦下手の烙印を押される。それだけは断じて許せぬ!!」


「うーむ、ワシが説得してみせようか?」


「いや、長宗我部殿を危険な目に合わせる訳にはいきませぬ……どうしたものか……」


と2人が悩んでいると満面の笑みで石田三成が入ってきた。


「刑部、宮内少輔殿。喜べ!小田原が開城し成田氏長がこちらへ向かっているようだ。これで弾正の好き勝手にはさせぬぞ!」


「おお!其は祝着なり!」


と喜ぶ3人。

外から見たら完全に文治派の信親であった。


結局、成田氏長の説得により忍城は降伏、こうして小田原征伐は終了しすっかり石田三成らと仲良くなった信親は久しぶりに土佐へと帰ってきたのだった。

そんな折り、元親が家中の一同を大高坂へと集めた。


「皆よう集まってくれた。これより話すことは当家の未来の事である」


元親がそう言うと信親含めて一同が姿勢を正す。


「信親は殿下の覚えありがたく奉行衆とも親しくしておる。ワシももう歳ゆえ殿下にご相談したところ家督を信親に継がせよと命じられた。よって、今日より長宗我部家当主は信親と致す!」


「おっ、おめでとうござりまする!」


未だ状況を理解出来ていない信親に対し感嘆の声を上げる家臣一同。


「これよりはそなたは長宗我部秦侍従信親として殿下にご奉公せよ。良いな!?」


「はっ、ははぁぁ!!」


実感の湧かないままに信親は応えた。

こうして土佐24万石の大名となった信親(元親は隠居して岡豊に引きこもった)のすべきと……それは本拠地の整備であった。


「やはり大高坂は水はけが悪く桂浜の近くに城を構えるべきかと」


と地図を見て説明するのは久武親信。

史実では伊予攻めの途中で討死したがこの世界では信親の助言により生き延びている。

この様に歴史の大きな流れに干渉しない程度にチクチクと信親は歴史を変えている。


「いや、桂浜は狭すぎる。やはり大高坂に本拠を構えたい。デカい天守閣を備え大規模な城下町のある最新式の物に改築しよう」


「されどそうなるとかなりの予算……それに技術が我らには……」


元親の側近だった谷忠澄が難色を示す。


「予算はあるだろう。なんのために高めに税をしておる。技術については……うーむ。一度都にて殿下に相談してみたいところだがなぁ」


やはりド田舎の土佐に優れた築城や土木のスペシャリストは中々居ないため畿内から呼び込む必要があった。

しかしそんな人材は……。


「しかしタダで人材を紹介してもらうのはあまりにも無礼でしょう。やはり殿下に貢物をすべきです」


「だがな忠兵衛(忠澄)。家督継承の際に親父殿が散々に殿下に土佐の名産品を送ってしまったのだ。また送っても飽きられるだけよ」


うーむ、と悩む皆のところに福留隼人が駆け込んできた。


「殿!浦戸に鯨が迷い込みましたぞ!いつもより大柄な物です!」


「…………そっ、それだーーー!!!!!」


こうして信親の命を受けて全長20m近いクジラが捕獲され大坂へと運ばれた。

もちろんサプライズで。


久武親信 長宗我部家筆頭家老

谷忠澄 長宗我部元親の恩人、元神官

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