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夜空の渡り人  作者: 澪露
妖力解放編
114/132

最期の想い


要の言葉に一瞬固まる美花



「かなめっ?!…やだ……っ!やだ離して!!!?」




要の言葉を聞き、銀は美花を縄で拘束する


「凛桜、お前に渡した小瓶を持って来てくれ。」

「はい……。」



必死に暴れる美花の口を銀が開かせ、

凛桜がその口に小瓶の液体を流し込む



「うんぅぅ……!!!!」


銀は吐き出そうとする美花の口を塞ぎ、

縄で器用に頭を上に向かせる



美花の目から雫が零れるのと同時に



コクン………



美花が目を見開き、力なく崩れ落ちる



〖美花ッ!!〗


「要……っかなめどうしよう……私っ…!!」


泣き叫ぶ美花を黒いモヤで優しく包む要



〖アリガトウ……今マデ本当ニアリガトウ…〗


「嫌だ!忘れたくない…っ!要…」


〖僕ワ君ニ出会エテ本当ニ幸セダッタヨ〗


「私も…幸せだった…幸せだったのっ…!」


そう言いながら手を伸ばそうとする美花

その腕は上がらず、土の上に落ちる


「要……かなめ…」


〖ウン…ココニイルヨ。〗


上から降る優しい声に

美花は必死に頭を上に持ち上げる


「要…大好きだよ…」


そう言って完全に力の抜けた身体を横たえる美花


目を見開いた要はすぐに目を細め、

美花の瞼に触れる



〖………アリガトウ…美花…。〗



ゆっくりと目を閉じる美花


その目から大きな涙が一雫落ち、

静かな寝息が聞こえてきた



〖美花……、〗



要は動かなくなった美花をしばらく見つめた後

ゆっくりと銀と凛桜を振り返る



「…もう大丈夫か?」


銀の言葉に頷く要



銀が凛桜をチラッと横目で見る


「…………、凛桜は周囲の確認をしてくれ。」


「わかりました。……すみません。」


凛桜は震える手を刀から離し、その場に留まった



銀は刀を抜きながら要へと近付いていく


「お前の魂の核は……そのモヤの中の御守りだな?」


目を細めながら問う銀に要は胸に手を当てる


〖ハイ…美花ト幼イ頃ニオ揃イデ買ッタ物デス。〗


「そうか…美花との繋がりはもう消えている。

美花には何ら影響は出さんから安心しろ。」


〖ナラ良カッタデス…。〗



そう言って安心したように目を閉じた要。


その後ろに銀は刀を構えて立つ



「何か言い残す事はないか?」


〖……美花ヲヨロシクオ願イシマス…。ソレト、〗


要は美花を見つめて優しく目を細める



〖愛シテルヨ…美花。〗



銀が刀を振り落とす



音もなく御守りが真っ二つに切れた瞬間、


黒いモヤは夕日に照らされながら消えていった。


美花の記憶と要の最期…。

最後まで美花の事を思いやる要でした。


妖力解放編、まもなく閉幕です。

最後までどうぞよろしくお願いいたします。

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