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ナギサ死す!

みるみるうちに食料事情も改善された。

しかも今まで無かった物まで出来てきた。


(ロロア魔王国女王 カイン・ロロア サキュバス)

"異世界の知識"とは凄まじいな。


(ロロア魔王国宰相 ガンナ・コリン エルフ 男)

それもそうですが、ナギサ様の状態が……

年齢も70近くなりますが、働き詰めでいつ倒れるか、周りが心配しております。

なんでも自分は老いていく。

"召喚チート"では"不老"は無かった。

生きているうちに仕上げないと意味がないと寝る間も惜しんで取り掛かっているとか。


(ロロア魔王国近衛騎士団団長 ショウ・クルト 熊獣人 男装)

そんな……死んでしまうぞ!

イタズラに寿命を縮めているだけでは?


(ロロア魔王国近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス 鬼族 ふたなり)

ここまでの発展は、ナギサさんが居てからこそ成り立ったものだ、なんとかならんのか?


(ロロア魔王国筆頭魔道士 アリス・ケインズ ダークエルフ 男の娘)

今、必死に探しています。

"不老"、いや、せめて若返りが出来る魔法が無いかと!


(ガンナ・コリン宰相)

ナギサ様の話では、まだ娯楽には手を出してない。

いや、手を出す時間が無い。

それも投入したいと言っているのだ。

しかも限界はあるが、当分は飽きないほどのネタがある。

小出しで流行りを作った方が行き渡って楽しめるだろうと。


(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)

部下の話では、

"ある意味、時間との戦いだが、この歳だ、満足できるまでできないだろう。

出来るだけやる、成功するかは商人次第かも。

しかし数があるからなぁ……"

と言っているとか。


(ガンナ・コリン宰相)

なんとかならんのか……



しかし、遂にナギサが倒れた。

食料事情の改善、それと娯楽は"リバーシ"、"将棋"、"ペタンク"、"お手玉投げ"、"サッカー"、"ミニサッカー"を伝授して。

しかし、それでも這いつくばって仕事を続ける。


(近衛騎士 熊獣人 男装)

無茶です、もう休んでください。


(近衛騎士 鬼族 ふたなり)

そうです、充分やっていただきました、これ以上は……


(ナギサ)

王都での貧民街への炊き出しと勉強会がまだ……


(近衛騎士 狐獣人 女)

それは私達でやります。

どうか休んでください。



そう言いながら、馬車の改良に取り掛かった。

もう出し惜しみ無しだ。

"リッジドサス"に"ダブルウィッシュボーン"、"ボールベアリング"もポチる。

優秀な技師達のおかげで、"リッジドサス"は出来た。

商人にも小出しは儲かるよとアドバイスし、"バネダンパー"、"水ダンパー"、"オイルダンパー"まで技師にポチり、最上級グレードに、魔法陣を使った至れり尽くせりの仕様も教えた。

これには技師や商人も度肝を抜かれる。


(ナギサ)

なんとか馬車の初期段階は間に合った。

後は技師達と商人に任せれば良いか。



この時、ナギサは車椅子に乗っていた。

もはや自分の足では立てないほど老衰していた。

紙の製法も伝授し、安く紙ができるようになった。

もはやここまでくれば革命である。


(ナギサ)

魔動車、作りたかったなぁ……

それでレースもしたかった。



最後の仕事と魔動車計画を技師達に伝え、"ボールベアリング"が必須なこと。

グリスの入れ方などを教えた。

そして遂に寝たきりになった。

ナギサは商人を呼び、ありったけの娯楽品とその使い方やルールを書いた紙を託した。


(ナギサ)

完成は見れなかったのもあるけど、やれるだけやったか……

貧民街の炊き出しと勉強会、やりたかったなぁ……



それを聞いていた近衛騎士達は、女王様に嘆願した。


(カイン・ロロア女王)

まだそんな事を……


(ガンナ・コリン宰相)

どこまで我が国を思っているのか……


(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)

生まれで将来を諦めてほしくない……


(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)

子供は親を選べない。

それだけに夢を与えないと……


(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)

なんで、なんでそんな人が老衰しなきゃならないの!(涙目)

魔法が無いの、まだ見つからないの!(涙)



ナギサのところに女王達がやってきた。


(ナギサ)

女王様、ボクは処刑ですか?

