線引きは徹底的に
「それじゃ先輩が護衛とかの依頼を引き受けない理由て」
「そう、トラブルが起こりやすいからだ、どんなに安くても魔物討伐の方が楽だ」
依頼掲示板を見ながら俺は言った。
「徹底してるんですね」
「見習わない方が良いぞ、稼げないし出世も出来ない」
俺は掲示板の隅に張ってあった依頼書を取った。
『地下水路の害虫駆除』
魔物討伐が少なくなった分、こういう依頼が増えてきた。
稼ぎにはならないが誰かがやらなきゃいけない。
依頼書を持って受付に向かい依頼を受ける事を伝え現場に向かった。
現場は王都の水路を管理している事務所だ。
「ありがとうございます! 本来はギルドに依頼する事ではないんですがなんせ人と費用が削られてしまいまして……」
依頼主である管理人はハンカチで汗を拭いながら言った。
いかにも役人という感じの人だ。
ただ、嫌な性格ではない。
中には冒険者を見下す奴もいるからな……。
「そんなに人が少ないんですか?」
「えぇ、魔王討伐にかけていましたから、その煽りがうちみたいな所に皺寄せが来るんですよ、勿論大事なのはわかりますが私達にとっては住人の暮らしを守るのも大事ですから……」
見た目と違ってこの人は自分の意見を持っている人みたいだ。
「わかりました、俺も王都に住んでいる身なので」
「よろしくお願いします」
俺は水路に入る扉から中に入って行った。
中は薄暗くどんよりとした空気が漂っている。
「うわぁ、壁にはスライムがこべりついてやがる……」
俺は剣でスライムを切っていく。
スライム自体は弱いが油断は出来ない。
これは初心者によくある事なんだがスライムに足を滑らせ転倒して更にスライムに服を汚され心を折る奴がいる。
だからスライムを舐めちゃいけない。




