勇者召喚
ホワイト企業に勤める神流なぎさはランチに出かけていた。
(神流なぎさ)
給料は高い、完全週休2日制、福利厚生もばっちり。
こうやってランチに出るぐらいの昼休みもある。
交通費全額と家賃手当て5万円まで支給されるし。
車通勤可で駐車場も完備!
しかもランチ代1000円も支給されるって良い会社だなぁ。
残業も無いし。
早速、車買ったし。
なぎさは残クレでスズ●のハスラ●を買っていた。
(神流なぎさ)
うーん、今度の休みはどこ行こうかな?
高速のSAの食べ歩きでもしようかな?
SAPAのグルメって、最近充実してるしなぁ。
そんな事を考えながら、ランチが済んだなぎさは職場に帰ろうとした。
すると突然足元が光って何かが現れた。
(神流なぎさ)
なんだこれ?
あっ、これ召喚魔法陣?
アニメで観たぞ。
ひょっとして"勇者召喚"?
次の瞬間、光とともになぎさは消えた。
目の前が見えるようになると。
(筆頭魔道士:男)
"勇者召喚"が成功したぞ!
周りがザワついた。
(国王)
よくぞ来られた、勇者よ!
(神流なぎさ)
善きにはからえ国王よ!
ガチャン!
一斉にズッコケる周り。
(国王)
な、なかなか落ち着いておるの、勇者よ。
(神流なぎさ)
まぁ、ラノベっていう物語で読んだことあるし、アニメでも観たことあるから。
まさか自分が体験するとは思わなかったけど。
(国王)
なら話が早い。
(神流なぎさ)
邪神討伐?魔王討伐?戦争の終結?異世界知識での内政チート?
(国王)
そ、そんな事まで分かるのか?
(神流なぎさ)
いわゆる物語のテンプレです。
そういう物語は大好きで、よく読みました。
(国王)
なんと!
では、話をしよう。
"勇者召喚"の訳は、魔王討伐による戦争終結だ。
(神流なぎさ)
なるほど、で、次は能力測定ね。
水晶かな?
(筆頭魔道士:男)
なっ、そんな事まで。
それも物語か?
(神流なぎさ)
そうですよ。
で、ここでチートだと分かる。
(国王)
ほぅ、期待してるぞ。
(筆頭魔道士:男)
では……
(神流なぎさ)
こちらの水晶に(ニヤリ)
(筆頭魔導士:男)
話が早い。
そう言うと、なぎさは水晶に手をかざす。
何も表示されない。
(筆頭魔導士:男)
・・・は?
(神流なぎさ)
ありゃりゃ、なんでだろ?
【ステータス】
なんちゃって。
おっ!
そこには素晴らしいスペックが表示された。
全てが限界突破の無限大。
全属性使い。
魔法もスキルも無いものは無いのでは?
というほどビッシリと表示されていた。
(神流なぎさ)
なんか裏があるな(ボソっ)
(筆頭魔導士:男)
何も表示されない?
なんだこれは!全く役に立たない!
召喚は失敗だ!!
(神流なぎさ)
あらら、なんでかな?
(国王)
なんという事だ!
こんなヤツ、さっさと追い出せ!!
(近衛騎士団団長:男)
はっ!
そのまま王城の外へ放り出された。
(神流なぎさ)
処刑じゃなくて良かったわ。
しかし、路銀ぐらい渡せよ、ケチ。
まぁ、処刑でも逃げれるがな。
ただ、その時にスペックがバレる。
この流れはなんかあるんだろ。
この国に関わるのは利口じゃないな。
で、どこ行くか……
定番はギルドで冒険者登録だよな。
そう言うと、なぎさはギルドに行った。
(神流なぎさ)
女将さぁ〜ん!空いてるぅ〜!!
ガシャン!
その場に居た全員がズッコケた。
中にはカウンターやテーブルで頭を打ったヤツも居る。
(ギルド職員:女)
な、な、なんでしょうか(汗)
(神流なぎさ)
冒険者登録したいんですが。
(ギルド職員:女)
なら、この用紙に記入してください。
(神流なぎさ)
はーい。
なぎさは用紙を見る。
(神流なぎさ)
やはり召喚チートだ、読み書きは問題ない。
えーっと、名前ね……なぎさで良いか。
なぎさと書いたんだが、ナギサと表示された。
(神流なぎさ)
異世界特有だな、漢字は通用しないと。
中世ヨーロッパぽいからカタカナね。
という訳で、用紙を書いて受付に持っていく。
(ギルド職員:女)
ではギルドカードを発行します。
初めてなので、Fランクからです。
依頼をこなしていくと実績によりランクアップします。
最高はSランクです。
(ナギサ)
ランクによって縛りはありますか?
