62、シズカの村の戦い
「ねえリクト、あの人って、ロイヤルナイツの人だよね?」
現在、マイルームにはエリシリアにすがり泣くロイヤルナイツのひとり、シズカが居た。
突然俺が連れてきたもんだから、ユミーリアは困惑していた。
コルットはソファでジュースを飲んでいる。
俺はユミーリアに、会議であった事を説明した。
アクデス帝国の侵攻に備えて準備が始まる事、話の中で発覚した、邪神の使徒とアクデス帝国の内通者。
アクデス帝国の内通者は捕まった事。
邪神の使徒の内通者が、ロイヤルナイツのひとり、シズカだった事。
そしてそのシズカは、弟の命を救う為に、邪神の使徒になっていた事。
「リクト、シズカさんの弟、絶対に助けようね!」
ユミーリアは話を聞いて、やる気になっていた。
シズカの弟がどんな病気になっているかはわからないが、俺のゴッドヒールならなんとかなるだろう。
問題は、なぜシズカの弟が病気になっているのかだ。
サンダーの紋章5のストーリーでは、シズカの弟が病気になるなんて事はなかった。
そしてそんな病気の弟を、邪神が助けたという。
なんとも怪しい話だった。
エリシリアがシズカを慰めた後、俺達はシズカの故郷に向かう事にした。
「ところで、シズカの故郷はどこにあるんだ?」
サンダーの紋章5、通称サモン5では、シズカのエンディングで故郷の村が出てきたが、具体的な場所は明かされていない。
「私の故郷はキョテンの街から西に行った所にあります」
西か。そういえば西の方にはまだ行った事がないな。
「とりあえず、街の外に出るか」
俺はマイルームの出口を街から少し離れた場所に設定して、マイルームを出る。
外に出ると、シズカが呆然としていた。
「エリシリア、これはいったい……」
「ふふ、すごいだろう? 私のリクトは」
俺達は歩いてシズカの故郷を目指す。
途中、コルットが楽しそうに魔物を倒していた。
コルットはどんどん強くなっていっており、最近は重力室の外だと動きが目で追えないくらい速い。
コルットと同じ修行をしているユミーリアも、同じくらい速いんだろうな。
エリシリアは最近修行を始めたのでユミーリア達ほどではないが、それでも俺より修行は進んでいる。
ユミーリア達が60倍、エリシリアは30倍の重力を克服しようとしている。
俺? 俺はまだ10倍でも満足に動けないよ。
エリシリアの番になった時点で、地面にはいつくばってゴッドヒールを唱える機械になるよ。
言っててちょっと悲しくなってきた。
やっぱりゲームの主人公達って、すごいんだなって思う日々だった。
でも、俺だって負けてられない。
いつかユミーリア達を守る為にも、強くならないといけないんだ。
俺はコルットのモンスター退治に参加した。
ここら辺のモンスターなら、俺でも簡単に倒せる様にはなっていた。
そうこうしている内に、村に着いた。
「あ! お姉ちゃん!」
子供達がシズカの元に集まってきた。
「みんな、元気だった?」
シズカが笑顔になる。
シズカは村の子供達みんなに好かれている様だった。
「シズカよ、よく帰ってきた。どうじゃ調子は?」
おじいさんが話しかけてきた。
「長老、ただいま戻りました。あの……弟の様子は、どうですか?」
弟の様子を聞いた途端、長老と呼ばれたおじいさんの顔が曇った。
「いまだ寝たままじゃ。当時ほど苦しそうにはしておらんが、起きて動くのは難しいのお」
