覚醒
小屋で休んで10分程…
「そろそろ体も楽になったし、私達も行こう?」
「そうだな。顔色も元に戻ったし…な?」
楽しそうに笑う雅を睨む凛桜
「うるさい……。今は集中させてよ」
「はいはい、んで。頭領さんはどう動く?」
どう……か。
顎に手をあて凛桜は少し考え込む
遠くから聞こえる戦闘音。
その位置からある程度石段を登った所で敵と交戦中なのは判断できる。
雅からの情報で敵の本殿…黒幕がいるのは山の山頂。
そこに一気に行ければ敵を分断できる…!
「本殿まで一気に突撃したい…
だから、私は妖力を最大限解放するべきかと。」
「ダメだ。」
首を振る雅に不満な顔をする凛桜
「でも普通の妖力で行っても
どうせ茨木童子には勝てない!」
だったら妖力の解放は必須でしょ?!
真剣な顔で反発する凛桜
「だから無理をするなって話をしただろーが!」
「だからそれじゃ勝てないだろって!!!」
睨み合う二人
「お願い。絶対に死なない、一線は超えないから。」
「凛桜………」
少しの沈黙後、
「だぁーーー!!もうわかった!
わかったけど絶対にやりすぎるなよ!!」
やばくなったら強制的に解除するからな!
大きな溜息を吐いた雅を見て
パァッ!と明るい笑顔を見せる凛桜
「ありがとう雅!!」
「やめろその顔心臓に悪い…」
小走りで小屋を出る凛桜を雅も追いかける
「あのお札で妖力が使えなくなった時に思ったんだけどね?」
凛桜は屈伸をしながら雅に話しかける
妖力を使わないようにしまった時、体から妖力が無くなる…その流れを久しぶりに感じた。
今まで普通に出来ていた…
言い換えれば、"無意識の感覚"だった。
「思ったんだよね…
今まで妖力を抑えないと!って思ってたけど、
もしかしたら上手く流すようにしたらコントロール出来るかもって。」
そして札が剥がれて妖力が体内を流れた。
あの感覚と流れを覚えている内に……!
「なるほどな…確かに一理あるかもしれない。
なら俺は凛桜の妖力がブレた時に上手く誘導する。
安心して思いっきりやれ。」
そう言って少し離れて構える雅
凛桜は頷いて目を閉じる
ゆっくり…自分の周りで渦のように妖力を流す!!
「いくよ!!!」
開いた目が深い水色に輝き、
凛桜の周りを白い妖力が覆い尽くす
木々の枝を折りながら暴れる妖力を
雅が風で渦に戻していく
雅は風を操りながら渦の中の妖力の流れを観察する
今までの強化訓練ではそろそろ凛桜が苦しみ始める時間だ。
だが今のところ渦がブレることも無く、
むしろ威力はそのままで縮小していく
「これは……大丈夫なのか?」
渦がブレていないということは
凛桜のコントロールが上手くいっている証拠だ。
風を収めて高速で回る渦を見つめていた雅
「………ん?」
今一瞬中心が光った?……と思った瞬間
「?!……眩しっ……!!」
突如強い光を放った渦に
雅が目を瞑って体を背ける
光が落ち着き、影も薄くなった……
雅は恐る恐る光の方へと目を向ける
「おい……、凛桜……だよな?」
目を見張る雅。その先にいたのは……
白い袴に白い髪……
先程よりも透き通る水色をした目で雅を見ている
凛桜だった
ついに凛桜が力を自分のものにしました!
一体凛桜にどんな変化が起きたのか…
引き続きよろしくお願いいたします。




