久しぶりの再会
――京都市内 上空――
「さっっっっむ!!!」
冬の寒空、羽ばたいている雅に抱えられている凛桜は
暖を取る為に雅にくっつく
「おまっ!あぶな?!脅かすなよ落とすぞ?!」
凛桜に抱きつかれて驚いた雅が
風に煽られて体勢を崩す
「ごめんだけど!寒すぎるって……!!
でも…凄く夕焼けが綺麗…」
凛桜は目を細めて夕日でオレンジ色になっている山とその向こうにある太陽を眺める
2月真冬の夕暮れは寒すぎるが、
透き通った冬の空気は夕日を見るには最適だ
「夕日綺麗だよな…だから冬に飛ぶの好きなんだよ」
そう言った雅は寒そうにする凛桜を
自身の上着で包みながら目的地へと風に乗っていく
「着いたぞ、降下するからしっかり掴まって」
徐々に近くなる風景を見て凛桜はふと思い出す
「あれ……ここっていろは園?」
「正解。で、ここでるいは暮らすことになったの」
ビルの影に降りた雅は凛桜の表情を確認する
「……緊張してる?
凛桜にとって嫌な場所ではないと思って
連れてきたんだけど…」
凛桜は目を細めて微笑む
「緊張…はしてないかな?
けど急に仕事辞めて心配かけちゃってるかもだから
ちょっと罪悪感?みたいな…。けど、懐かしい…
本当にいい先生達だったんだよ」
本当に…ここの先生達は子供第一と思って行動してくれている。
それは子供の私でさえ感じていたくらいだ。
「ここで暮らすなら、るい君はもう大丈夫だよ…」
そう言って園を見ている凛桜
「うん。俺もそう思う…特に林先生って方が…」
「林先生?!まだいるの?!…てか知ってるの?」
驚く凛桜に雅は気まずそうに話す
「え?……うん。俺1週間ここに通ってたから」
「は?」
「いや…だって絶対凛桜はるいの事気にすると思ったから…。それに、妖に長い間取り憑かれた影響がないかも心配だったからね」
雅はそう言って溜息を吐く
「結果、るいの体には影響無いみたい。けど………」
雅の顔が曇る
「るいは…記憶が無くなっている。
母親の事もだし猫又の事も…全部。」
全部………
凛桜も顔を曇らす
それはるいにとって良かったのか悪かったのか…
「そう…。
いつか記憶が戻った時に取り乱さないといいけど…」
「あなた………凛桜ちゃん…?凛桜ちゃんよね?」
沈黙を破るように女性の声が聞こえた
名前を呼ばれてふと園前の通りを見ると
「林先生…?!」
孤児院でお世話になった先生が立っていた
まだ卒園してから1年も経っていないが
それでも胸に込み上げてくるものがあった
林先生は凛桜に駆け寄り、そっと凛桜を抱きしめる
「良かった……!良かった元気そうで…!!
あの真面目な凛桜ちゃんが仕事半年で辞めちゃったから何かあったのかと思って私…私心配で!」
そう言って凛桜を抱く腕に力を込める林先生
そんな先生の肩に顔を埋める
「ご心配おかけしてすみませんでした…
元気でやってますよ」
凛桜は先生の目を見て笑う
「私今、人を助ける仕事をしてるんです。
自分でやりたいって思ったんです…!」
「そう……そうなのね…
あんな引っ込み思案だった凛桜ちゃんが自分で……」
先生の目から涙が零れる
「立派な大人になったわね凛桜ちゃん。」
「…っ!……ありがとう…ございます…」
泣きながら笑い合う2人を雅は優しい目で見ていた
林先生という新しい登場人物ですが、
やっっさしいおばちゃんのイメージです。
近所にいたらついつい挨拶しちゃう的な感じの方です
次回もよろしくお願いいたします。
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