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4話 リトルカブ

今回の旅で初めての給油は、埼玉県を越え、茨城県の古河市の少し寂れたガソリンスタンドだった。

ウインカーを左に出して、ミラーを確認してスタンドに入ると建物の中から年配の女性が出てきた。凛とした雰囲気だけど60代に見える。

「レギュラーだよね?現金?」

 と素っ気ない感じだ。

「あ、はい。レギュラー現金でお願いします。」

 返事もせずにガソリンを入れてくれる。

「ずいぶんと荷物積んで、どこまで行くんだい?あら、お人形さんも一緒かい。」

 トントゥの事だ。

「今日は盛岡まで。明日大間崎まで行こうと思ってます。」

 

「大間崎って青森のかい?ずいぶん走るんだねぇ。」

 

「もう無理って思ったらスグ諦めてどっかに泊まって帰るつもりです。」

 

「なんだか楽しそうだねぇ。学生さんかい?あ、ガソリンいっぱいいっぱいまで入れとくね。」

 

「ありがとうございます。大学生です。」

 慣れた手つきでこぼさないように入れてくれた。

「はい。625円。細かいのあるかい?」

 

サイフの小銭入れを漁るとピッタリあったので手渡す。

「ありがとうね。気をつけて走るんだよ。無理しないのが一番だからね。」

 あれ?親戚の方でしたっけ?と一瞬思ったけれど、当然そんな訳はなく、トイレを借りたかったりもしたかったのだけれど、なんだか丁寧に送り出されてしまったので、そのまま出発した。

少し先のコンビニで麦茶とおにぎりを買ってイートインで少し休憩をした。

それから快適に走行していると、対向車線のライダーが手を振ってくれた。

 ライダー同士の挨拶「ヤエー」だ。観光地やツーリングスポットでよく行われている安全祈願。

私はこのヤエーが結構好きだ。

お互い笑顔になれる、少しだけ旅のワクワクが増えるそんな挨拶だ。


ちなみに私のバイクはホンダのリトルカブ。

私が中学生の時にネットオークションで発見して父が購入した。

その時点で全塗装、バーハン化、マフラー交換などカスタムされまくっていたが、父が更にカスタムをした。

 50ccのリトルカブを100ccにボアアップしたのだ。

お陰で原付の免許では乗れないけれど、時速70キロなら普通に巡航できるバイクになった。

 私は高校に入ってから免許を取得した。それ以来私の愛車だ。

普通はカブ=燃費が良い。

らしいが、私のカブはボアアップしてあるので実質リッター30キロ程度しか走れない。更にはタンク容量が4リットルしか無いため、100km位で給油する必要がある。

 今回はGoogleマップで4号線沿いのスタンドチェックしまくってある。予備のガソリンも1リットルもってるし、今回は夜通し走る予定もないので、問題ないだろう。

 

私はその後もひたすら北上した。途中やはり朝の渋滞に巻き込まれたりもしたけれど、だいたい予定通りに福島県に入る事が出来た。

  

 


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