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君が教えてくれたこと

作者: 卯月奏

君に出会わなければよかった

となんど思ったことだろう。


でも

君を好きになってよかった。



もう君の隣で笑うこともないし


君の名前を呼ぶことも

君が私の名前を呼ぶこともない。


私の家で2人で愛犬をかわいがることも

ふざけて触れ合うことも


君が私に声をかけた人にイライラするらしいと


家におくってくれることや


私が君の頭をなでて君が不機嫌そうになることも



もう2度とないんだろう。



私達はこれから話すことさえなく生きていくのだろう。


あの時、

そうだなぁ、たとえば

君が私を朝早く教室に呼び出した時、

君と、食事をした時…



君か私、どちらかが想いを伝えてたら



きっと今は君の隣にいて…。



君が私を気になっていると友達に言われてから意識して


私の誕生日にはサプライズしてくれて


いつの間にか君と遊ぶ事がものすごく楽しみで


ふざけあってる時私がこけかけて

君が私を抱きしめてくれた時のドキドキで

君を"好き"だとわかってしまった。


君が友達と付き合ったと聞いた日は涙がでた


それから君と友達が別れて話しづらくなって

疎遠になった。


君は1つ年下で

私の仲のいい後輩から


「あの人、あなたのことずっと好きで

違う人と付き合った時も忘れられなかったみたいです(笑)

まぁ、あの人、あなたのこと誰よりも大切にしてましたし(笑)

何回か告ったのにスルーされたっていってたし(笑)」


と聞いた時は

忘れかけてたのに君を思い出した。


あんまり私といたら誤解されて彼女できないよ?と笑うと


「え?あなたがいるからいいよ。

別にできなくていい」


「僕、あなたのことかなり大事にしてるよ?(笑)」


「じゃあ、僕が付き合ってって言ったら

あなたは付き合ってくれる?」


全部冗談だと思ってた。


あとから知ったけど友達と付き合った理由は

LINEでの冗談で"好き"と言ったことだったらしく

別れた後


「僕、LINEで告るとか絶対ないから」


「僕、好きな人に対しては好きとか言えない」


あの時一瞬もしかして今までのって…

と思ったけど自意識過剰じゃつらいし

冗談だと思ってこれまでの事もながした。


でもたしかに、他の人には冗談で好きと言ったり、気になってる時あったよ?とか言ってたけど

君が私のこと気になっているという話を私が知っていることも分かっていたのに

1度も言わなかった。


ただ、

「あなたといると楽しい」

と言って。


後から聞いた話では

私以外の女の子に遊びに誘うことも

家にいくことも、送ってくれることも

頼ることもなかったらしい。


私はあの時、君は誰にでもそういう事をしちゃうし、言っちゃう人だと思ってたんだよね(笑)


本当はちがってあの時君が言ってた


「僕、好きな人には優しくするタイプ」


「彼女できなくてもあなたがいるから」


それは冗談じゃなかったみたいだね(笑)



もう、廊下ですれ違っても

目をあわせてそらす。それくらいしかできないのに。


君に会わなければ

今まで好きだと思った人も心から"好き"で

付き合った人だってそれなりに"好き"なつもりだった。



君に対する"好き"を知ってから

今までの"好き"が0になった。



君に会わなければ


君と疎遠になってから付き合った人と続いたかもしれない


今まで通り多くは望まず

相手がこうであってほしいという"彼女"でいられたかもしれない


誰かを"好きだ"と思えたかもしれない


誰かといる時君を思い出さなかったのに…



それでも

君を思い出した時

最初はつらかったけど、今は

君を好きになってよかったと思うんだ。


君は私に好きになるということがどういうことか教えてくれたから。



だからもし君にたった1つ伝えることができるなら


迷わずこう言う。


君が好きだと言った笑顔で


「ありがとう」





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― 新着の感想 ―
[良い点]  感情の赴くままに……と、仰ってられましたが、その分、純粋な心が伝わって来て、大変素晴らしかったと思います。 [一言]  悲しいですけど、生きていると失ってから気が付く事って多いですよね。…
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