序章
初投稿です。ゆるりと連載していこうと思います。
趣味で書いているので、体裁や表現が稚拙な部分がありますが暖かい目で読んでください。よろしくお願いいたします。
白刃を閃かせ鮮血と屍の戦場を駆ける者、兵と称す。
世に残らじ志と忠誠は、一陣の風に吹かれ大地に埋もれ根を張りその地を守るものなり。
ヒヒイィィィンーーーー。
広がる荒野。馬の嘶きと蹄が地を蹴る音。空に響く鬨の声。徐々に大きくなり軈て天地を揺るがす。突風に飜る旗は高く掲げられ、武士の誇りが舞う。甲冑が動き擦れ合う。銃が構えられ、弓矢が引き絞られる。
腰に差した命に手を掛ける。
「やあやあ、我こそは」
名を轟かせし者、強者と称す。
その豪腕と類稀なる才で影すら消えた歴史に再び魂を宿すモノとなれり。
刃が抜かれ鞘が後方に投げ捨てられた。その一筋、幾千幾万の武に勝る。炯眼、強かに真っ直ぐに前だけを見据える。愛と覚悟に生きる者。使命と仁義の為に死に急ぐ者。構えていた身体が砂利を踏み、弾丸の様に駆け出した。
先陣は何よりの誉なり。
武功は何よりの報恩なり。
敵を斬る姿、まさに鬼神の如し。
「いざ、開戦!」
故にその者、伝説と呼ばれけり。
兵ーTSUWAMONOー