せめて苦しまないようにお願いします。

もう、こんな状態になりました。

お役には立てません。

まだやりたかった事はありますが、時間が足りなかった……

せめて10年早く召喚されていたら、もっとやれたかもしれません。

その事を悔いています。


(カイン・ロロア女王)

バカを言うな。

お前は充分にやった、お前が居たからこそ、今の我が国がある。

全てお前のおかげだ、よくぞここまでやってくれた、ナギサよ、礼を言う。


(ナギサ)

ありがとうございます。

そう言われると救われます。

では、介錯をお願いします。


(カイン・ロロア女王)

ならん!

ここまでの功労者を死なせるわけにはいかん!

今、其方を救う方法を必死で探し、研究しておる。

それまで生きよ!(涙目)


(ナギサ)

無茶を言います、女王様。

そうそう、イステリア王国の勇者はどうなりました?

消えましたか?国防は大丈夫ですか?


(ガンナ・コリン宰相)

其方、そんな状態になっても我が国の事を……(涙目)


(ナギサ)

危うく忘れるところでした。

机の上の紙を取ってください。



言われるままに紙を取ったアリス。


(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)

魔法陣。


(ナギサ)

そうです。

ボクは魔法を"感覚"で操ってました。

だから、魔法陣は要らなかったのです。

でもそれじゃあ、ボクが居なくなったら困る。

それで魔法陣をなんとか描き上げました。


(ガンナ・コリン宰相)

なんと……


(ナギサ)

1番と書いてある紙の物は、"無限変換システム"と名づけました。

空気中の魔素を魔力に変換する魔法陣です。

これがあれば、魔素がある限り、魔力切れは起こりません。

全属性対応で、併用可能です。

不要な属性があれば、その出口を塞ぐだけでいけます。

暴発防止です。

2番と書いてあるのは、"無限生産システム"と名づけました。

今、農村部で使っているのと同じ魔法が使える魔法陣です。

収穫してもすぐ実り、収穫しない限り腐らないので、生産量を調整できる物です。

3番は重力魔法陣と名づけました。

重い物を浮かす魔法陣です。

魔力の量に応じて高さが変えられるので、便利かと。

日常だけでなく、軍の武器や兵糧を運ぶのにも役立つと思います。

今の説明で、アリスさんなら理解できたと思いますし、描けると思います。

良ければ使ってください。

後の分は間に合いませんでした、申し訳ございません。


(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)

そんな状態になってまで私達の為に(涙)


(ナギサ)

まだ、頭と手は動きましたから(微笑み)


(ガンナ・コリン宰相)

そんな……そこまで我が国の事を……


(ナギサ)

ボクはこの国に来て良かった。

皆んなの笑顔を見るとやり甲斐があった。

でも、寿命は残酷ですね。

まだやりたい事はあったのに……

人族だけど、ボクはこの国が好きです。

そんなバカが居たと笑ってください。


(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)

誰が笑うか!

皆んな頼りにしてるんだ、感謝してるんだ!(涙目)


(ナギサ)

ありがとうございます。

でも、そろそろ時間のようです。

お迎えが来たのかもしれません。

この国のお役に立てた事を嬉しく思います。


(カイン・ロロア女王)

死ぬな!まだ死ぬな!

これは王命だ!

必ず其方を救う!

だから死ぬな!


(ナギサ)

流石にそれには従うのは無理かと……

そろそろおやすみの時間がきたかと。

皆様、今までありがとうございました。

皆様の協力があったからこそ、ここまでできました。

より一層この国が繁栄する事を心より願っております。



そう言うと、ナギサは目を閉じた。


(カイン・ロロア女王)

逝くな!逝ってはならん!我に逆らうな!

我々は其方に碌な礼もできておらん!

そんな状態で逝く事は許さん!

我を…………悲しませるな(涙)



ナギサの手を握り、必死に呼びかけるカイン女王。

しかし、握っていたナギサの手から力が抜けた。


(カイン・ロロア女王)

ナギサあああぁぁっ!!(号泣)


(ガンナ・コリン宰相)

ナギサ様……


(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)

ナギサ……


(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)

ナギサさん……


(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)

ごめんなさい、救えなくて……


(カイン・ロロア女王)

人族の……寿命は……短いなぁ……(号泣)



人族でありながら、最期までロロア魔王国に尽くし、誰よりもロロア魔王国を愛したナギサが死んだ。

この事は早急に知らされ、関わった者達は皆悲しんだ。

ナギサの葬儀は国葬で、大々的に行われた。

その後、ナギサの偉業を讃え、大神殿が建てられ、そこにナギサは祀られた。

命日には女王自らが参拝するのであった。



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