次は……
バレー部に入部して2日目。
未だにボールとは仲良くなれないが、
同学年とはそこそこ話せるようになってきた。
そこで1つ気になる事が……
「まだみさきちゃん休んでるらしいね…」
「先生も家族に連絡したらしいよ?」
「え待って……この感じもしかして悪夢とか?」
そんな会話がちらほら聞こえる
先生は"体調不良"としか話さない。
違うクラスということもあり、これ以上は本人が来てからでないと情報は貰えないだろう。
……自力では。
部活が終わった凛桜はそそくさと里に戻った
――――
「って事があったんだけど…なんか情報ある?」
夜の執務室
教師として潜入している夕は首を振る
「まだ確定はしていません。
ですがみさきさんの担任曰く恐らく悪夢だろう…と。
自宅では諜報部隊の皆さんが昨日から監視をされています。周辺に小物の野良はいるものの、
人に害なす程のレベルではないそうです。」
うーん……。
本来人に害なす理由は"精気を吸う為"
精気を吸った妖なら諜報部隊、特に合同で調査にあたってくれている白狐はすぐに察知できるはずだ。
一体誰が、何のために悪夢を見せているのか?
「とりあえず何も進展ないか…。雅は?」
「特に変な気配もないし、異常は感じないな。
妖の仕業なら恐らく学校外での犯行だろうし、
そろそろ本格的に動いても良さそうだな。」
確かに…
潜入から約1週間、学校内も付近も異常はない。
恐らく妖は学校内にはいないのだろう。
ならば多少校内では大きく動いて、
情報を得た方が得策かもしれない。
「みさきさんが復帰したら私が接触する。
同じ生徒の方が多分先生とかよりも緊張しないだろうし。」
今のところ一番情報を持っているだろう。是非とも話を聞きたい。
凛桜達3人は白狐からの情報も整理しつつ、
夜遅くまで話し合っていた
――翌日――
「ねね、今日みさきちゃん来たらしいよ!
バレー一年の」
「ほんと?!なら部活前に挨拶行こうかな?」
幸からの情報に歓喜する凛桜
体調が悪い場合今日は部活に来ないかもしれない。
ならこちらから出向くまで!!
凛桜は幸の案内でみさきのいるC組へと向かった
「初めまして、最近転校してきたリオです。
…バレー部に入部したから部活でもよろしくね」
凛桜がみさきへ話かけると
みさきはゆっくり顔をあげた
「…………よろしくね……。」
凛桜はみさきの顔を見て目を見張る
……酷い顔だ。目の下にはクマを作り、
全体的にゲッソリしている…。
「大丈夫?かなり疲れてるみたいだけど…」
心配するフリをしてみさきの肩に触れてみる
……妖力は感じない…。
今は妖の影響を受けてないのだろう。
「…大丈夫。ありがとね…ところで」
みさきは凛桜と幸を見て小声で話す
「あやかは?あやかは無事なの…?」
「無事?なんのこ…え、もしかして悪夢のこと?!」
驚く幸の口を慌てて塞ぐみさき
「そう。悪夢の事…。……多分だけど、」
みさきは顔色を更に悪くして続きを話す
「…多分次はあやかだよ。」
驚いて息を飲む幸の隣で
凛桜は困惑の表情を浮かべていた
少し進展し始めた情報収集。
みさきは一体何を知っているのか?
次回もよろしくお願いいたします




