王都見学と新兵器
ナギサは謁見の間から応接室に通された。
(ロロア魔王国宰相 ガンナ・コリン エルフ 男)
女王様の命令により、現在の状況と経緯を話す。
(ナギサ)
宰相が怪しい!
(ガンナ・コリン宰相)
なっ、何を根拠に!
(ナギサ)
だって、エルフってこう、もっと見た目が若くて美人やん。
筆頭魔道士のアリスさんみたいに。
ガチャン!ゴン!
集まってた全員がズッコケた。
中には机で顔を打った者も居る。
(ロロア魔王国筆頭魔道士 アリス・ケインズ ダークエルフ 男の娘)
わ、若くて美人……(照)
(ガンナ・コリン宰相)
照れてんじゃねぇ〜!!
(ロロア魔王国近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス 鬼族 ふたなり)
あゝ、宰相?
(ガンナ・コリン宰相)
んんんっ……私とした事が取り乱してしまった……
で、事の発端は、国境付近がキナ臭い。
まぁ、指摘があったように、お互い自作自演の可能性は否定できないが。
そして、その事について、賠償金を求めてきた。
もちろん、そういう事ならとこちらも賠償金を請求した。
これで遺恨はあるが、とりあえず治ったように見えた。
しかし、今度は交易に難癖を付けてきた。
こちらの輸出品は希少金属。
輸入品は食料だが、その価格を10倍に引き上げてきた。
その上で、希少金属の輸出量を増やせ、さもなくば食料輸出を止めると脅してきた。
いくらなんでも飲めるはずがない。
そこで戦争になった。
(ナギサ)
なるほど。
で、まぁ、武器商人は儲かるとして、辺境伯や貴族の中に、急に羽振りが良くなったとか、私腹を肥やしてるなんて噂は?
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
そういえば、そんな噂はある。
急に派閥の資金が潤沢になり、資産を増やしているヤツらが。
(ナギサ)
ありゃりゃ、ビンゴ?
(ロロア魔王国近衛騎士団団長 ショウ・クルト 熊獣人 男装)
あのアクマイ辺境伯の派閥ですね。
ただ、辺境伯だけに証拠を押さえないと我々では動けないのと、国境の領地だけに商人から通行手数料を取っているのが儲けだと言われたら、なかなか手が出せない。
武器商人なんて、通行料と称して多額の賄賂を渡し、越境の融通を利かせてもらうなど、戦時中なら当たり前だからな。
まぁ、それで武器の値段が上がるから、買い占めができないと言われたら、それまでだ。
(ナギサ)
で、イステリア王国と繋がって、時期国王の座が保証されているとか。
(ガンナ・コリン宰相)
無いとは言えぬ。
ただ、今の段階でそれを理由に捕縛し、無罪だった場合、取り返しがつかない。
国家反逆罪で、処刑は確定だ。
もし違ったら、クーデターが起こり、国家転覆しても文句は言えない。
一斉に反女王派になり、次の立場の獲得に動くだろう。
(ナギサ)
だよねぇ〜……
証拠を探すか……まずは状況証拠から。
まぁ、その前に終戦が先だね。
終戦してしまえば、場合によっては野望を砕ける。
それからの調査でも良いか……
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
終戦できるのか?
もう15年も泥沼化しているんだぞ。
(ナギサ)
その為の"勇者召喚"でしょ?
こっちには"チート"があるんだ、やっちゃおうよ。
(ガンナ・コリン宰相)
で、作戦は?
(ナギサ)
魔王討伐……
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
なっ!
(ナギサ)
はしない。
イステリア王国フルボッコといこうか。
で、食料難なんだよね?
農業とか見せてくれる?
改善の余地があるかも。
(ガンナ・コリン宰相)
ほんとか!
(ナギサ)
あくまで余地ね。
こっちには"異世界の知識"ってのがあるよね?
通用すれば、使えるかも。
(ガンナ・コリン宰相)
そうか!異世界人だったな。
なら、我らの知らない知識がある可能性もあり得る。
(ナギサ)
あくまで可能性ね。
期待はしないで。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
イステリア王国の連中もバカだな。
そういうところは見落としたか。
(ナギサ)
自分達で召喚しといてね。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
それは言える(笑)
という事で、とりあえずイステリア王国フルボッコ作戦が計画された。
(ナギサ)
どうすっかなぁ……
とりあえず、新しい武器でも使う?