それを聞いて、シズカの顔も曇る。
「リクト、お前の出番だ。シズカの弟を治してやってくれないか」
エリシリアが俺に頼んでくる。
もちろん、そのつもりだ。
「やっぱり、そういう事だったのね」
その時、後ろから声が聞こえた。
その声には聞き覚えがあった。
「俺達をつけてきたのか、ジャミリー?」
そこに居たのは、ストレートファイター2で出てくる敵、ジャミリーだった。
「シズカ、あなた邪神を、私達を裏切るつもりね?」
ジャミリーは邪神の使徒のひとりである、オウガの部下だ。
当然、ジャミリーも邪神の使徒なのだろう。
「私は……」
シズカにはいまだ、戸惑いがあった。
もし俺が弟を治せなければ、結局邪神に頼るしかないのだ。
だからこそ、このままでいいのか悩んでいるのだろう。
「まあいいわ。あなたはもう用済みよ。私はそれを伝えにきたの。それと……」
ジャミリーから、黒い闘気があふれ出す。
俺達はそれを見て、構える。
「裏切り者の大事な村を、滅ぼして来い。というのが私に下された命令よ」
ジャミリーが近くに居た村人に、黒い闘気の塊を放つ。
すぐさまユミーリアが動き、炎の剣で闘気の塊を打ち払った。
「村の人には、手を出させない!」
ユミーリアが力強い瞳で叫ぶ。
俺達はジャミリーを囲み、村の人達の盾になる。
「へえ、邪魔するっていうの?」
「当たり前だろう? お前達の好きになんかさせるかよ!」
俺はジャミリーをにらみつける。
以前、俺達はジャミリーにまるで歯が立たなかった。
だが今は、きっと勝てるはずだ。
「いくぞ、ユミーリア、コルット、エリシリア! 全力でこいつを倒す!」
俺の言葉にうなずいて、それぞれがジャミリーに攻撃をしかける。
「なにっ!?」
最初に動いたのはユミーリアだ。
炎の剣で、ジャミリーに斬りかかる。
「くっ!」
ジャミリーは腕に闘気をまとって受けようとするが、ユミーリアの攻撃は速く、ガードが間に合わない。
「がああああっ!?」
ユミーリアの炎の剣が、ジャミリーを斬り裂く。
斬り裂かれたジャミリーは、炎に包まれる。
ジャミリーはゴロゴロ転がって、炎を消した。
「あぐっ、くっ!」
一撃で相当ダメージを与えた。
強い、強すぎるぞユミーリア!
「な、なんだ貴様! 今の速さはなんだ!?」
ユミーリアは剣を振るい、りりしく立ち、ジャミリーをキッとにらみつけた。
「私は強くなりました。もう、あなたには負けません!」
ユミーリアがそう言って、ジャミリーに剣を向ける。
メチャクチャカッコよかった。
その姿はまさに、勇者そのものだった。
「ぐっ! この私がこんな……くそ! せめて貴様だけでも!」
ジャミリーが俺に向かって駆け出す。
そんなジャミリーに対して俺は、コルットの親父さんに習った構えをとる。
「……っ!?」
俺の構えを見たジャミリーが止まる。
「貴様、その構え……誰に習った?」
「リュウガさ。オウガのライバルのな」
「やはりそうか!」
その答えを聞いた途端、ジャミリーの黒い闘気がさらに膨れ上がった。
「オウガ様の……ふふ、ふははは! いいぞ! オウガ様の弟子である私が貴様を倒せば、オウガ様は師としてリュウガに勝つ事になる! 最高だ! 最高だぞ!」
ジャミリーは笑っていた。
一方俺はドン引きだった。
というかジャミリー、お前部下じゃなくて弟子だったのか。
なんで微妙に設定が変わってるんだ?
