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夜空の渡り人  作者: 澪露
全てのはじまり
20/103

白狐族の族長

全ての目が……自分を見ている。


凛桜は気付かれないように小さく深呼吸をして

立ち上がる


「皆様。

本日は私の為にお集まり頂き感謝申し上げます。

今代烏天狗族頭領、凛桜と申します。

まだ至らぬ点も多くございますが、

烏天狗族の渡り人として…頭領として

この国の安寧秩序の為に精進して参ります。

どうかこれからも今までと変わらず

我が里とお付き合い頂けますようお願い致します。」


一礼して静かに椅子へ座る


ハッキリ堂々と。それでいて美しさも忘れずに。

雪の指導通りに出来た……はず!



「…ではこれよりご配列賜った皆様のご紹介

並びに交流会へと……」

凛桜の挨拶が終わり、進行役が次に進めようとした時


「少し良いか?」


一人の妖が声を上げた



長い銀髪に美しい狐の尾

そして何よりこの世のものとは思えぬ美女…


困る進行役に代わり凛桜が答える


「どうぞ。白狐族族長…ぎん様」


参加者リストに載っていた名前だ。

リストの順番からしてかなり高貴な妖だ


銀はゆっくりと立ち上がり、凛桜へと近付く


「許可を頂き感謝する。

……して頭領様、其方歳はいくつだ?」


周囲が一気に騒然となる


「貴様…無礼が過ぎるぞ!」


雅が妖力を一気に解放し、戦闘態勢に入る


そんな雅を見ても銀は全く動じない


「雅。お主には聞いておらん、黙っておれ。

頭領様、其方に聞いておるのだ。

正直本当にこんな小娘とは思っておらなんだ…

他の者も噂しておるのは知っておるじゃろ?

小娘に"守護の任務"である殺しは無理だと

そう思っている者が過半数だ。」


……小言を言われるくらいは覚悟していたが

まさかこんなにド直球で来るとは…。



凛桜は落ち着いて周囲を見渡す


銀の発言で雅は羽を震わせて完全にキレてるが

族長が攻撃を仕掛けると

里同士の争いになってしまう。

それがわかっているからギリギリで我慢しているのだろう


それよりもギリギリなのが……隊長達だ。

顔を真っ赤にして刀に手を伸ばしている。

ここでの乱闘だけは避けなければならない…!



凛桜は収めていた妖力を解放し、

隊長と雅を制するように壁を作った。


「お前達。刀から手を離せ。

雅、お前も落ち着きなさい。」


凛桜は息を吐いて続ける


「銀様。確かに私はまだ18の小娘です。

ですが、それが一体なんの指標になりましょう?

そして守護の任務ですが…それは元より承知の上。

それでも尚何か言いたいのであれば…」


凛桜は更に妖力を解放する


「この場で証明致しましょうか?

五峯神に認められたこの私を認めていない……即ち

あなた方は五峯神のお考えに背いているのと同義。

ならば多少荒事に出てもお叱りは無いでしょう?」


妖力暴走の一歩手前でコントロールする凛桜



"凛桜ちゃんは何か言われた時に一気に妖力を解放して

相手を揺さぶるの。

凛桜ちゃんの妖力は妖から見てもかなり強い。

自分の流れに一気に引き込みなさい。"


これは雪に教えてもらった必殺技。


この一回で全てを黙らせる…!



銀は凛桜を見て大声で笑った


「はははははっ!!良い!良いぞ凛桜!

私の負けじゃ。其方を烏天狗の頭領として歓迎する

そして、今後も烏天狗とは仲良くさせて貰いたい。

何か困ったことがあれば直ぐに駆けつけよう!」


銀は凛桜に一礼して自席に戻った


……何とかなったのか…?


ゆっくりと妖力をしまいながら

凛桜は雅をチラッと見る


「では、進行を戻しましょう。」


雅の一言で進行役が再度進行を始める




この後、凛桜に対して物申す者も現れず

順調にお披露目は終了した






銀初登場です!

ナイスバディな白い狐の妖です。

めちゃくちゃ綺麗ですが、実はかなりのご高齢。

これからも沢山登場して雅と凛桜の物語にも深く関わってきます


段々と増えてきた妖達

皆さんはどの子が1番好きですか?

是非教えて下さい!

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