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夏の大三角形  作者: 風祭トキヤ
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Begin

どうも風祭です

前に投稿したのがいつか忘れましたが、まあご察しの通りです

なぜいまなのかは活動報告で全部話します

それではどうぞ

桜が満開に咲き誇る。

僕と彼女が出会ったのは中学三年生の始業式。玄関に貼られてある新クラスの貼り紙を見ていた。ショートヘアの彼女は一人で貼り紙を見つめる。

貰ったままの制服で真面目で物静かそうな彼女にものすごく似合っていた。

耳に髪をかけた。

その仕草に僕の心は奪われた。

目が合う。

たまらず目をそらす。

恥ずかしくて彼女の顔も見れない。

数秒が経ったころには彼女の姿はもうなかった。


「三組...か...」


知り合いは.........。

名前を名簿順に見ていくと、叶鳴かなる佑樹ゆうきの名前を見つける。安堵の息を吐くと、後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。


「たく〜。おっは〜!」


陽気に話しかけてくるのは僕の数少ない友人の一人、叶鳴だった。


「叶鳴。おはよう」

「俺のクラスどこよ?」

「三組」

「おっ!たくと一緒じゃん!」

「そうだね。よろしく」

「やけにテンション低いね〜!なんかあった?」

「別にいつもこんなだろ」

「そうかね〜。まあ卒業までよろしく!」

「あぁ。よろしく」


二度目のよろしくを済ませて、僕たちは靴を変え、教室へと向かった。


◇◇◇


始業式が終わり、下校時間になった。もうクラスでは複数のグループが存在していた。クラス内カーストにて頂点に立ちそうな男女グループや目立たずに静かそうな人たちが集まっている女子グループ、スマホでゲームに熱中する男子グループなど様々である。

僕も叶鳴と佑樹と一緒に談話して放課後の教室を過していた。

そのとき彼女は現れた。朝見た時と変わらない姿で僕の教室に訪れたのだ。

彼女は僕のクラスの陽キャと称される女子に用事があるようだ。


「しーちゃん陸部行くよ」

「あぁ、咲良さくらちょっと待って!」

「うん。じゃあ外で待ってるね」


彼女は僕の教室を去っていく。それと同時に僕も叶鳴と佑樹との話に戻った。


「たくは今日も部活?」

「うん」

「そっか〜。佑樹は?」

「俺も部活だ」

「今日は一人かぁ。はぁ〜」

「叶鳴もなんか入ればいいじゃん」

「中三のこの時期に入るやつなんているか〜?」

「もうすぐ引退だしな」

「たくは別にいつでも引退できるだろ」

「うっせー」


バッグに配られた教科書を入れて、立ち上がる。他の二人も同じように立ち上がり、僕の後に続いて教室をあとにする。


「それじゃ〜ね!」


叶鳴は手を振り、玄関方面の階段へと小走りで向かっていった。


「じゃあたく。俺も更衣室向かうわ」

「おう、じゃあな」


ゆっくりした足取りで文芸部部室へと向かう。

文芸部に所属する僕は三年になっても部員一人で週に二、三回部室に行き、図書館で借りてきた本やら自分で買った本やらをただ静寂の中読みまくるという本好きの僕にとっては最高の空間だった。

そんな静寂が終わることなく、僕は一人のまま文芸部は廃部が決まりかけていた。

まあこの空間の思い出は僕が本を読んだ思い出しかないので特に否定もしなかった。

とりあえずいつも通り本を読むこと数時間。


「もう五時半か......帰るか」


文芸部の活動時間は五時半までで帰宅準備を始め、部室を出た。

職員室に鍵を戻し、顧問に挨拶して下駄箱で靴を履き替えて外に出た。

昇降口からは校庭がはっきりと見える。

そこにいたのは......あの子だった。

練習着に身をまとった彼女はクラウチングスタートの構えで真っ直ぐ前を向いていた。

GO!の掛け声と一緒に彼女はスピードに乗った。

綺麗なフォームを崩さず、一番にゴールをする。

朝とは違い、軽く髪を結び後ろ姿のうなじがまた僕の心をくすぐる。

振り返った彼女と目が合った。

心臓が激しくなり、止まらなくなった。

たまらなく僕は目を逸らした。

また心臓が激しくなり、校門に向かって走り出した。

多分僕はこの感覚を二度と忘れることない、そう思う。

やっぱりそうだったんだ。

これが一目惚れっていうやつなんだな。

4月7日、新条しんじょう拓馬たくまは恋に落ちた。

いつも通り次あげるのはいつか分かりません

また書きたいと思ったときに書こうかなと思います

それではまた

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