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オッドアイのエージェント  作者: 水無月優
14/14

ZEROのアジトへ

土曜日

約束時間の5分前

ソワソワしながら紫吹と湊は公園のベンチに座っていた


紫吹「あと少しだな…」


湊「ああ…」


2人はさっきから何度もスマホで時間を確認している

紫吹が辺りを見回すと、見覚えのある黒い車が公園の前に止まった


紫吹「おい、あれじゃないか?」


紫吹が車の方を指差す


湊「え?どれ?」


湊の反応ですぐに気づいた

今日も左目が機能してる

結果待ちのときは1日なにも変化が起きなかったのにそれ以降は常に1回は変化が起きていた


紫吹「全くなんなんだ…」


ボソッと呟きながら車の方へ2人で向かう

車からはSと睦美が降りてきた


湊「睦美さん!」


睦美は2人を見てニコッと笑顔を見せる


睦美「湊君、合格おめでとう。そして潤君、所属すると決めてくれてありがとう」


紫吹「いえ、こちらこそよろしくお願いします!」


湊「よろしくお願いします!」


2人が同時にお辞儀して頭を上げると

睦美は笑顔から真剣な顔になっていた


睦美「これから車でアジトに向かうわけだけど…。一応再確認しておくわね?」


睦美から放たれてる今まで感じなかった雰囲気に少し2人は気圧される


睦美「君達が入ろうとしてる世界は君達が本来生きようとした世界と比べると遥かに残酷で危険な世界よ。君達はいずれ…人を殺すことになる。たとえそれが…自分の知り合いだとしても組織からの指令であれば実行しなければならない。そして、当然自分の命も危険となる。もしかしたら初仕事で命を落とすかもしれない。そういう世界に入ろうとしてるのよ。ここで車に乗ってアジト入った瞬間に君達はZEROの一員となるわ。もし今の話を聞いて引き返すのなら今のうちよ」


睦美の話を聞いて2人は顔を見合わせる

そして頷く


「「よろしくお願いします!!」」


2人の答えを聞いてまた睦美は笑顔になり車へ向かい入れた

車で移動して30分ほど経ち車が止まって2人は車から降りる


紫吹「え、ここって…」


睦美「そ、富士山の樹海よ。ここならあまり人は寄り付かないし、寄り付く人間はみんな自殺志願者だから」


睦美の淡々した言い方に紫吹と湊は寒気を感じた

睦美は付いて来なさいと手招きをして2人とも後から付いていく

しばらく歩くと大きな岩の前で立ち止まる


睦美「エージェントリバース。スカウトシード、合格者、サポーターSを連れて戻りました」


睦美が岩の前で言うと岩から光が発光される


睦美「この光は戻ってきた人が偽物ではないか確かめる為にスキャンしてるの」


紫吹がチラッと後ろを見るとSが妙な機械をいじっていた


紫吹「あのSさん?なにをしてるんですか?」


Sは紫吹の方向かず作業しながら答える


S「特殊なフィルターを張っています。このフィルターを張ってる間は外から見たらここには誰もいないように見えるのです」


湊「ほえ〜」


ZEROで使われてる機械は驚くものばかりだ

機械を見ているとスキャンが終わり

突然地面が下がる


紫吹「おぉ!?」


睦美「大丈夫よ。アジトは地下にあるから。まずは体を清潔にした後に、ボスに会ってもらうわ」


地面が止まり入り口にいる見張り2人に通されて

少し狭い部屋に2人は入れられた


紫吹「体を清潔にしてもらうって言ってたけど…ここどー見てもシャワー室じゃないよな」


辺りを見回してもスプリンクラーみたいなのが何箇所か天井にあるだけでそれ以外は何もない


湊「おい、ここに服を脱いで立ってろって書いてあるぞ」


紫吹「ほんとだ」


書いてある通りに服を脱いで立つ


「「…………」」


なんの時間だと分からない


睦美「2人ともパンツも脱いで」


急に睦美の声が部屋中に響いて2人はびっくりする


紫吹「む、睦美さん!?どっかで見てるんですか!?」


キョロキョロするけど睦美の姿は見えない


湊「え、パンツも脱いでって睦美さん見てるのに俺ら全裸になるんですか?」


パンツに手をかけながら睦美の答えを待つ


睦美「ふふふっ。大丈夫よ、私とSであなたたちを見守ってるけどあなた達みたいな子供の裸を見ても私達は照れもしないし動揺もしないから」


「「…………」」


男のプライドを傷つけられた気分になりながらパンツを脱いだ


湊「なぁ…これなんの公開処刑だ?」


紫吹「さぁ…?」


2人とも股間を抑えて立っていると

スプリンクラーみたいなのから煙が出てきた


睦美「その煙には抗菌、滅菌作用があるの。風邪を引いた状態でもその煙を吸った1分後には風邪も治ってるわ」


透明化する車だったりアイマスクや耳栓だったりフィルターの機械だったりZEROのシステムは凄すぎる


睦美「煙が薄くなったら服を着て前の扉から出てね」


煙が薄くなり服を着て扉を開けると

白衣姿の睦美とスーツを着たSが待っていた


睦美「さ、これからボスの元へ挨拶しに行くわよ」


ボスという者の元へ挨拶しに行く間に

色々な装置だったり人が入り混じっていた

人が通り過ぎるたびに分かったのは

全員睦美とSにお辞儀で挨拶をしていた

どうやら睦美とSはかなり立場が上らしい


睦美「あの奥のドア見える?あのドアの向こうにボスがいるわ」


睦美に促されドアの方を見る

すると

グワッと視力が跳ね上がる


紫吹「う!」


紫吹の反応を見て睦美は紫吹にメガネをかけた

すると視力が元に戻った


睦美「まだコントロールが出来てないんだもんね。そのメガネをかけておけば仮に能力を使ってる状態でも眼鏡越しに見える景色は能力を使ってない状態と変わらないわよ」


そう言われてメガネを外して見ると確かに視力が跳ね上がったままだ

メガネをかけると元の景色に戻った


湊「目の色まで普通に戻ってるぞ?すげえな」


睦美「さ、行くよ」


睦美はドアの前に立つと再び合言葉みたいなのを発する


睦美「エージェントリバースです。入室許可お願いします」


ピピっと音が鳴りドアが開く

そのまま入るとそこには

紫吹や湊の親と同じくらいの年齢の見た目の女の人とお年寄りともとれるくらいの男の人が立っていた


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