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夜空の渡り人  作者: 澪露
妖力解放編
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奇妙な欠席


――執務室――



「生徒の不審な欠席が続いている…?」


諜報部隊に所属している若い男の天狗が静かに頷く

この天狗…ゆうは高校に教師として潜入し、

諜報活動をしているらしい。


「はい…。

ただの欠席なら何もおかしくはないのですが…

皆同じ理由で休むのです。

私の持っているクラスが1年生なのですが、

最近学年で"眠り続けて欠席した"という生徒が急増しています。」


凛桜は隊長から貰った、

各生徒の詳細が綴られた書類を見る


「クラスも違えば男女ともに比率は同じくらい…。

その欠席も2日ほどでその後の変化もない……か。」


不思議な現象だが、これといって危険性も感じない。



「雅はどう思う?」


隣に控えている雅に問いかける凛桜


「まぁ不思議っちゃ不思議ではある。

ここまで頻発していれば

妖が関わっている可能性も高いとは思うが…。」


雅が夕の方を見る


「わざわざ俺たちにまで話を持って来るって事は

諜報部隊的には緊急性があると判断したんだな?

その理由を聞かせて欲しい。」


「……私も最初はただの睡眠不足が原因だろうと思っていたんです。

ですが、徐々に欠席者が増えた為本人達に詳細を聞いてみたんです。そしたら……」


夕は少し顔を強ばらせる


「……全員、全員が自分が誰かに殺される悪夢を見ていたんです。状況は様々らしいですが…何回も何回も自分が死ぬところを第三者目線で見続けたそうです。」


殺される夢……それも何回も…。


「なるほど…それは早めに解決しないとだね。」


多感な時期である高校生が

そんな夢に苦しむのは精神衛生上よろしくない。

妖が原因だとしたら尚更看過できないだろう。


「よし、状況はわかった。

私としても協力出来ることはします!」


凛桜の言葉にパァッと顔を明るくする夕


「ありがとうございます……!

では早速で申し訳ないのですが、

生徒側の潜入を許可して欲しいのです!」


「生徒側……

教師では表面上の状況しか分からないもんね。

だけど……誰か候補いる?」


この里に来てからだいぶ経ったが、

華奢な大人を見たことがない。

基本的に天狗は体格が良い妖なのかもしれない…



凛桜が雅や隊長、夕の顔を見るが

全員心当たりは無いようだ…



高校生くらいの身長と顔…

更に、高校という環境を理解していたら尚良し。


「……私が行こうか。」

「ダメだ!!」


凛桜の提案に雅がすぐに反対する


「お前…!反対するに決まってんだろ!

まだ妖力の安定もしてないし、何しろ分からないことが多すぎる!何が起こってもおかしくないんだぞ?」


凛桜の背後から捲し立てる雅


「分からない事が多い?何が起こっても?

……だからこそ私が行くんだよ。

それに、私以上の適任いる?いないでしょ?」


立ち上がって雅を見る凛桜


「っ……だとしてもだな……」


図星なのかそれ以上言葉を続ける事が出来ずに

押し黙る雅


しばらく続く凛桜と雅の睨み合い…

隊長と夕はオドオドしつつ見守っていた



「……はぁ。わかった、

凛桜の言う通り適任はお前だろう。」


雅が降参して首を振る


「だが、お前一人では行かせない。

この里に適任がいないなら他をあたるだけだ。」



そう言うと雅は凛桜を抱えあげて屋敷の中庭へと歩いていく


「雅?!ちょっと…どうしたの?!」


「白狐族に応援要請をしに行く。お前も来い」


来いって……飛び始めてから言われましても…。



凛桜は諦め、落ちないように雅の首に手を回す





「………行っちゃいましたね。どうします隊長?」

「………俺達も仕事に戻るか。」



黒い点となっていく雅と凛桜を見上げる隊長と夕


春から夏になりつつある風を感じながら

諜報部隊の部屋へと戻っていった



始まりました!新しい展開です。


これから何が起こるのか…眠り続けた原因とは?


引き続きよろしくお願いいたします。

良ければ感想、ブックマークも頂けますと嬉しいです!

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