(ギルド職員:女)
特に無いです。
ただ、高ランクになると、ギルドからの呼び出しがあったりします。
手が空いていれば、参加義務があります。
他にも緊急討伐などで指定ランク以上に召集がかかる場合があります。
その街に居るなら、クエスト中で無ければ参加してください。
参加しないと、評判にも関わりますし、場合によっては降格もあります。
(ナギサ)
商売などはどうすれば良いですか?
(ギルド職員:女)
ギルドカードを持っていれば可能です。
商売にはランクがありませんので。
(ナギサ)
分かりました。
(ギルド職員:女)
では、クエスト頑張ってください。
分からない事があれば、気楽に聞いてください。
(ナギサ)
ありがとう。
そう言うと、ナギサはギルドを出た。
よくある、"おい、新人!"的なイベントは無かった。
(ナギサ)
案外、すんなり登録できたな。
魔力測定とかあるんかと思ったけど。
まぁ、その辺は自己責任って事かな。
そう言うと、ナギサは王都を出た。
つまみ出されたんだ、ウロウロしてたら良い事は無いだろう。
(ナギサ)
さてと、魔王って言ってたな、じゃあ魔族の国に行ってみるか。
その前に路銀か……
なんかスキル無いかな?
ナギサはスキル一覧を見ていく。
(ナギサ)
うーん……うん?"無限通販"。
ひょっとして、"通販"できる?
じゃあ、試しにと。
ナギサはドミノピ●からチーズピザをポチッた。
足元が光って、ドミノ●ザの箱が現れた。
(ナギサ)
おっ!
箱を開けると、出来たてのチーズピザが入っていた。
(ナギサ)
うーん、美味しっ♡
これがあると食事には困らないな。
となると、移動の足か。
車とか。
リストをスクロールしていく。
(ナギサ)
あった!車!
こんなのも"通販"できるん?
じゃあ、どれにしようか。
道は……荒れてるな……となると……
という事で、ナギサはレク●スGX550バージョンLをポチッた。
(ナギサ)
わお!やったぁ〜!
まず買える事のないレクサ●。
それの最上級SUVだ、これで行こう。
早速乗り込んで走り出す。
(ナギサ)
やっぱ"チート"だ。
ガソリンがEでも走る!
しかし快適だなぁ……
ついでに音楽もかける。
SUPER EUR●BEAT presents INITIAL D DREAM COLLE●TION Ver.3!
ノリノリである。
(ナギサ)
やっぱコレだね!
ドライブにはユーロビートに限る!
そのまま国境を目指すが……
(ナギサ)
うーん、戦争中って感じやね。
関門も在って無いようなもんやん。
そう言うと街道から外れ、悪路を走る。
(ナギサ)
流石、走破能力は高いな。
ランクルのレクサ●版って言うだけあるわ。
そうか知らんが、あちこち擦って傷だらけだぞ。
1500万はするんじゃなかったのか?
という事で、国境を越えた。
街道に戻るが、魔族の国と言いながら、人族も居る。
どうやら商人は行き来しているみたいだ。
周りの目も気にせず、街道を軽快に走るナギサ。
街に寄ろうとしたが、そこは魔族の国。
商人以外は目立つのでやめた。
商人はある程度の場所で魔族の国の商人と取り引きして引き上げるみたいだ。
(ナギサ)
まぁ、目立つから仕方ないか。
食事も寝床も困らないしな。
そう言うと魔王宮に向かう。
(ナギサ)
ナビが使えるって便利だなぁ。
最短距離で行けるよ。
そうして魔王宮に着く。
(ナギサ)
ねぇ〜、やってるぅ〜?
ガチャン!!
門兵達がズッコケる。
(門兵 熊獣人 ふたなり)
や、やってるぅ〜?
てか、お前、人族だろ!
どうやってここまで来た!
(ナギサ)
これに乗ってきた。
そう言うと、ナギサはレク●スGX550バージョンLを出した。
(門兵 鬼族 男装)
な、なんだそれは……
(ナギサ)
移動の足、乗ってみる?
(門兵 狐獣人 女)
え、ええ……
大試乗会が始まった。
(門兵 熊獣人)
な、なんだこれ、乗り心地が凄ぇ〜!!
