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ヤエー!初めての4号線走破  作者: 砂糖水色


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17/22

晴子in trouble

日の出を過ぎた時間に目覚め、身体を起こす。

体も頭も重い。

私としては珍しい事に、あまり眠れなかった。

 シュラフの中に潜り込み眠りについて1時間程でスコールのような大雨が降ってきた。

 ほとんどの物はテントの前全室にいれてあったけど、椅子とコンパクトテーブル、ソフトクーラーが濡れてしまった。

まあ、帰宅してから乾かせば問題ないけど、朝椅子を使うのは難しそうだ。

日付けが変わって少ししてから雨が止んだあと、赤ちゃんの鳴き声が長時間響き渡った。

これはもう仕方ない事だ。

親は一生懸命あやしているだろうが、中々泣き止まない。

私は片方耳栓をしているが、それでも聞こえてくる鳴き声。

赤ちゃんの鳴き声とは何故こんなにも耳に残るのだろう。

しばらくすると男性の声がキャンプ場に響き渡った

「うるせぇよ!なんとかしろよ!」

女性が平謝りしている声が聞こえる。

赤ちゃんの鳴き声のボリュームは更に上がった。

 

それから少しして、車が出ていく音が聞こえた。恐らく赤ちゃんの家族が出ていったのだろう。


それからまた大雨が降り出して目が覚めた。

明日帰宅出来るかな…

そんな不安が心の中に沸いてくる。

この感覚は従姉妹の彩ちゃんと長野に行った時以来だ。

心の中にモヤモヤした感覚を覚えつつ眠りについた。


 

メロンパンを缶コーヒーで流し込むようにテントの中で食べて、直ぐに撤収をはじめた。

テントも椅子もびしょ濡れだけど仕方ない。一応大きなゴミ袋で包んで収納する。

 天気は曇り。

天気予報をみると、やはり昼頃から大雨になるようだ。

今出ても多分東京に差し掛かるくらいで雨に降られるだろう。

それから数日間は雨が続く予報なので、延期しても意味は無い。

疲労感が強いけど強行して帰るしかない。

カブに荷物を積載し忘れ物がないか確認する。

 よし!気合い入れていこう。

そう呟いてセルを回した。

キュルキュルと音はするけどエンジンがかからない。

え?ヤバいと思ったけどキック数回でエンジンがかかって安心する。

まだ早朝なので、なるべく静かにキャンプ場を後にした。


早朝の静かな猪苗代湖を横目に走る。

この辺は道路が広くて走りやすい。

ヘルメットのシールドを開けて爽やかな風を感じると、気分が回復してくる。

私はやっぱりこのカブで走るのが好きだなぁと感じる。


異変が起きたのは、山間のクネクネ道に入ってしばらく走ってからだ。

 霧が濃くなりヘルメットのシールドにポツポツと雨粒が当たりはじめる。

きっと前を走ってるトラックの荷台の上に溜まってた水が飛んで来てるだけ。だからコレは雨じゃない!と願ったりしてる時にカブの調子がおかしくなってきた。

アクセルを回しても反応が悪い気がする。

カーブで減速したあと、速度が出にくいのだ。

だからと言って止まっても多分仕方ないだろう。

直せないし。

私はそのまま走り続けた。

雨はお昼から!雨はお昼から!そう呪文のように唱えていたけどやっぱり効果はなくて、雨はやはり強くなってきた。

 私のバイク用のジャケットは防水性が高いけど、普段着のパンツだから合羽のパンツを履くため一度止まった。

スマホにジップロックを、シートバックにレインカバーを被せた。

走り出そうとしたけど、エンジンが止まっている。

あれ?私エンジン切ったっけ?

まぁ、良いかと、セルを回すけどかからない。

雨はどんどん強くなって視界が悪くなってきた。

何度かキックを試すとエンジンがかかって安心する。

だけど、アクセルを少し回したらエンジンが止まってしまった。

 

ヤバい。焦る。

 

 今止まっている場所は山間部のストレート部分の脇にある小さな砂利スペースだ。

突っ込まれることはないと思うけど、車の流れるスピードが早く安全とは言えない。


何度もキックを試す。

数度エンジンはかかったけど、すぐに止まってしまう。

雨は強く視界は悪い。

…どうしよう。

スマホで症状を調べようとホルダーから外す。

ジップロックの上からだと反応が悪い。

 …焦る。

インターネットが開かない。

 まさかとは思ったけど、やはり電波がない。

さっきまでナビは普通に動いていたのに。

そういえば父がインターネット使えないけどGPSは届く地域があるって言ってた気がする。

もう一度キックを試してみるけど、もうエンジンはかからなくなった。

 

土砂降りの中、濡れたのか汗なのかもう分からない状態で絶望を感じる。

 

ギュイーン!ギュイーン!ギュイーン!

心の中でエヴァの使徒が出た時のブザー音が大音量で鳴り響く。

アゴヒゲにグラサンを付けたオッサンがテーブルに肘をついて呟く。

「間違いない。故障だ。」

 

  

 



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