それだと訓練が要るけど。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
強力か?
(ナギサ)
だから、終戦したら回収する。
有事の際にはまた出す。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
何故だ?
(ナギサ)
ここに来る途中、国境の警備とか武器商人の武器とかそれとなく見たんだけど、古い、弱い。
ボクが用意するのの足元にも及ばない気がする。
それだけに、回収しないと、それ使ってクーデターなんてやられたら堪ったもんじゃない。
簡単な練習で、新兵でも騎士団長ぐらいなら殺せるようになる。
っていうか、場所次第では十数人は簡単に殺せる。
魔法じゃなく物理で。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
・・・は?
(ナギサ)
だから回収するんだよ。
常に敵より優位な位置に居ないとヤバいでしょ?
(ガンナ・コリン宰相)
それは確かに……
(ナギサ)
で、まずどうする?
終戦後を見据えて王都を案内してくれる?
それとも訓練に入る?
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
そうだな……まずは軽く王都を案内しよう。
終わり次第、訓練だ。
(ナギサ)
では、よろしくね。
そう言うと、軽く王都を案内された。
そこはまさに中世ヨーロッパ。
上下水道も無く、運河は汚い。
(ナギサ)
これ、改善の余地、大アリだな。
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
ほんと?
(ナギサ)
王都でこれって事は、他はもっと遅れてるよね。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
確かに王都が一番発展している、それでも遅れてるのか?
(ナギサ)
うん、まぁ、改善するから任せて。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
お、おう……
という事で、とりあえず大まかに見て回った。
(ナギサ)
やっぱ貧民街はあるか……
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
それは仕方ないです。
光のある所、影もあります。
(ナギサ)
なんとかしたいなぁ……
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
どうしてです?
(ナギサ)
ボクは育ちは良くない。
いつもお金には困っていた。
お金の無い辛さ惨めさは身に沁みている。
生まれてきた子供には親が選べない。
だから、生まれで諦めてほしくないんだ。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
異世界ではそのような……
(ナギサ)
そうだよ、職に就いて生活は改善したけど、金持ちとはほど遠いよ。
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
そうなん……ですか……
(ナギサ)
まぁ、せっかく来たんだ、"チート"もある!
やれるだけやるかな。
そんな話をしながら王宮に戻る。
ナギサには部屋が用意されていて、とりあえずそこで生活する事になった。
バリバリ諜報されているけどな。
(メイド 狐獣人 女 諜報部)
勇者様。
(ナギサ)
ん?勇者じゃないよ?
それに暗器なんか隠さなくて良いから。
諜報部の人でしょ。
(メイド 狐獣人)
えっ?私はそんなのではないですよ?
(ナギサ)
いきなり来て信用しろってのは無理があるから。
しかも王宮でしょ?
下手な事されたら堪んないやん。
バリバリ諜報されてるのは分かってるし。
逆にそうじゃないと危ないよ?
(メイド 狐獣人)
まぁ、そう言われるとそうですが……
(ナギサ)
それに協力するって言ったけど、まだ何もしてないやん。
そりゃ警戒するって。
(メイド 狐獣人)
はぁ……
(ナギサ)
薬は盛らないでね、協力できなくなるから。
少し手の内を明かすと……
用意する武器は相当強力だから。
それは期待して(微笑み)
(メイド 狐獣人)
は、はぁ、お伝えしておきます。
そう言うと、持ってきたお茶を用意して退室して行った。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
・・・は?
ナギサさんはそんな事を?
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
完全に見抜かれていますね。
というか、少しでも頭がキレたら容易に想像できますか……
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
逆に味方なら頼もしいかもしれませんね。
という事で翌日、早速訓練を見た。
なんとボーガンすら無かった。
そこでまずはボーガンをポチッた。
使い方を説明して試し打ちしてもらう。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
これは凄い!
これだと命中率が上がる!