(門兵 鬼族)
しかも馬車じゃ行けない道まで走るぞ!
(門兵 狐獣人)
椅子がソファーね。
お貴族になったみたい。
という事で、仲良くなったところで……
(ナギサ)
魔王様に会いたいんだけど。
(門兵 熊獣人)
なんでだ?
(ナギサ)
"勇者召喚"の事、知ってる?
(門兵 鬼族)
えっ?まぁ、噂には。
(ナギサ)
その"勇者召喚"されたのがボクなんだよ。
(門兵 狐獣人)
なっ!
(ナギサ)
しかし、不思議な事が。
役立たずって追い出された。
(門兵 熊獣人)
・・・は?
(ナギサ)
このスペックが見えなかったんだ。
【ステータス】
これが何一つ表示しなかったらしい。
(門兵 狐獣人)
えっ?
いや、これ、人外……(冷汗)
(ナギサ)
という事は何か裏があるって思ったんだよ。
皆んなは見えたんでしょ?
(門兵 熊獣人)
あ、あゝ、凄まじいスペックが見えた。
(ナギサ)
という事は、人族が悪?魔族に大義あり?
(門兵 鬼族)
なるほどな。
だから人族には見えず、役立たずの厄介払い、か……
(ナギサ)
そう、まずそれを考えた。
だから魔王様と会って話がしたいなぁって。
魔王を討伐して終戦、これが目的。
なら、王国?をフルボッコにして終戦もアリかと。
(門兵 狐獣人)
アンタ、面白いこと言うねぇ〜。
人族の国はイステリア王国だ。
それは……
(ナギサ)
今、知った。
(門兵 熊獣人)
マジかよ、そこまでならなんかあるな。
という事で、何人もの上司に報告が上がり、近衛騎士団長がやって来た。
(近衛騎士団団長 熊獣人 ふたなり)
お前が"勇者召喚"された者か?
(ナギサ)
はい、ナギサって言います、よろしく。
(近衛騎士団団長 熊獣人)
そうか、女王がお会いになる、ついて来い。
(ナギサ)
はーい。
近衛騎士団長について行くナギサ。
謁見の間に連れて行かれる。
(ロロア魔王国女王 カイン・ロロア サキュバス)
お前が"勇者召喚"にあった者か?
(ナギサ)
はいそうです。
ナギサと言います、よろしくです。
(カイン・ロロア女王)
私はロロア魔王国女王、カイン・ロロアだ。
で、面白い話を聞いたのだが。
(ナギサ)
まずはこれを。
【ステータス】
(ロロア魔王国近衛騎士団団長 ショウ・クルト 熊獣人 男装)
こ、これは……凄まじいな……
(ナギサ)
何故かこれが見えなかったんですよね。
(ロロア魔王国近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス 鬼族 ふたなり)
それで役立たずと追放に?
(ナギサ)
そうです。
おかしくないですか?
自分達で"勇者召喚"したんですよ?
それでスペックが分からないから追放。
しかし、魔族の人には見えた。
(カイン・ロロア女王)
変な話だな。
(ナギサ)
見えたらいけない理由があった?
今回の非はイステリア王国?
そこを疑った。
まぁ、戦争なんて、下手したらどっちもどっちだったりする。
で、国境がキナ臭い、自作自演の襲撃とか。
で、裏取引きに裏切りなんてね。
辺境伯と相手中央部が組んだとかね。
(カイン・ロロア女王)
なかなか辛辣だな。
(ナギサ)
だって、相手に条件突きつけて戦争なんてよくあるやん。
昔、その条件を突きつけた本人達に"同じ事をされたらどうするか?"というのの答えが"問答無用で戦争だ。"って歴史がある。
(近衛騎士団団長 ショウ・クルト)
無茶苦茶だな。
(ナギサ)
だから疑ったんだよ。
(カイン・ロロア女王)
で、私のところに来たと。
(ナギサ)
そうやね。
辻褄が合わない。
って事は何かあるって考えるのが普通でしょ。
それに魔族推しなのもある。
(近衛騎士団副団長 ケイン・アイリス)
魔族推し?
(ナギサ)
そう、なんか魔族って好き。
それに異世界って言ったら魔族がロマンでしょ!
(ロロア魔王国筆頭魔道士 アリス・ケインズ ダークエルフ 男の娘)
そうなの?
(ナギサ)
そうだよ。
というわけで、詳しい話を聞くナギサだった。




