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オッドアイのエージェント  作者: 水無月優
13/14

結果

湊が試験に行ってから数時間経過した

学校は昼休み

湊の試験が気になって紫吹は授業に全く集中できないでいた

チラッとZEROのタブレットを見てもまだ通知は来てない


「紫吹?なに見てんの?」


後ろから声をかけられてビクっとして慌ててタブレットをしまう


紫吹「いや、なんでもない…!」


乾いた笑いをして誤魔化す

話しかけて来たのは同じクラスの栗原(くりはら) 裕也(ゆうや)


裕也「なんだ?昼休みにエロ画像か?」


くくくといやらしい顔で裕也は笑う


紫吹「お前と一緒にすんな」


裕也「俺だって見てねえわ」


裕也は軽く笑った後に、チラッと湊の席を見た


裕也「今日は涼川のヤツ休みなんだな。サボりか?」


結果によっては裕也の冗談で言ったサボりが作り上げられたものになってしまう


裕也「そういえば今日はお前変な行動しないよな」


紫吹「は?」


変な行動しないよなと言われてなんのことか分からず間抜けな声を出してしまった


裕也「先週なんかちょいちょい変な動きだったじゃん?なにかにビックリしたような動きとか」


紫吹「!!……確かにそうかも」


裕也に言われて思い出した

先週あんだけ左目の能力が暴発してたのに

今日は1度も来ていない

何かしらの条件があって発動しないんだろうか

原理が全く分からないでいた


裕也「なんだ?確かにそうかもって」


紫吹「あ、いや、なんでもない」


由花「潤。ちょっといい?」


紫吹と裕也が話してるところに少し気まずそうに由花が入ってきた


裕也「おっと、彼女のお出ましか。じゃあな」


紫吹「彼女じゃねえし」


裕也は後ろを向きながらバイバイと手を振って行った


由花「ごめんね?話してるところ」


紫吹「大丈夫。で、なんだ?」


由花は少しモジモジとしていて

少し気まずそうにしている


由花「あ、あのね?今日の放課後…空いてたらその…」


その瞬間、紫吹のポケットにしまってある

ZEROのタブレットが振動する

紫吹はすぐにポケットからタブレットを取り出して画面を確認する

画面に現れていたのは

合格という文字と、所属するしないの選択肢のボタンだった

湊が合格したとわかり小さくガッツポーズをする


由花「……潤?」


紫吹「あ、悪い。で、なんだっけ?」


由花に話しかけられたことを忘れてしまって、慌てて由花の方を向く


由花「その…今日の放課後空いてたらご飯一緒に食べに行かない?」


紫吹「あー…悪い、今日の放課後は予定があって…」


由花「あ…そうなんだ!……また誘うね」


そういうと由花は自分の席に戻っていった

紫吹は由花の誘いを心半分で聞いていてタブレット画面に写っている所属するというボタンを押した


そして放課後、


由花「潤?帰らないの?」


いつもならすぐに帰る紫吹がまだ席に座っているのを由花は不思議そうに見る


紫吹「ああ、ちょっとな。由花は先に帰っててくれ」


由花「う、うん」


誰かを待ってるのはなんとなく分かったけど

その相手が女の子だったら知りたいけど知りたくないなと複雑な気持ちを抱えながら由花は帰っていった

そしてクラス全員がいなくなったのを確認したところで

紫吹は教室を出る

教室を出て正門が近くなるとタブレットが震えた

急いでタブレットを見るとSという文字が画面にあり電話のマークが出ていた


紫吹「もしもし!」


S「朝ぶりですね紫吹君。お昼頃に分かったと思いますが涼川君は合格して所属する意思をいただきました。そしてあなたからも所属する意思をいただきました。そこで、1度ZEROのボスに会ってもらいます。本来なら今ここで涼川君とお会いしてもらい何事もなかったように帰宅してもらうところですが、正門付近に女子生徒が1人隠れてるので今日はそのまま帰宅してもらい、土曜日の朝9時に噴水公園に来てください」


隠れてる女子生徒と聞いて、まさかな

と思いながら話を続けた


紫吹「湊は?どうするんです?」


湊のことを聞くとSは黙ってすぐに違う声が聞こえてきた


湊「潤!やったぜ!」


紫吹「湊か!やったな!」


湊の声を聞いて元気だと思い安心する


湊「俺はこのままSさんに家まで送り届けてもらうんだ!だから土曜日は一緒に行こうぜ!」


紫吹「分かった!行こう!」


湊の声がしなくなり再びSの声が聞こえてきた


S「では、土曜日にお待ちしています。失礼します」


電話が切れて紫吹はそのまま家に帰った


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