弓の苦手な者でも使える。
(ナギサ)
これの連射版がね……
例の三段撃ちだ。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
射撃間隔が……
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
これは敵の意表をつける。
(ナギサ)
これが投石機ね。
これはこうやって石とか飛ばすんよ。
石以外に火の玉とか投げ込めるけど、魔法があれば要らないかな?
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
いや、魔道士の数にも限りがある。
これは使える。
(ナギサ)
でも大きいのが欠点かな。
運んで現地で組み立ててないといけないのが欠点だけどね。
それと同じなのがこれ。
次は攻城兵器、そしてバリスタ。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
これは凄い!
強力な武器になる。
(ナギサ)
ここまではあげます。
必要な数だけ作ってください。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
は?
(ナギサ)
だから、ここまでは大丈夫だと思います。
必要な数だけ作ってください。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
こんな強力な武器を?
(ナギサ)
これから出すのに比べたら、おもちゃです。
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
お、おもちゃ(冷汗)
(ナギサ)
では、本命いきます。
まず、拳銃を出した。
(ナギサ)
これです、この使い方は、こうやって狙ってこの引き金を引くだけ。
あの的を撃ちますね。
パン!パン!パン!
三点バーストを決める。
(ナギサ)
どんな感じかな?
的を見に行くと、穴が3つ空いていた。
(ナギサ)
こんな感じ。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
フルメイルを貫通?!
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
しかも連発!
(ナギサ)
次、これね。
これはライフル。
使い方は同じ。
そう言うと撃ってみた。
デカい穴がフルメイルに空く。
(ナギサ)
これマシンガン。
ナギサが引き金を引く。
パパパパパパパパパパン!
フルメイルが蜂の巣になった。
(ナギサ)
それの大きいのがコレ。
軍用マシンガンを出して撃った。
今度は的のフルメイルがグシャグシャになった。
(ナギサ)
これ、ここで撃って大丈夫かな?
据え置き式のマシンガンを出して設置した。
(ナギサ)
さっきの比じゃないんだけど、ここで撃って大丈夫?
場所変えようか?
ん?どうしたん?
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
あ、あゝ、これ以上は無理だ、場所を変えよう。
そう言うと、郊外の鍛練場に行った。
(ナギサ)
危ないから地面撃つね。
そう言うと、据え置き式のマシンガンを連射した。
土煙が治まると、地面が凸凹になっていた。
(ナギサ)
どんどんいこう。
固定式マシンガンを出した。
そして試射する。
さっきより地面が凸凹になった。
これが身体に当たるところを想像したら、卒倒しそうになったショウ達。
(ナギサ)
次いくよ。
出したのはミサイルランチャー。
発射したミサイルが的を吹き飛ばした。
(ナギサ)
これの大型がこれ。
ミサイル発射台を出した。
危ないので山なり軌道で鍛練場の端に着弾させた。
地面が陥没した。
(ナギサ)
これ高射砲、空からのを撃ち落とすやつ。
ナギサは自重なくどんどん出していく。
自走砲、高機動車、戦車。
仕舞いには爆撃機と戦闘機も出した。
(ナギサ)
空は流石に無理だから、魔法で自動操縦にするね。
そう言うと、無人機と入れ替えた。
(ナギサ)
拳銃からは回収するから。
これ、下手したら、国家転覆できるから。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
あ、あゝ……そうしてくれ……
(筆頭魔道士 アリス・ケインズ)
この戦力を簡単に手放したんですね、イステリア王国は。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
み、味方で良かった。
敵だとこれで攻撃されるんですよね(冷汗)
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
ひとつ間違えてたら、オレらは肉片になっていたのか……
(ナギサ)
これを使えるようにする為の訓練をしたいんだけど。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
わ、分かった、人選は任せてくれ。
翌日から、選ばれたエリート部隊が練習に入った。
(ナギサ)
少ないよ?
もっと動員しないの?
戦車や高機動車なんて、あんなに少ないよ?
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
ま、待ってくれ。
今、かき集めてる。
下手なヤツには扱わせるわけにはいかないから。
(ナギサ)
分かった。
この日を境に諜報部員が護衛部員に入れ替わった。