「貴様、もう一度名前を聞かせてもらおう!」
「え? ああ、リクトだ」
俺の名前を聞いて、ジャミリーはさらに黒い闘気を噴き出し、力を高めていく。
「リクトか! その名前、生涯忘れんぞ! リクト、私と勝負だ! どちらがより優れた弟子か、どちらの師匠がより優れているか、勝負だ!」
ジャミリーは俺の返事も聞かず、俺に襲いかかってくる。
俺は完全に不意をつかれたが、身体は自然と動いた。
ジャミリーの拳を腕で受け、そのままリュウガに習った様に、カウンターの蹴りを放つ。
「ぐあっ!」
ジャミリーがそのまま吹っ飛んだ。
すぐさまジャミリーがこちらへ向かってくるが、俺はジャミリーの拳をかわす。
「このっ! 尻男がああ!」
ジャミリーがパンチやキックを放ってくるが、ユミーリアやコルットに比べれば、遅い。なんとかかわせる。
ジャミリーの攻撃をかわす俺。
そんな俺に、ジャミリーのイライラが早くも頂点に達する。
「ああああ! クソが! これでもくらえ!」
ジャミリーが黒い闘気の塊を放ってくる。オウガも使っていた技だが。
だが、その黒い闘気は、俺の絶壁のコートによって、弾かれる。
「な、なんだと!?」
俺の絶壁のコートがピンク色に輝いていた。
「さすが絶壁のコートだな。頼りになる」
ジャミリーは飛び道具がきかないと悟ったのか、再び俺に襲い掛かってくる。
俺はジャミリーのラッシュ攻撃をかわし、距離を取る。
「いい機会だ、俺の新しい必殺技を、見せてやる!」
俺は全身に力をこめる。
すると、俺の身体からピンク色の闘気があふれ出す。
俺はその力を、尻に集める様、意識する。
「な、なんだ? 何をする気だ、貴様!?」
俺はジャミリーに背を、正確には尻を向ける。
「くらえ! 俺の新必殺技!」
俺は両手をグッとにぎり、腰を落として尻を突き出す。
「桃尻波ー!」
俺の尻から、激しいピンク色の波動が放たれる。
「……っ!? な、なんだとおおおおお!!」
ピンク色の波動は、ジャミリーを飲み込んで、激しく爆発した。
「うおっ!?」
俺はその爆発の衝撃にビビッた。
周りの村人達も、腰を抜かしている。
本気で撃ったのは初めてだが、思ったより桃尻波はすごかった。
これでちゃんと手から出ればな。
かっこ悪いのがこの技の最大の欠点だ。
「やりすぎだ、リクト!」
エリシリアに怒られた。
いや、俺もここまですごいとは思ってなかったんだって!
爆発した地点から土煙があがる。
やがて煙が晴れると、ジャミリーがボロボロになった状態で、フラフラ立っていた。
「な、なぜだ!? なぜ貴様までがこれほど強くなっている!?」
正直、俺もビックリしていた。
強くなったという自覚はあったが、まさかジャミリーをこれほど弱く感じるなんて。
「クソが! 貴様に、貴様なんかにいいい!!」
ジャミリーが思いっきり怒っていた。
無理もない。格下だと思っていた相手の尻から出た技で大ダメージを食らったんだ。
わけのわからなさもあって、相当頭に血がのぼっているだろう。
「おにーちゃん」
コルットが俺の服を引っ張っていた。
「わたしも戦いたい!」
コルットの闘志にも火が点いていた。
俺がこれだけ戦えるんだから、コルットだと余裕なんじゃないだろうか。
「ジャミリー」
「なんだ?」
俺はコルットを前に出す。
「このコルットは、リュウガの娘だ。まだ小さいが、俺よりリュウガの力をしっかりと受け継いでいるぞ」
それを聞いて、ジャミリーの目が見開く。
「はっ、ははは! そうか、貴様、そうだったのか! ただの幼女かと思っていたが、納得がいったぞ!」
俺に吹き飛ばされたジャミリーが、ゆっくりと立ち上がる。
「オウガ様がお前と戦いたがっていたのを不思議に思っていたが、納得がいった。リクト、貴様との勝負はお預けだ。私は貴様より、コルットと言ったか? お前と戦わなければならない」
