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祭り当日



祭り当日、開催地ではない烏天狗の里もお祭りモードで賑わっていた




「んじゃ行ってくるわ。

現状の警備どうなってる?」


雅が着物を着るのを手伝いながら雪は微笑む


「万全よ。正門には一部隊、山には二部隊配置済み。

もちろん定期的に交代して皆祭りには参加できるようにしてるわよ。」



雅の羽織を綺麗に整える雪



「あなたはあなたで少し息抜きしてきなさい。

最近働き詰めだったでしょ?」


「そうも言ってられないけどな…

けどまぁ凛桜にも楽しんで欲しいし今日一夜くらいは一緒に楽しむか。」


髪を軽く整え、雅は雪へ顔を向ける


「雪も最近忙しかっただろ?黒丸も寂しがってたし、今日くらいはゆっくりしててくれ」


「ふふ…ありがとう、こっちはこっちで楽しむね!」



ほら行ってらっしゃい!と軽く背を叩かれ

雅は部屋を出る



1週間でだいぶ心地よくなった風が

下から上ってくる焚き火の匂いを運んでくる



街中に下りれば至る所に提灯が飾られ、

広場には屋台が並ぶ


雅は周りの雰囲気に少し胸を高鳴らせながらスタスタと歩いていく



ふと、後ろから騒がしい足音が近付き…


「うりゃぁ!」


背中にうるさいものが飛びついてきた



「こら、着物が汚れるだろーが!」


後ろ手に首根っこを掴み引き剥がす雅


「これから白狐の里行くんだろ?

いーじゃんかっこいい!」


黒丸は満点の笑みで親指を立ててくる


「そりゃどーも。ほら早く見回りして出かけなきゃいけねえから邪魔すんな」


キャーキャーと楽しそうに叫びながら

黒丸が笑顔で子供達と駆けていく。

その姿を眺めながら、雅は少し胸を撫で下ろした


皆、子供たちが笑顔で駆けていくのを微笑ましく見守っている。

その顔は久しぶりに焦りの消えた優しい表情だ。

こんな状況でも祭りを開いたことが良い方向にはたらいていることを証明しているようだった。



雅はそんな街中を見回り、やがて喧騒が届かない石段へと向かった。

正門に続く階段を降りると、

雅に気付いた隊員達が姿勢を正して道を開ける


「雅様、これからご出立ですか。」


「あぁ。んでこれ、みんなで食べな」


雅は街中の屋台で買ってきた様々な食べ物を渡す


隊員達から軽く歓声が湧く中、隊長が笑いながら雅へ耳打ちする


「3時間ほど前、先にご出立された姫様も色々くださったのですよ。"雅がまたくれると思うし軽めにするね"と仰られて…皆、期待してしまって空腹だったのです。」


「なんだ読まれてたのか…」


苦笑する雅に微笑む隊長


「貴方様の優しさを信じている表れでしょう。

我々はそんな方々に仕えられて光栄の至りです。」



隊長は隊員達と整列する



「里の警備はお任せ下さい。

……どうか楽しんで。」



雅は敬礼をする隊員達に敬礼を返す


「…ふっ…、おい敬礼の時くらい口動かすな」


吹き出した雅の言葉に隊長のげんこつが隊員に飛ぶ


雅はそんな和やかな空気に笑いながら正門を抜けていった



――――



「お待ちしておりました。雅様でございますね。」


白狐族の里に着くと

正門には厳重な警備が敷かれており、

祭りの招待客達が白狐達に連れられて中へと進んでいる



「雅様は私がご案内させて頂きます。」


そう言ってお辞儀をした白狐を見る雅


「…失礼ですが、銀様の側におられる…」


雅の言葉に頷く白狐


「はい、銀様の侍女として仕えております、すみれと申します。銀様には息子の錫もお世話になっておりまして…」

「えっ?あ、錫君のお母様でしたか!」


驚く雅に菫は微笑む


「えぇ、全く似てないので気付かれる方はいらっしゃらないのですけど…息子がよく貴方様の事を話すもので…先の戦いでも色々学ばせて頂いたと。」


「いえ、錫君にはこちらこそ本当に助けられました。

また今後も仲良くさせて頂きたいところです。」


雅は菫と話しながら里の中へと入っていく



烏天狗の里同様、皆祭りの飾り付けや準備に忙しなく動いており、楽しそうな雰囲気に満ち溢れている


そんな中心街を抜けると、目の前に現れるのは巨大な建物。


まるで旅館のようなその風貌に毎度何故か心が正される気分になる



そんな館の中へと案内されると、奥まった部屋の扉を菫が開ける


「雅様はこちらのお部屋でお待ちくださいませ。

凛桜様は現在お衣装合わせを行っております。

舞が終わるまでは異性に会うことは禁じられておりますゆえ、他の方と同じように祭り開始時にお迎えに上がります。」


そう言って菫は扉を閉める


雅は大きく伸びをし、机に置かれたお茶を飲みながら窓の外を見た


眼下では沢山の妖たちが料理や酒を持って歩き回っている

その会場の中心にある大きな舞台…

凛桜が今日舞う為だけに設置され、清められた神聖な場所だ。



「どんな感じなんだろうな…」



舞の練習は基本女性のみが指導し、その姿を男性が見るのは禁じられている。

その為どのような衣装で舞うのか、どんな演出があるのかは今までの舞から想像するしかない。



あの凛桜がまさか舞うことになるなんてな……


雅は少し息を吐いて胸の高鳴りを鎮めようとしていた。




さぁ祭りの始まりです!

凛桜が頑張ります!

引き続きよろしくお願いいたします

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