優しい手
「すまんな、
何を隠したのかも聞いたんだが…
何をしても知らんの一言でな。
あれは本当に知らないやつだな…」
少し可哀想な事をしてしまったなぁ
そう言って笑う銀
「……何したんですか」
恐る恐る聞いた凛桜
「ん?大したことはしておらん!」
笑顔のまま首を傾げる銀
「……止めとけ、聞かない方が良いやつだこれ」
雅の小声で制され、
凛桜は愛想笑いをして話題を変えた
「とりあえず書物の件はわかりました。
そして…人魚の件は?」
「そうだな。
長老からは他に何も聞き出せなかったんだが、
その奥方が内密に連絡をくれてな…
だいぶ昔に長老がボヤいておったらしい。
"人魚達は何故協力しないのだ!いくら愛し子の里だからと!"ってな。」
銀は話を続けながら大きな地図を開く
「全く素晴らしい奥方じゃ…
毎日日記をつけていて、私が長老を問い詰めている時に自分の日記を確認してくれるなんてな…」
「その日記には黒龍の件書かれていなかったのですか?」
雅の問に銀は首を横に振る
「その部分のみ破られていた。過去、五峯神からの命だからと長老に言われたらしい。
この奥方は私が子供の頃から世話になっている方だからな、信頼して良い情報だ。」
銀は地図内の文字を目で追いながら指を指す
「ここが烏天狗の里だな。で、ここが白狐。」
地図は西日本の拡大図らしいが、所々に
丸が書かれており、妖の名前が書かれている
「凄い…これ妖の里一覧ですか?」
「そうじゃ。まぁ襲撃に備えて大体の位置のみ書かれているがな…で、例の人魚の里は……」
銀の指はスルスルと下へと降りていき…
「……和歌山県か。海沿いだな。」
雅の呟きに銀は頷く
「そうじゃ。しかも最初の愛し子は神社の巫女。
海沿いにある神社を片っ端あたるぞ!!」
銀が笑顔で拳を上に突き上げる
そんな銀を見ながら凛桜は心配そうに疑問をぶつける
「でも、小さな神社も含めれば数はとんでもないだろうし…それに神社の近くに必ずしも里があるって訳では無いんじゃないですかね…
もっと確定的な情報が欲しい気がしますが……」
「凛桜の意見はもっともじゃ。
だがなぁ…人魚の里については情報がほぼ無い。
というのも、この里は五峯神の支配下に無いからだ」
「え?!そんな事あるんですか?!」
凛桜は驚いて目を大きくする
「だから我々も関わりが皆無でな…地道に探すしかない。だが、」
銀は凛桜を見て微笑む
「何としても探し出す。
凛桜、お前の命を散らさせはせんよ。
その為に人魚から過去何があったのか詳しく聞こう」
な?大丈夫だ!
温かい手で頭を撫でられた凛桜は
不安が残る笑顔を向けた
雅君。基本人の説明は黙って聞くタイプです。
(つっこむ時はつっこみます。)