ジャミリーの闘気を受けて、コルットも構えをとる。
「お前をオウガ様に会わせるわけにはいかない。オウガ様は殺させない、お前だけは私が倒さなければならないと思っていたのだ!」
ジャミリーが叫びながら、コルットに襲い掛かる。
だが、コルットはジャミリーの攻撃を受け流し、必殺技のコンボを次々と繰り出していく。
「……かはっ!」
コルットの圧勝だった。
ジャミリーはその場に倒れこむ。
コルットはしばらくジャミリーを見つめた後、トテトテこちらに歩いてきた。
「おにーちゃん、この人よわい。あと、わたしもお尻からバーってやりたい」
コルットはちょっと残念そうだった。
うん、ちょっとジャミリーがかわいそうかも。
あとコルット、俺の桃尻波は真似しちゃダメだぞ。真似しても出来ないだろうけど。
戦いが終わったのを確認すると、エリシリアがジャミリーを縄でしばりあげた。
「なんとうか、アレだな。お前達は強すぎる」
エリシリアがあきれていた。
うーん、ちょっと前まではジャミリーに勝てる気がしなかったんだけどな。
重力室が出来てからは相当レベルアップしてるからな、俺達。
「……っ! リクト、あれ!」
ユミーリアが何かに気づいて、指をさした。
その先には、オウガが居た。
「オウガ!?」
オウガがこちらにゆっくりと歩いてくる。
「ジャミリーがまるで歯が立たんか……貴様らの成長速度をあなどっていた様だ」
オウガがこちらに向かってくる。
しかし不意にオウガの姿がゆらめいた。
次の瞬間、ジャミリーとオウガの姿が消える。
「えっ!?」
「後ろだよ、リクト!」
ユミーリアが叫ぶ。
後ろを振り返ると、ジャミリーを抱えるオウガが居た。
「……速い。見えたのか、ユミーリア?」
「ううん、リクトを見てたら、急にリクトの後ろにオウガが現れたの」
なんで俺を見ていたのかは置いておいて、急に現れたか。
「おにーちゃん、今の人、パッと消えてパッと出たよ。歩いたり走ったりしてないみたい」
コルットが解説してくれる。
歩いたり走ったりしていない、という事は、魔法か何かで移動したのか?
「なんだ、貴様らはまだリュウガに瞬動術を習っていないのか?」
しゅんどうじゅつ? なんだそれ? 今の瞬間移動の事か?
「とはいえ、貴様らの成長速度は異常だな、こちらもそれ相応の覚悟を持たねばならぬか」
「やる気か?」
俺はオウガに対して構えをとる。
だが、オウガはジャミリーを抱いたままだ。
「……そこの女、好きにするがいい。だが、次にあった時、貴様は我らの敵だ」
オウガが語りかけたのは、シズカだった。
オウガはそのまま後ろを向いて、歩いていった。
「待て! 逃がさんぞ!」
それを追ったのはエリシリアだった。
「お前に用は無い。俺が戦うのは、リクトとコルット、お前達だけだ」
オウガはそう言い残して、また消えた。
「くっ! なんなのだ、あの男は!?」
エリシリアは消えたオウガを探したが、すでに周囲にはその姿は無かった。
「……駄目か。仕方ない。リクト、当初の予定通り、シズカの弟を治してやってくれ」
エリシリアは戻ってくると、俺にシズカの弟を治す様に言ってきた。
そういえば、この村に来た目的はそうだったな。
「シズカ、弟の所に案内してくれるか?」
シズカは俺達をボーっと見ていたが、俺に声をかけられてハッと意識を取り戻した。
「あ、ああはい! わかりました、こちらです」
シズカが俺達を案内してくれる。
「おにーちゃん」
コルットが俺に話しかけてきた。
「あの人が、おとーさんのライバル?」
「ああ、そうだ」
「そっか……強いね、あの人」
「……ああ」
今のコルットから見ても、オウガは強いのか。
以前、俺とランラン丸が融合した時は、オウガと良い勝負が出来た。
それを考えると、今のコルットなら楽勝そうに思えるが、そうでもないのか?
