表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜空の渡り人  作者: 澪露
全てのはじまり
21/101

銀と任務への不安

――お披露目終了後、控え室――


控え室の扉が閉まる……


侍女が羽織っている着物を脱がし、

様々な装飾品を外していく



「っっお疲れ様でしたぁぁぁ!!!」


身軽になった凛桜は椅子に座り天を仰ぐ


ほんっっとうに疲れた……


白狐族の件はもちろん、


その後の各里の紹介、交流会…

常に気を張って相手の心の内を探りながらの会話


疲れすぎて全身が重い………



「あーもう何もしないで寝たいー」


全身脱力して椅子の上で溶けていると…


「本当にお疲れのようじゃな?見事だったぞ凛桜!」


「びゃっ!!!白狐族の!銀様ぁ?!」


慌てて椅子から立ち上がる凛桜を見て銀は楽しそうに笑う


「良い良い!ゆっくりしてくれ

もうお披露目は終わったのじゃから

素のままでリラックス!じゃ!」


リラックスと言われても……

というかなんでここに銀がいる?


扉がゆっくり開いて雅が入ってくる


「凛桜すまん……この人止められなかった……」


「まだまだだな雅!あんなの通せんぼとは言わん!」


雅の疲れ切った顔からして頑張ってはくれたのだろう


雅の顔に比べて銀は随分とイキイキしている


「あの……ご要件はなんでしょうか…?」


あんなにド直球で売られた喧嘩の続きか…?


警戒する凛桜を見て銀は眉を下げる


「すまなかったな凛桜。

お披露目での件は少しやりすぎた…

だが、あの妖力といい其方の気迫といい……

もう最高じゃった!

見たか他の奴らの驚いた顔!

笑いこらえるのが大変大変……!」


どういうことだ?

銀は私が頭領になった事に対して反対派のはず…

だからあんなことをしたのではないのか?

なのに、笑いをこらえるとは…?


困惑する凛桜を見て雅が気まずそうに話し出す


「あー……実はな、銀様は…というか

白狐族とは昔から付き合いが長いんだ。

それもあって、

お披露目で反対派が多い時は何とかしてくれるって

聞いてたんだ……けど、まさかあんなやり方とは…

本当に肝が冷えましたよ銀様……!」


雅の睨みを軽く受け流す銀


「まぁ結果上手くいったのだから良かったではないか!

それに、あの場では雅ではなく凛桜が行動しなければ意味がなかった。

凛桜は己の力のみで自身の立場と里の威厳を守ったのじゃ。」


銀は優しく凛桜の頭を撫でる


「この一ヶ月、相当努力を重ねたのだろう?

妖力をあそこまで操るには大体半年はかかる。

本当に偉い子じゃ……よく頑張ったな」


………この人は味方なのか。

雅や侍女も全く警戒していない。


他の妖から小言を言われる前にこの人が全て言ってくれたことで、その後は何も起こらずにお披露目は終了した


そして、この人が味方にいることを

他の里の前で堂々と宣言をしてくれた

今後烏天狗に何かしたら白狐族も出てくる…ということをアピールしてくれた



「ありがとうございます。

銀様が味方で良かったです」


頭を撫でられながら銀を見て微笑む


「…!あぁもう本当に!!可愛いやつじゃ!!!」


銀は凛桜を抱きしめる


……やめてくれ。

女としての格の違いを思い知らされる…


銀の胸に押しつぶされながら凛桜は雅に助けを求める


「ほら、もう帰って下さいよ

うちの頭領様はお疲れなんです!」


無理矢理凛桜から銀を剥がす雅

ぶつくさ言いながらも銀は凛桜を解放した


「まぁそうだな。そろそろお暇する事にしよう。

凛桜、今後任務で一緒になることもあるだろうし

今後もよろしく頼むぞ!」


そう言って去っていく銀



扉が閉まり、雅は大きく溜息を吐く


「まるで嵐のような人だろ?

まぁあれでいて結構優しいし、これからも色々世話になる人だ。

とりあえずお披露目お疲れ様。

今日はゆっくり休んで、早速明日から任務だ。

また明日詳しく話すし今日はちゃんと寝ろ」


そう言って部屋を去る雅



任務……つまり明日妖を"殺す"。


いざ妖と対峙した時、自分がどんな感情を抱くのか

それは正直不安が残る


だが、頭領としての大事な仕事だ。

やらなければいけない。


「…………とりあえず寝よう」



凛桜は任務に不安を抱きつつ就寝の準備を始めた

銀は凛桜が頭領になってからずっと陰ながら心配していたそうです。

雪とも雅とも仲が良いので色々聞いてたんですかね?

凛桜の強力な味方になってくれると思います。


次回からはとうとう任務へ挑む凛桜

妖を助けて頭領になった凛桜

今度はその力で命を奪う側になります。

今後も応援よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