プロローグ⒌ダンジョンで僕は
5話目です
誤字脱字、文法の間違い等は感想欄でお願いします
ついに1話目の状況に入ります
※追加
《そういえば、【収納魔法】にポンポン食糧入れてたら騎士さんたちがすごい驚いた顔してたな
なぜなんだろう?
まぁいいか》
を追加しました
ステータス検査を終えた僕たちは、【魔種】との戦いに備えて訓練の日々が始まった
のはいいのだが、なんとここでも僕の性質である、絶対孤独が発動した
なんかかっこいいな、絶対孤独
絶対孤独!!!!
みたいな?
閑話休題。
僕は訓練には参加していない
理由は、僕が勇者の中でも戦闘力が低すぎたのと、行く班がなかったからだ
普通この国で行われる訓練というのは、まず前衛、後衛、遊撃の3つの班に別れるところから始まる
さらに、前衛班では敵の攻撃を受け止めるタンクの役割を担う人、アタッカーとして敵にダメージを与えることに主眼を置いた人、のように別れ、訓練を行う
また、後衛班では主にメインダメージソースとしての役割を担う火力職の人と、回復や補助等に訓練の時間を費やす人、と別れていく
最後に、遊撃班は敵に状態異常を掛けたり、味方の中でも、人が少ない所の補助に入ったりするので、オールラウンダーとして戦場を駆け回れるような訓練をしている
上のように訓練を行う時は3つの班に別れるのだが、ここで1つ問題が起きる
じゃあ、【運び屋】はどこに入ればいいのだろうか?
前線に出て敵の攻撃を受け止めるタンク職?
無理だ、絶対無理、不可能なんてもんじゃない
そもそもからしてVITが低すぎる、この薄っぺらな紙装甲で敵の攻撃を受け止めるのは勘弁してもらいたい
では、前衛の中でも主に直接攻撃をする班か?
これも否、だ
STR値が足りないし、そもそも前衛は最低限の防御力が無いと、すぐに倒れてしまう
肉を切らせて骨を断つ、ということわざも火力があってからこそ成し得る所業だ
となると後衛班?
僕は自分のステータスの中ではそこそこINTが高いが、それでも他の人とは比べ物にならないほど差が開いている
恐らく僕が回復しても、他の人と比べるとかなり弱体化してしまうだろう
最後に残った遊撃は?
そもそも遊撃班は、戦場を駆け回り、その場に臨機応変に対応できる人が集まる班だ
ただ戦場を駆け回るのならまだしも、オールラウンダーとしての役割は、恐らく果たせないだろう
なぜなら、他のステータスが弱すぎるからね
どうしよう?配備される班が無い
どこに入れても使えないのなら、情報収集やデータベースとしての役割をしよう
ということで、僕は訓練をせずに図書館に篭ったりしている
図書館で、魔物の知識やこの世界についての書物、またサバイバルをする上での知識など、いろいろな本を読んでいる
結果的には、訓練を行わずに済んだのでいいんだけれどね
でもやっぱり、異世界でもぼっちになるのはさ
なんかこう、泣きたくなるんだよね
そんなこんな考えながら、資料を漁っていく日々が一週間続いた
ちなみにこの世界での時間は、地球とほぼ一緒だ
時計はどうやらもう既に開発されているらしい
そして訓練を始めて、一週間がたった日
僕らを指導する、この国の騎士団の中でも隊長らしき人が言った
「ようし! お前ら! そろそろ自分の力を試したくなってきたんじゃないか!? というわけで明日は遂にダンジョンへ入ることにする!!」
隊長らしき人がそう言うと、クラスメイトはなるほど確かに、ウズウズしている人が多いようだ
ちょうど実践で、訓練の成果を試したかったのだろう
反論する人はいなかった
え?僕?
無理無理、クラス全員に面と向かって意見言うとか、どんな罰ゲームだよ
考えてもみろ、ぼっちで普段誰とも会話しない僕がみんながやりたいやりたい! って言ってるところに反論なんて無理だ
うん、無理
というわけで、明日はダンジョンへ向かうこととなった
このダンジョンで僕は、真のぼっちと相成ってしまうこととなるのは、クラスメイトの誰も、僕も予測できることではなかった
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そしてダンジョン攻略の初日
僕たちは、ある洞窟の前に立っていた
これから遂に、初のダンジョンに入るところだ
クラスのみんなは全員、緊張した面持ちだ
若干眠たそうな顔をしている者もいる
恐らく、昨日の夜、初めてのダンジョンが楽しみで眠れなかったのだろう
子供みたいだね、まぁ、かく言う僕もその仲間なんだけどさ
だって楽しみじゃん? ダンジョンだよ?