オウガ……いつかまた、再び戦う時がくるんだろうな。
出来れば、オウガはリュウガに習った技で倒したい。
俺はそう思い、オウガが去っていった方を見た。
俺達はシズカの弟が寝かされている家に着いた。
シズカの弟は眠っていた。
「リクト、頼む。シズカの弟を、助けてやってくれ」
エリシリアが俺を見る。
言われなくても、シズカは俺にとっても大事な元仲間だ。
「ああ、任せろ。全力でやるさ!」
俺は意識を集中する。
すると俺の尻が、ぼんやり輝き始める。
「え、エリシリア、まさかさっきみたいに、爆発するんじゃ?」
「黙ってみていろシズカ。見ろ、先ほどと違って、あたたかい光だろう?」
俺の尻からあふれるピンク色の光が、家の中を照らす。
「ゴッドヒール!」
俺はゴッドヒールを唱える。
すると俺の尻が激しく輝く。
やがて光がおさまると、眠っていたシズカの弟が目をあけた。
「あれ? ぼく……あ、お姉ちゃん!?」
弟がシズカを見つけた。
「ああ! カモック! 大丈夫なの?」
シズカが弟に駆け寄り、抱きしめる。
「うん! お姉ちゃん、ぼく、もう苦しくないよ」
「良かった! 本当に良かった! ああ! カモック!」
シズカと弟が抱きしめあっていた。
……家族、か。
俺達はシズカを残して、家を出た。
この世界に来て、俺はコルット、名も知らぬ少女、そしてシズカの家族を、回復魔法で助けた。
その度にこうして、家族の絆を見た。
自然と俺は、元の世界の家族の事を思い出していた。
家族か。
ひとりで都会に出てきてから、ずいぶん会っていなかったな。
連絡だって、最初の頃はともかく、最近は1年に1回くらいしかとってなかった気がする。
だからまあ、突然この世界に来た事も、元の世界に戻れないって言われても、大して気にしていなかった。
けど、こうして家族が泣きながらお互いの無事を喜んでいる姿を見ると、少しだけさびしい気もする。
俺がそんな風に思っていると、コルットが俺の足にひっついてきた。
ユミーリアも、俺の手をにぎった。
「リクト……私ね、小さい頃にお父さんとお母さんが死んじゃって、おじいちゃんに育ててもらったの」
ユミーリアが突然語りだした。
「兄さんと二人で、おじいちゃんに剣を習って、フィリスやゼノスと遊んで暮らしてた。村の皆も良くしてくれたし、お父さんとお母さんがいなくても、さびしくなかったよ」
そう言って、ユミーリアは俺の目を見る。
「リクト、私が居るから、だから、元気出して」
「わたしもいるよ、おにーちゃん」
……そうか、二人には俺がさびしい気持ちになった事を、見抜かれたのか。
だからこうして手を取って、ひっついてくれたんだ。
「なんだリクト、私達が居るというのに、何をさびしがっている。私達は仲間であり、パーティだ。冒険者にとって、パーティとは家族の様なものなのだろう?」
家族、か。
……そうか。
俺にはちゃんと、この世界でも家族がいたんだ。
「もちろん、私はいつでもリクトの本当の家族になってもいいんだけど」
「わ、私はいつでも、リクトの本当の家族になってやるぞ?」
「え?」
ユミーリアとエリシリアが、ものすごく小さい声で何かつぶやいていた。
「な、なんでもないよ!」
「そ、そうだ! なんでもないぞ!」
なぜかそっぽを向かれた。
二人の顔が、ものすごく赤かった。
多分、カッコつけようとして、何か恥ずかしいセリフを言ったのだろう。
俺はそんな二人を見て笑った。
そしたらすごく怒られた。
元の世界では疎遠になってしまった分、この世界では家族を、仲間を大切にしよう。
俺は心の中で、元の世界の家族に謝りながら、そう誓った。
ユミーリアが、コルットが、エリシリアが笑っている。
気がつけば俺は、全然さびしくなんてなかった。




