chapter⒈ぼっちな僕は絶望の中で彼を見た
やっと冒頭のところです
今回はいろいろと不思議に思うところがあるかも知れませんが
どうかご容赦を、そして温かい目で見てください
はいどうもみなさんこんにちは
十鳥夜祭です
久しぶりですね、状況わかりましたか?
ご理解いただけたでしょうか?
はい、そうです
今ピンチです、最初にも言いましたが大事な事なので2回言います
大ピンチです
もうこれやばい
楽に3、4回死ねるレベルで魔物きてるってことです
それでは現実逃避もほどほどに現状打破に向けて動きたいと思います
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とはいってもできることなんてある訳が無いんだけどね
コレが自嘲気味って感覚なのかな?
そんなこと考えている暇などない
打開策を考えようにも、現時点で詰んでいる
ゲームオーバー、死亡だ
デスペナルティとかあるのかな?
多分、デスペナルティは、死その物だろうね
経験値とかとろうにも、そもそも僕レベル1だね
とる物なんて何もありゃしない
よく失うものは何も無いとか言うけど、この状況で言えたら凄いと思うね
迫り来る魔物達に対して、僕は1人
パッと見、かなり高レベルな魔物に対して、僕はレベル1
剣やら鎧やら装備してる魔物に対して、僕は短剣が一つに革の鎧
勝てる要素は皆無、でも戦わなければ死ぬだけ
あぁ、ここで死ぬのかな?
嫌だなぁ、生きたいなぁ
一矢報いてみるのも悪くはないかもね
そう考えてからは速かった
腰から短剣を抜き放ち、魔物たちとの戦闘を開始する
正面から来る魔物に対し、短剣で待ち構える
魔物が僕めがけて剣を振るってくる
これを短剣で受けようとして、剣に合わせるが
振られた剣に耐え切れず、短剣が弾かれてしまう
やばい!
とにかく武器を拾わなきゃ
焦る思考が判断力を惑わせ、武器を拾おうとしたが、戦闘中に敵に背中を見せてしまった
当然、僕は魔物に切られることとなる
ザシュッ!!
背中を切られる感覚と共に壁に吹っ飛ばされる
「……は…………はは…………」
無理だ、もう死んだ
傷口は見えないが、地面に溜まっていく血だまりが、僕の命が消えていくのを語っている
あぁ、死ぬのか
アイツもこんな感じだったのかな?
脳裏に浮かぶのは1人の少年
小学生1年生の時に、僕を突き飛ばし、そして救った少年
僕を庇って死んでしまった双子の兄
彼は一体どんな気持ちで最期を迎えたのだろうか
僕は後悔という気持ちしかない
もっと友達とかと遊びたかったな
体質なんかに負けず、本気で友達を作ろうとすればできたのかな
1人ぼっちで死ぬのは嫌だなぁ
そう思った瞬間
遂に今までせき止めていた感情が溢れでくると共に、頬を一筋の涙が伝う
頭の中を巡る後悔の念
友達とか作っておけばよかった
1人に満足せず、求めておけばよかった
そうすれば、トラップに引っかからなかったかもしれない
訓練にだって参加していれば、この魔物たちを倒せたかもしれない
だがもう全ては後の祭り
過ぎたるは及ばざるが如し
過去は取り戻せない
激しい後悔の念が僕を責め立てるが現実は非常だ
こうして泣いているあいだにも、魔物たちは僕に引導を渡そうと近づいてくる
近づいてくる魔物の足音は、死へのカウントダウンだ
ゆっくりと、だが確実に死は近づいてきている
そしていよいよ僕に向かって剣が振り下ろされる
僕は目を瞑って最後の時を待っていた
…………………………………………………
しかし、いつまで経っても来ない衝撃に顔をしかめる
恐る恐る目を開けてみると、そこにはモノクロの世界が広がっていた
僕を切ろうとしている剣は、僕に当たる寸前で止まっている
何か起きたのかな?
疑問に思い辺りを見回してみると
魔物たちのすべてがその動きを止めていた
微動だにしないとは、このことだ
何が起きたのだろうか、再び疑問が沸き上がるが、それよりも心を覆ったのは歓喜だった
疑問は尽きないが、これで逃げれるかもしれない、という感情が沸き上がってくる
理由は何でもいい
例えば天変地異が地上で起こり、魔物たちは恐れて動きを止めているとか
時間が止まり、僕以外が止まることになっていたりとか
およそ普通では考えられない事が起こっているのにも関わらず、僕はそれに気づかず
ただただ、生きていることへの喜びを噛み締めていた
「えーと、大丈夫かな?」
突然掛けられた言葉に、ビクッと全身を震わせてしまった
すわ魔物が喋ったのか!? と声のした方を見てみるが、そこにいたのは果たして6歳程度の少年だった
「夜祭。俺が助けに来たよ」
聞こえた声はもう2度と聞くことがないと思っていた兄の声だった
読んでいただきありがとうございます
改稿
朝睹君の台詞少し変えました