もうこれは僕にとってロマンだね、ダンジョンとかもうロマンだ
金銀財宝、魔物に無双、女の子のピンチを救ってフラグ建築等々、夢がいっぱいだもんね
どこぞの白髪の少年とか凄いもんね
ダ○まちみたいに、ダンジョンで俺TUEEEEしたりするのは僕にはできないけどね
戦闘力が低いし、そもそもみんなレベル上がってるのに、僕だけ変わってないとか
これはもうあれだ、永久不変のレベル1とか
これだけで一本小説書けそうだよ
ちなみにこの世界ではレベルというのは、普通50くらいまでしか上がらないらしい
一部は、50オーバーの猛者もいたり、種族的にレベル制限が高かったりするのもあるらしいが、基本的には50止まりだそうだ
勇者が強いと呼ばれるのは、ステータスの高さもあるのだが、なんと言ってもこの、レベル制限無しだ
元から高いステータスを持つものが、レベルの制限を超えて強くなっていく
というのが、勇者が強いと呼ばれる所以らしい
話が逸れた、今回ダンジョンに入るに当たって、僕の役割は基本的には無い
戦闘では役に立たないしね
だから基本、僕は戦闘中は見ているだけなのだが、なにぶん戦闘中なので流れ弾も飛んでくる
この僕の防御力だと、流れ弾に当たるだけで、HPをかなり持ってかれてしまうので、僕の周りには国の騎士団の皆さんが何人かいる
ここにいて、僕を守ってくれるとはなんとも優しい人たちだ
本当なら護衛なんか面倒臭くてしたくないだろうに
そう言ってみたのだが
「いえいえ、こちらの都合で呼んでしまったのに、見殺しにするなんて。 人として終わっている事はしたくないですね」
やばい
泣きそう
「そう、ですか 。本当にありがとうございます。」
そうお礼を言うのが精々だった
本当に優しい人だ
いつかお礼をしたいな
そんなこんなありながらもダンジョン攻略は恙無く進んでいく
ダンジョンは何階かの階層に分かれて存在している
今僕たちが潜っているこのダンジョンは、初心者向けの難易度の易しいダンジョンだ
なのだが、未だこのダンジョンの最新部まで行ったことのある者はいないらしい
そもそも、ダンジョンはこの世界においては、冒険者たちによる金稼ぎ、また腕試しといった理由で入ることが多い
ダンジョンに出てくる魔物 (【魔種】とは異なる) からは、魔石というものが採れるらしい
その魔石というのが、この世界において高い価値を持っている
また、ダンジョンの最深部にはそのダンジョンの核である、迷宮魔石があるそうだ
迷宮魔石は通常の魔物から採れる魔石とは違い、大変大きいため非常に高い価値を持っている
そのためダンジョンを最新部まで攻略することによって、文字通り、一獲千金になるそうだ
しかし、この初心者向けと言われるダンジョンなのだが、最深部までたどり着いた者が一人もいないのだ
理由は簡単だ
終わりが見えないのだ
普通 1回のダンジョン攻略では、30階層程度までしか行くことができない
そこまで行くのにかかる時間は、約一週間である
また、普通のダンジョンは大体20階層程度で終わる
しかしこのダンジョンは、最低でも 50階層以上はあるらしい
昔、一線を退いたある冒険者パーティーが最奥部まで挑戦したところ、50階層で打ち止めとなったのだ
それほどまでに深いダンジョンのため、このダンジョンは初心者向けなのだが、踏破した者が一人もいないという状況になっていた
「ハァッ!」
前衛が斬りかかると共に魔物から鮮血が飛び散る
今僕たちがいるここ 3階層ではまだまだ魔物に遅れを取ることはないようだ
安心してはいるも、警戒は怠らない
ダンジョンではいつトラップに掛かったりするかわからないからだ
それでもこうも楽だと過剰に警戒しすぎかな
緊張するのはいいけど、緊張しすぎてもよくないからね
そう思いつつも、決して気を抜かず一行は進んで行く
やがて、一つの部屋を見つけ休憩を取ることにした
ここでやっと、今回僕がきた意味がわかる
要するに補給班みたいな物だ
もっとも、容量を知らない補給班など、地球ではかなり役立つだろう
僕は無言でクラスメイトたちに食料、水を配っていく
今回のダンジョンでは一日程度しか潜らないので、食糧は通常より少ないが、それでもクラスメイト全員を4日は食わせる量を持ってきた
そういえば、【収納魔法】にポンポン食糧入れてたら騎士さんたちがすごい驚いた顔してたな
なぜなんだろう?
まぁいいか
ボソボソとした感触の携帯食料を食べ終わり、休憩を終えた僕たちは再びダンジョン攻略に戻る
それにしてもさすが勇者だ
攻略ペースがかなり早い、僅か半日で5階層とは
これも、勇者の強さ故だな
僕は勇者の中でも最弱なんだけどね
そんなこんな考えていると、僕は1つの宝箱を見つけた
あのRPGとかで出てきそうなやつだ
僕はミミックの可能性も考慮しながらも、そろそろと近づいてみる
触ってみても何もなかったので、開けることにした
これがいけなかった
僕が宝箱を開けた直後、箱の中から光が溢れでてくる
まるで召喚された時のようだ
そしてまた、体が消えるような感覚
僕は生まれて2度目の転移の感覚を味わった
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……気付くと1人で部屋にいた
どうやら転移されたらしい、僕は周りを見回してみる
僕がいるのは部屋の端っこの方だった
僕から見て両側の壁には
なんだろう?魔方陣みたいな模様が描かれていた
ズンッ、と
不思議に思っていると地響きがなる
地響きに驚き周りを見てみると、壁から、正確には壁に描かれた魔法陣から魔物が出てきた
それもたくさん、うじゃうじゃと、だ
それを見た瞬間、僕の背筋が凍り付いた
読んでいただきありがとうございます
感想等くれると嬉しいです
評価もつけてくれると嬉しいです
贅沢言ってすいません
次話は今日の夜投稿したいと思います