出会い
「ほぉほぉ...最初はアバターなんだ。現実と違って良いわけだし、おもいっきりイケメンにしてやるか」
心の中で呟いてきた今までからは一転し、なぜか言葉に出して話す。途中からはふんふんと鼻歌までし始める。
「瞳はパッチリで色は赤、髪も赤髪にして...ちょうどいい長さにしてと。優しそうな眉毛とニッコリした口、長身細身に初期職業は弓かな...いや、王道の剣でいこうか。名前は...苗字文字って【Yukise】だな」
チャララン♪
新キャラ作成 Yukiseを作成しました。
「おおっ!!」
目を輝かせながら画面を見つめる。くるくるとロードを済ますとチュートリアル開始。
【こんにちわ♪私は夢の国Dreamlandの導き役、シャルロットと申します!ではさっそく、ここの世界での生き方等をお教えしますね!】
「シャルロットさんねぇ...ありふれた名前だな。ま、見た目も性格もかわいいからよしとしよう。」
ほうほう...ふむふむ...攻撃はこうで回避はこう......そこが転送ポイントでここが王都ルイツガルドですな。了解了解。
今度は王都でいろんな人に挨拶か。合成屋リキャッタ、鍛冶屋マシャリル、何でも屋パーパサ...まだまだいるなぁ。
【はい!これでおしまいです。お疲れさまでした!さてさて、ここからは貴方だけの生き方を見つけて、この世界を楽しんでくださいね♪】
チュートリアル完了報酬…妖精石100個
...はあ?!100個??おいおい、最初にしては多すぎだろ!バランス大丈夫なのかな?
「.........」
「あのぉ~...大丈夫ですか?初心者さんではないですか?」
ビクッ!
うーんうーんと王都の真ん中広場で悩んでいるユキセに優しい青色のアバターを身にまとった女性キャラが話しかけてきた。
驚きのあまりお返事するのを忘れている。
「えぇっと...あの?」
心配そうにもう一度話しかけてくる。
ユキセはあたふたしながら急いでキーボードをうち、はやく返事を返す。
「そ、そうなんです!チュートリアル完了報酬が妖精石100個に驚いてたり何したらいいかで悩んでたりで...(´∀`;)」
顔文字を使ったら気持ちが伝わるかな、とチャレンジ。
「(*´∇`*)」
おぉー!顔文字で返ってきた!!ヤバイなんかにやけちゃう...
「それなんですが、実は妖精石、ガチャだと一回5個も使うんです!それでも多い方なので、きっと運営さんのお心ですね(゜ー゜*)」
新鮮な顔文字で爆笑、でも納得するユキセ。きっと良くできた運営さんなんだなぁ、とぼやく。
「えーっと、良かったら一緒にプレイしません?色々お教えしますし、お手伝いしますよ~(*^^*)」
あ、ありがたい...
「はい!お願いします!んと...シャラさん...(´・ω・`)?」
キャラの上のネームタグを読む。
「はい(*´・∀・)ノ」