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夜空の渡り人  作者: 澪露
全てのはじまり
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黒丸復活

「あぁぁぁ疲れたぁ…」


本日の訓練と礼儀作法の勉強が終わり

自室に帰ってきた凛桜

目の前のソファへ引き込まれるようにダイブする


里に来てから明日で1ヶ月

雅との訓練に雪との礼儀作法の勉強…

それに加えて仕事の退職手続きに引越し…


ここまで過酷な1ヶ月は生まれて初めてだった


そして明日はとうとうお披露目の日…

雅も雪も沢山のことを教えてくれた


妖力はやっとコントロールに慣れてきて

妖力を自分の中にしまう事、

長時間維持することもできるようになってきた。


"いついかなる時も妖力はしまっとけ。

いざという時に一気に放出した方が効率的だ。"


と雅に言われた為、

今は寝てる時にも維持できるように練習中だ。



礼儀作法は…何とか形にはなったらしい

雪があんなにスパルタとは思っていなかったが

そのお陰で明日は恥をかかなくて済みそうだ…


"多少失敗しても、一番大事なのは

「堂々としてること!」

大丈夫って思い込むのが1番大事なのよ!"


…らしい。もうメンタル面は頑張るしかない



ソファで大きく伸びをして天井を見る


明日、初めて公の場で頭領として振る舞う事になる


「………緊張する…」



コンコン…


「うわぁ!!なに?!」


急に窓からノックが聞こえて驚く凛桜


……まど?扉じゃないってことは雅や雪じゃない?


警戒しつつ窓に近付くと…


何やら小さな天狗が

窓に近い木の上から手を振っている


「どうしたの?迷子?………ん?」


……この無邪気な笑顔、そして何故か閉じている左羽


「もしかして…黒丸?」


問いかけると、

その天狗は満面の笑みで飛びかかってきた


「あたりー!!凛桜!久しぶりだな!!」


慌てて受け止め、後ろにひっくり返る凛桜と黒丸


「こら!危ないでしょーが!

まだ怪我治りきってないんだから!」


凛桜はそう言いながらも優しく黒丸の頭を撫でる



雪曰く、里に帰ってきた時の黒丸は

回復の為に妖力を使いすぎた事により

カラスの姿から天狗に変化出来なかったらしい

天狗になれるまで回復した後も

雪と雅から雷が落ち、自室での謹慎中ひたすら勉強の毎日だったようだ


一見甘く見える罰だが、やんちゃな黒丸にとっては

部屋に居続けるのは随分堪えたらしい…


雅が昨日謹慎を解くと言った時には

泣いてお礼を言って来た…とあの腹黒は笑っていた


「やっと凛桜にまた会えた…!

ちゃんとお礼言いたかったんだよ

助けてくれてありがとうございました!」


ニコニコとしている黒丸


「どういたしまして。

黒丸が元気になって私も嬉しいよ」


つられて凛桜も微笑む


穏やかな空気も束の間、

黒丸はいそいそと窓の方へと凛桜を連れていく


「実はさぁ、凛桜との1週間の事友達に話したら

凛桜と話したいって聞かないんだよ

晩御飯まででいいから一緒来てくれねーか?」


そう言いながら窓へ羽ばたこうとする黒丸


「待て待て待て。片羽でどうやって飛ぶつもりだ!

もう……降ろしてあげるからこっちおいで」


いけると言って聞かない黒丸を

無理矢理抱えて窓から飛び降りる


妖力のコントロールが出来るようになったことで

多少の身体強化は出来るようになった

足に妖力を溜めれば

多少の高さからの落下は何ともない

雅との訓練の賜物だ。


………礼儀作法的にはバレたらやばいな。


「…雪には内緒だからね。

次からはちゃんと扉から来て扉から出る。いいね?」


黒丸は何かを察したのか、真顔で頷く。


「んで、どこ行くの?

そんな足と羽じゃ歩くの大変でしょ?

このまま抱っこしてあげるから案内して」


黒丸を抱えながら歩き始める

よく見たら右足にまだ包帯が巻いてあるじゃないか

…こんな状態でよく遊ぶもんだな……



「あっちのね…山の中!」


黒丸が指さすのは

里の街中を抜けた先にある大きな山だった



「案内してやるよ!俺たちの…秘密基地だ!!」


まったく…この子供は…


得意げな笑顔の黒丸を見て

凛桜は微笑みながら黒丸の頭を撫でた


今回は穏やか回です。

黒丸は「やんちゃ」を具現化したような悪ガキです。

そんでもって愛嬌もあるので可愛いのなんの…!

って作者は思ってます。恐らく凛桜もです。

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