龍の祭壇
「僕の祖先であり、先代愛し子の名前はキヨ。
皆が見つけたあの神社の家に生まれ、16歳の時に白龍のお告げを聞いたらしい。そこから白龍の指示通りに味方を集めて黒龍を封印し、亡くなった。
……この位は陸でも伝えられてるのかな?」
「はい、そこら辺は知ってます。」
答えた凛桜に頷き、湊は話を続ける
「だよね。ならキヨに恋人がいたのは?」
湊の言葉に一同は驚く
「恋人……など許されるのか?
巫女だったと聞いているが。」
「うん、もちろん許されなかった。
だから絶縁同然でキヨはこの里に来た。
そして白龍のお告げを皆に話して協力を依頼。
その恋人とも結ばれ、やがて男児を一人産んで、
その男児から今まで血が紡がれたという訳。」
湊は指を折りながら呟く
「えっと……僕で20代目だね。
キヨは黒龍と戦う時にこの里に子供を置いていった。
その時に子孫の今後についても書き遺して行ったみたいだよ?
1、兄弟姉妹がいた場合、白龍の力を多く受け継いでいる方が渡り人となること。
2、渡り人は陸に上がってはいけない。
3、渡り人は族長と"血の誓約"を結ばなければならない。
全て自分に与えられた白龍の力を守り、
受け継ぐ為の約束事。……きっとわかってたんだろうね、黒龍と戦う時に自分が死ぬ事を。」
少し表情が曇った凛桜を見て、湊が眉を下げる
「…ごめんね。不安にさせるつもりはなかったんだけど、どうしてもそんな気がして…。」
「いえ…大丈夫です。」
凛桜は力なく答えた
キヨ…先代は明確に自分が居なくなった後を考えて黒龍との戦いに行った。
そんなに勝ち目がないのか…?
だとしたら自分は………
「僕は白龍の力を受け継いでいるとはいえ、微々たるもの…。きっと君の代わりにはなれない。
けど、僕だからこそできる手伝いもある。」
湊は考え込む凛桜を見て立ち上がる
「実はね、白龍の力を持ってないと入れない場所があるんだ。そこにはキヨの書物も保管されている。
もしかしたら君が生き残る方法も見つかるかもしれない。ついでに里の中も案内しよう。」
着いてきて!
そう言って部屋から出ていく湊に慌ててついて行く凛桜達
屋敷から出て、白砂で出来た道を歩いていく
周囲を見渡した雅が口を開いた
「先程は外に全く人魚がいなかったのですが…」
「それはそうだろうね。
あの時は皆広間に集まってたから。
今は100人位しかいないんだ…閉鎖的な環境だし仕方ないのかもね。」
そう言って少し脇の小道に入っていく
「ここは祭壇だよ。白龍と黒龍を祀っている。」
「黒龍も?初めて見ました…」
凛桜は湊の隣に行き、祭壇を見上げる
石造りで、中央には鏡が2つ置かれている。
両脇には横向きの龍が向かい合うように彫刻されていた。
「この里では黒龍も白龍も同じように祀られているんですね。何か理由でもあるんですか?」
凛桜の問に湊は首を傾げる
「んー、昔からそうだった…としか言えないな。
さ、目的の場所はこの奥だよ。」
祭壇の奥に続く小道へと入っていく湊
凛桜は祭壇を見つめながら小道へと向かっていった
キヨさんの事が少しずつわかってきました!
何故黒龍も祀られているのか、凛桜が生き残る道はあるのか?
引き続きよろしくお願いいたします!




