選択肢
森の奥深く、少し開けた場所に
光る縄で縛られた美花と要がいた。
「ご苦労だったな皓火。後は私が引き継ごう。
お前は現状確認と残り火の消化に行け。」
「銀様…!承知致しましたぁ!!」
銀の指示を聞き、
皓火は嬉しそうに空へと消えて行った。
「まったく…どうもあいつは血の気が多い…。」
苦笑しながら皓火を見送った銀は
凛桜をそっと地面に下ろし、静かに座る2人を見た
「さて、後はお前らの処分だな。」
「処分って……殺すならさっさと殺してよ。」
美花が吐き捨てるように放った言葉を
銀は鼻で笑う
「本当は私もそうしたいんだがな…
ただの私怨で人を殺そうとし、結果ここまで大きな事件にしてくれたんだしなぁ?
だが妖の世にも掟がある……後は凛桜、頼んだぞ。」
「……わかりました。」
銀がやれやれと首を振って後ろへと下がり、
代わりに凛桜が美花の前へと歩み出る
「美花…あの…。」
「何。謝らないからね?誘拐した事。」
凛桜は睨む美花の目をまっすぐ見て微笑む
「うん、その事については良いよ。
…美花がちゃんと私達のこと考えてくれてたのわかってるから。」
誘拐されて入れられたあの小屋…。
本来ならあの場に括り付けるのが脱走防止では当然だろう。なのにただ腕の拘束のみで荷物もそのまま…
「監視もいなければお札の説明までしてくれた。
…本気じゃ無かったんだよね?」
そう話す凛桜の言葉に顔を伏せる美花
「…計画を実行するのと引き換えに黒鱗に協力しただけだったから。まさか幸まで巻き込んでしまうとは思ってなかったの…。」
「やっぱりそうなんだね。……けど、」
凛桜はしゃがみ、座っている美花と目線を合わせる
「3人を誘拐し、殺害しようとした事は事実。
そうだよね?」
「………そうよ。結局無駄になっちゃったけど。」
諦めたように苦笑する美花
「その事については私達じゃなくて人の法律で裁かれることになると思う。
私はあくまで妖側としてあなた達に罰を下さなきゃいけない……。」
凛桜は少し息を整え、要を見つめる
「まず…要君。
あなたはこの場で処刑します。」
〖……ッ…〗
「……それしかないの?リオ…」
体を強ばらせる要と力なく問う美花
「残念だけど…犯した罪が大きすぎる…。
人に加害した時点で処刑は免れない。」
「……私は?」
「美花は……」
凛桜はそこで言葉を詰まらせる。
"何が苦しくて何が罰になるか…
それは人によって大きく変わるものだ。"
そうか………。このことを銀様は仰ってたんだ。
「美花、あなたには2つ選択肢がある。
1つは…このまま人の世に戻ること。
この場合、今後黒鱗に接触され、また利用されるかもしれない…。美花の安全が保証できない方法になる」
「なるほどね…。2つ目は?」
「2つ目は……。記憶を消す。黒鱗の事も、
………要の事も…全部。」
固まる美花
「要………も?」
「うん…。そして美花が3人の被害者を呼び出して
危害を加えた…って認識にさせる。」
固まっていた指が徐々に震え出す美花。
その姿を凛桜は静かに見つめていた。
美花にとって究極の選択。
そして、それを友達に伝えないといけない凛桜…。
美花の出す答えとは?
引き続きよろしくお願いいたします。




